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今夜はバギーパンツ

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 さて、1カ月ぶりのブログでこんなことを書くのもなんですが、周りのみんなが「もうじきクリスマスだね。俺は彼女と……」的なことばっかり言うから、自分まで「クリスマス」というデスワードを思い出してしまいました。今年は玄箱いじって冬を乗り切るぞ、としか考えてなかったのに……。

 今回は、スラドなどでも話題になっていた「NTTグループ中期経営戦略」について遅ればせながら考えてみたいと思います。

 これが独占回帰への序章かどうかはともかく、なかなかに興味深く、かつ見過ごせない一節があります。


NTTグループ中期経営戦略の推進について より引用

「また、今後拡大が見込まれるOSS(オープンソースソフトウェア)を利用したソリューションを強化するため、グループ各社に分散しているOSS関連業務を統合して、システム開発から運用までの一元的なサポート体制を構築するとともに、戦略ソフトウェアの開発力を強化していきます」

 なんだかごちゃごちゃとした表現ですが、ここで重要なのは「オープンソース」という言葉です。各グループ会社がオープンソースという言葉を使うことは珍しくなくなってきていますが、NTTグループ全体の経営戦略にオープンソースという言葉が入ってきたのは初めてなのではないかと思います。これはNTTグループ全体としてオープンソースを推進していくと言っているに等しく、これをもってかなり画期的な出来事だと感じています。

 しかも問題はその中身です。ここでは大きく2つのことが述べられています。

 1つは、「グループ各社に分散しているOSS関連業務を統合して、システム開発から運用までの一元的なサポート体制を構築する」の部分です。

 これはおそらく、NTTデータ、NTTコムウェアを筆頭としたグループの情報システム会社のオープンソース関連部隊を統合し、新組織を作るか、あるいは、同じ項に「法人のお客さまのソフト・情報システムソリューションについては、NTTコミュニケーションズやグループ内のソフト事業会社との連携を強化しつつ、NTTデータが中心となって対応していきます」と書いてあることから、NTTデータにオープンソース関連業務を集約するということかもしれません。

 オープンソースソフトウェアのサポートにはノウハウの蓄積が非常に重要となりますが、そのノウハウをグループで分散させるのではなく、NTTデータ(もしくはほかのどこか)に集約するのは、その是非はともかく、理にかなっています。

 そしてもう1つは、「戦略ソフトウェアの開発力を強化していきます」の部分です。

 ここ最近でもNTTデータからPostgreSQLを強化した「PostgresForest」、VAリナックスと共同開発のクラッシュダンプツール「Mini Kernel Dump」、つい先日公開されたセキュアOS「TOMOYO Linux」が発表され、NTTコムウェアからはVAリナックスの負荷分散ツール「Ultra Monkey」のレイヤー7対応機能が発表されています。

 それらは個別にはさほど大きく取り上げられるほどのものではないニュースですが、これらをすべて足して統合した後に何が足りないのかを考えれば、彼らがいう「戦略ソフトウェア」が意味することが見えてくるような気がしてなりません。全部を詰めこんだNTTオリジナルディストロの登場も、まったく飛躍した論理ではなく、むしろ、かなりの確度を持っているという気がします。

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