オルタナティブ・ブログ > C'est la vie >

デジタルとアナログの間を行ったり来たり

金環日食観測を終えて思い出したこと

»

 前日まで「早起きするのもなあ」と消極的だったが、前日の夜になってエンジンがかかって、なんとか観測できた。振り返ってみると、貴重な機会を逃すことなくよかったなとしみじみ。

 あまり乗り気ではなかったものの、一応準備はしていた。夫が日食観測用プレートが付録についた雑誌ムックを買っていたのだ。プレートがでかでかとA5版サイズで、自分の用途に合わせて切って使うことができる。

 月刊 星ナビ増刊 金環日食を見る 2012年 05月号

 (元は500円だったが、いまAmazonを見ると約10倍になっている。。)

 このプレートをカメラのレンズの保護フィルターにこんな感じでつけた(正確にはつけてもらった)。けっこうぞんざいな感じ。このさい、見た目はどうでもいい。

 で、撮ったのがこんなの。

 あまり焦点距離の長いレンズを持ってないので、一番長いものを使い、トリミング。

 曇っていたけど、雲が薄くなったタイミングを見計らって撮れたかな。このプレートなしで、雲と一緒に撮るのもやってみたかった。木もれ日が不思議な形になったものとか。柔軟に動けなかった自分に反省。

 それにしても。天体ショーのときってカメラを持つ人たちがこぞって撮るのがまた面白い。同じ被写体を広範囲の人たちが一斉に撮影して比べ合えるっていうのが楽しいのかも。考えようによっては、なんかカメラ基本スキルの全国一斉テストみたい。

 当日役に立ったのが「金環アプリ2012」。ARを使い、太陽の軌道と日食が起きるおおよその向きを教えてくれる。下のは屋内で起動したところ。観測場所を探すときに役に立ったかも。

 なによりも便利だったのは「カウントダウン」機能。金環食の始まり、最大、終わりが分かり、現状の欠けている状態も図示されている。実際、当日は曇っていて見ただけでは食の状態が分からなかったため、とても助かった。空が曇った状態で、通行人から「いまどれくらい欠けているんですか?」と聞かれてもiPhoneの画面を見せるだけで一目瞭然。あと何分で金環食が始まるかも分かる。この日限りのアプリだったけど、とてもよかった。今後の天体ショーでもこういうのが出てくるといいなと思う。

 終わってからふと思った。そういえば、この日の金環食を知ったのはずっと昔、子どものころ。(20世紀に生きていた)小学生からしたら、2012年なんて途方もなく遠い将来としか思えなかった。日食よりも、皆既日食よりも、さらに珍しい金環日食。見てみたいけど、そんな先なんて想像できなかった。加えて当時、ノストラダムスの大予言なんてものを本で読んで、本当かどうか分からないけどなんか怖かった。21世紀に生きてるだろうか、そんな不安の先にあった金環日食。

 なんだ、普通に生きてて金環日食見てるじゃない。

 それにしても、金環日食の太陽って見れば見るほど不思議。ありえない姿している。周辺だけ見えて、中央のほとんどが月で隠されているなんて、ありえない。それに、とても大きな太陽と地球のすぐ近くにある小さな月がほぼ同じサイズに見えるって偶然にあらためて気付かされる。今回はたまたま月のサイズが小さく見えて金環になるって現象から、地球と月との距離や月の軌道を考えるきっかけにもなったりする。そういえば私、子どもの時、宇宙関係の本が大好きだったわ。

 子どもの時の不安も大好きだった天体も、忘れていたことを思い出した。

Comment(0)