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日本のITの問題 - 英語力のなさ

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弊社、サン・マイクロシステムズのCEO、ジョナサン・シュワルツのブログが昨年9月から各国語訳されているのは、ご存知でしょうか。

Jonathans31024x768 10の言語に翻訳されています。約1年前に、この翻訳をすべきか、すべきでないか、世界中のサン社内のブロガーがディスカッションを繰り広げました。英語圏のブロガーはほとんど冷淡で、世界中、英語が通じると思っているかも知れん。

日本人ブロガーは、みなローカライゼーションという言葉に、必要以上に敏感なため、思いっきり必要説を繰り広げ、ちょっと世界中を白けさせてしまったほどでした。私も前の会社 (IBM) も含め、この20年間、日本語化、ローカライゼーションを、命がけで推進してきたし、それが正しいことだと 100% 信じていました。日本人ブロガーの執拗な要求により、日本語は最優先言語として翻訳されることになりました。

この喧騒(というか討論)が終わるときに、サン・ドイツのチーフ・アーキテクトレベルの人が、こんなコメントをしたことが、記憶に残っています。

ドイツもジョナサンのブログのドイツ語翻訳が欲しい。それは、ジョナサンのブログはITの専門家たちだけではなく、一般のひとなどに広く読んで欲しいからだ。しかしドイツでは経営層や、特にITの専門家は、英語を読むことになんの問題も感じてない。

現在、経営にかかわる情報や、ITの最先端情報はすべて英語になっています。これを翻訳するまで、待っている時間はありません。さらにドイツのIT企業は世界とつながっています。ITの専門家は英語のWebサイトに行って、情報を入手し、コミュニティに参加し、意見を英語で発信しています。

私はこの討論の中で、日本ではデータセンターのエンジニアも英語は読まない。すべて翻訳されているのだ、と言い切りました。そんなことは、ないだろう、と、世界から数人の反応がありました。データセンターのエンジニアは英語が当たり前、といのが、日本以外の状況のようです。

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私の経験では、どんな翻訳でも、最短で3ヶ月ぐらいかかります。すべてのマニュアルを翻訳し終わるのに4-6ヶ月はかかるでしょう。最新版が出たのに、すべての情報を得るのに6ヶ月も待つのでしょうか。また現在、マニュアルはhtmlになっているか、PDFになっているか、であり、紙のドキュメントの印刷はなくなっていると思います。この html や PDF でも時間がかかりすぎるので、今後は wiki や blog の形態になっていくでしょう。

ますます、技術書は英語で、という方向性になってきます。特に、Webの技術は意図(とお金)がなければ翻訳されません。重要な情報がWebにあっても、英語だから読まないのですか。日本だけが取り残されていく。日本語に翻訳されることを、じっと待っているのですか。

英語なんて簡単な言語 (英米の方々、ごめんなさーぃ)、どんどん使っていきましょうよ。結局、思い切りが大事。仕事柄、毎週電話会議をしていますが、ネイティブ以外の人たちの発音や文法なんて、むちゃくちゃです(私の英語の方が、余程、まともだぁ)。

中国人、韓国人、インド人、東欧人、”オーストラリア人!”。もっと、英語を勉強しろよな。でも、通じさせようと思えば通じるのです。とにかく発音が出来ないなんていわずにしゃべる。プッシュ、プッシュ!インドの人たちの大活躍は、そういった思い切りの上にあるんですから。

日本のITが抱える現在の問題のひとつとして、英語力を上げたいと思います。

(日本の経営者で英語を話せない人がいることは、もっと大きな問題だなぁ)。

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