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日本一早い(たぶん)GLAN TANKぷちレビュー

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 新バージョンではギガビットイーサネットを搭載して玄箱HGに対抗する、という白箱の話を聞き及び、ぜひ見せてもらいたいという欲望、否、それはすでに見なければならないという強い使命感と表現してもよかった、に突き動かされた自分は、早速1月上旬に発売となる白箱のニューバージョン、「GLAN Tank」(グランタンク:通称グラタン)を見てきた。

 GLAN TANK

 「し、し、白箱がギガ対応じゃあー」と絶叫しながら挑戦者の中の人に説明を聞いたのであるが、自分が思っていた以上にこれは物欲をそそる一品だった。

 ハードウェア的には、CPUが従来のSH-4(266Mhz)からARMアーキテクチャのXScale(400MHz)に、メモリは128Mバイト(基盤にじか付け。半分くらいはキャッシュとして使われている気配)、ネットワークポートはIntelチップセットのギガビットイーサネットを、そのほか、USB 2.0が2ポート追加され4ポートとなった。「サインはVGA」などを使おうとした場合にUSBの口が足りなくなるのもこれで解消された(ハブ使え?何それ?)。
 そのほかのハードウェア的な変更点としては、熱いと評判だった電源ユニットが低発熱タイプに、シリアルポートにジャンパが、ブザーも設置されたというところか。エンブレムシールはメタリックブルーと白の2種類。シールはゴージャスに金色も予定していたと言うが、発色がよくなかったのでボツったという。そうですか。

 このほか、よく回るHDDをお使いの方のために、エアフローをまっすぐにするために、筐体内に付ける穴ふさぎ用樹脂板もついてくる。

裏

基盤チラ見せ 

IDEの口が……

 インストーラも改良が加えられており、前回のようにやっつけ感が漂う作りからはるかに洗練された。例えば、これまで使えなかったUSBキーボードが使えるようになったり、FDレス環境に対応していたりといった感じ。RAIDについても、従来の「RAIDはできるけど壊れたら自分で復旧してね」的な感じから、ミラー復旧モードが追加されている。あと、前回はインストール中は動いているのかどうかよく分からなかったが、今回はブザーが終了を教えてくれる。 ついでにミラーの状態はcronで1時間ごとに監視されている。

 なんと言ってもOSにDebian(Sarge)を採用し、パッケージリポジトリを利用できるのが楽でよい。この野郎、これじゃDebianを使った普通のNASじゃないか! 俺たちゃいつでもSHハック命じゃなかったのかい? 俺たちゃいったい何に挑戦すればいいんだい? まぁそれは置いておくとして、ブートがRedBootで処理する方式となったため、ブートローダーが不要になった反面、initrdが必須となっている。

 ソフトウェア的にはそれほど大きく変わっていないが、WebDAVサーバがApache2/mod_davに変更されたほか、従来チルダなどの扱いでコケていたMac OS XでのWebDAV読み書きも対応(一部制限有)した。これに伴い、FTPサーバ機能はデフォルトでは削られた。

 ギガビット対応は果たしたが、ジャンボフレームの設定は自分で行う必要がある。これはWake on LANも同様で、ハードウェア的には対応しており、あとは何とか設定すれば有効にできそうだ。

 ほぼ間違いなく年内の発売を予定していたはずのこの製品、残念ながら1月上旬へとずれ込んでしまったが、初期ロットはかなり少なめの気配。ついでにシリアルコンソールケーブル(LAN DISK用のものはピンピッチと穴の数が違うので使えない)も数が少ないようだ。価格はオープンで、実売は24800円程度になる見込み。まぁIntelのチップ使っているから許しますかね。

 この製品が出るのを待つことなく玄箱HGを買ってしまった悔しさを胸に自分は人目もはばからずさめざめと泣き、玄箱を質に入れてでもこれを買わねばならないと思った。

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