データサイエンティストとはどういう仕事なのかを整理してみました
ネットサービスやソーシャルメディアの普及、IoTの需要拡大により、収集・蓄積が可能なデータの種類と量が急激に増大していることは、これまでにも紹介してきたとおりだ。これらの膨大なデータ(ビッグデータ)は、何らかの目的を持って分析されて始めてビジネスや生活に役立つ洞察や知見を引き出すことができる。この分析に携わる専門家が、「データサイエンティスト」だ。
彼らは、経営や業務上の課題を正しく理解し、ビッグデータに内在する関係や傾向を統計的な知識や手法、あるいは人工知能などを駆使して分析し、課題解決の手段や問題の原因、最適化の方法を探り出す。
例えば、次のような仕事が考えられます。
- ECサイトへのアクセスから生みだされる膨大なデータから顧客がどう行動するかのパターンを推論し、最も売り上げが上がるページの配置や商品の紹介方法を提案すること
- ソーシャルメディアで交わされている会話を分析し自社の商品の評判やクレームなどを見つけ出すこと
- 製造工程での計測データやその後のクレーム対応状況から、製品の欠陥や不具合を見つけ出すこと など
彼らがこのような役割を果たすためには、次の3つのスキルが求められる。
- データ分析のための統計学の知識とこれを使いこなす解析スキル
- 業務や経営の課題を整理し、わかりやすく表現・説明できるコンサルティン・スキル
- ビッグデータを解析するためのプログラムを書くことや解析ツールを使いこなすためのITスキル
ビックデータがいくらあっても、それを分析できなければ使い道はない。そんなことから、このような「データサイエンティスト」という仕事にもいま熱い視線が注がれている。
ビッグデータをビジネスに考えようとするとき、「データサイエンティスト」の育成やそれを支援する仕組みも視野に入れておく必要がある。ツールだけではない人間に頼らざるを得ないを得ない部分に、どう関わっていくかがなければ、顧客価値を満たすことはできない。
一方で、人工知能(機械学習やディープラーニングなど)の普及は、「データサイエンティスト」の役割を変えてゆく可能性もある。こういう動きにも注目しておきたい。
*更新しました* 今週のブログ
SIビジネス 3つの変化、対処のための3つの要件
「人材が手当てできない言い訳が使えるうちに、優秀な人材を新規事業の取り組みに回したらどうですか?」
先日、SI事業者の社長にこんな話をしてみました。では、それでなにをすればいいのでしょうか。
今週のブログは、こんなテーマを取り上げてみました。
Kindle版 「システムインテグレーション崩壊」
〜これからSIerはどう生き残ればいいか?
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- 案件の規模は縮小の一途。
- 単価が下落するばかり。
- クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。