リライト
昨日のエントリでちらりと書いた話、ソースネクストのことと気づいた人も多かったようだが、その発表会に出席してきた。結構な数の報道陣を前に全方位コモディティ化戦略を発表した同社。その内容についてはこちらの記事が詳しいので全体像を知りたい方は。ただ、Linux系の話では気になる部分も多かった。
まず、「Turbolinux Personal」の1980円という価格は機能をそぎ落とした結果実現したものであるという点。Turbolinux PersonalはTurbolinux 10 Desktopベースだが、映像関連の機能がばっさりと切られているので、デフォルトで実質的に使えるであろう機能はブラウザとメールくらいだ。
一方、マルチメディアを重視したはずの「Turbolinux Multimedia」でさえ、DVDの再生環境すら付属しない(PowerDVDはバンドルされていない)。まぁ、ソースからコンパイルして自分の好きなソフトを入れればいっか。……あれ? 開発環境ないんですね。そうですか。RPMパッケージ入れろってことですね。
いったいユーザーはこの製品をどういった目的で購入すればよいのだろう。少なくともWindowsから乗り換えるに足るとはとうてい思えない。昨日書いたように安いんだからとそれなりの気持ちで使えばいいのだろうか。
この製品を手に取ったユーザーは「なんだよ、Linuxって使えねぇ~」と思うであろうことは想像に難くない。「パソコンソフトを日用品に」という同社のコンセプトは賛同する。しかし、上記のようなネガティブな印象を(高い確率で)与えてしまいかねないこの製品には少し疑問を感じる。この製品がソースネクストが持つさまざまなチャネルで扱われることで、市場ではそれなりにユーザーも増えるだろうから、Linuxに触れる機会を創出したという意味では評価したい。しかし、「安いから使ってみなさい」とかつてのLinuxでよく言われた部分だけを強調しているようなこの製品を見ると、あの製品を思い出してしまうのだ。
もしかするとこうした疑問を払拭するような明快な答えを同社は持っているのかもしれない。そう思い、「コモディティ化の下にユーザーに間違った印象を与えかねないことについてはどう思うか」と自分は聞いたが、帰ってきた答えは「とにかく使ってほしいから……」とどうもズレた答えだったので思いっきり脱力した。
同社のコモディティ化戦略については、すばらしいと思っているし、比較的メジャーなソフト(特打や携快電話)をLinuxに移植しようとしていることも素直に高く評価したい。このあたりは1年ほど前にも取材したソースネクスト取締役の藤本浩佐氏が担当する領域だと思う。ぜひ今回の件についてインタビューさせていただければと願っている。
おぉ。これは面白い。こういうのがでると無意味に自分の家を調べてほくそ笑む。
サイボウズの青野さんがブログを書かれていた。今さら見つけたので巡回先に追加。
●今日気になった激しくどうでもいいこと
・Linux版の特打はFlashで作ってる? ブラウザで動作してたけど。
・ソースネクストからいただいた製品素材データで「Turbo」が「Tarbo」となっていたこと。