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ジャンプの打ち切りシステムからブログ術を学ぶ

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週刊少年ジャンプと言えば人気投票による連載順の変動が有名です。連載順が最後のほうになって固定化されると人気漫画家の作品と言えど打ち切られることが少なくありません。

打ち切りになりそうだという危機的水準に達した漫画は「テコ入れ」が行なわれるようです。多くは美人な女性キャラが現れたり、主人公がとてつもないパワーアップをしたり、強そうな敵キャラが現れたりします。直球な方法ではお色気が増すというケースもあります。

このようなテコ入れをしても復活の意図が見込めない場合、打ち切りが決まり漫画家にスケジュールが伝えられるようです。そうなると何とか読者が気持ちよく最終回まで読み続けられるようにラストの数回で破綻無く伏線を回収するような努力が見られます。打ち切りになる話数は単行本に出しやすいように10話とか20話の前後となることが多いようです。この話数を意識して出し惜しみをしていたキャラクターや必殺技が惜しげもなく披露されたり、主人公の秘密が暴露されたりします。

ここ数年の中での見事な打ち切りっぷりというとソードブレイカー、ユンボル、見える人を挙げたいです。この3作とも好きだったので残念に思います。見える人の人はサイレンが盛り上がってきて(サイレンも一時期危なかったですが)嬉しいです。

この「テコ入れ」が有効なのはなぜでしょうか。これはおそらくジャンプが紙媒体で配布されていることによるものと思われます。掲載順位が後であっても、目立つ必殺技や魅力的な女性キャラの配置により「パラパラ読み」の読者の目を止めて復活の足がかりとなるようです。

これがwebの媒体だったらどうでしょうか。ブログでは一画面に表示される文章に限界がありますので、「続きを読む」をクリックしてもらったり、最後までスクロールしてもらうことが内容がおもしろくない限り難しいでしょう。一度「このブログは読んでもおもしろくない」と思われたらそもそもリンクがクリックされません。

となると一旦人気が落ちたブログの復活は難しいのでしょうか。身の回りのブログを見渡してみるとそんなこともないようです。というのもブログにはジャンプとは異なるパラパラ読みの手段が提供されています。検索エンジンからのトラフィックはパラパラ読みの代わりとなる最も影響力のある手段です。

あるキーワードに対して興味を持ち、それを検索エンジンで検索した場合、そのキーワードを含むブログはエントリの冒頭、中盤、結論に関係なくキーワードを用いた前後の部分が表示されます。検索エンジンから検索されるキーワードは多岐に渡りますが、時流に乗ったキーワードはやはり多く検索されるようです。

しかし時流に乗ったキーワードは検索回数も多いですがブログに書かれる頻度も高いため、そのまま書いたのでは検索結果の上位に自分のブログを表示させる事は難しいでしょう。その点を加味して丁寧な解説を行なって他のサイトから引用されやすくするなど工夫すれば自ブログへのトラフィック増加が見込めそうです。

と、ここまで書いておいてちゃぶ台をひっくり返すようですが、クリック数が増えたとか減ったとかを優先して自分がブログに書きたい何かを押し留めるのは楽しくないと思います。

ジャンプシステムではジャンプに付属のはがきによる人気投票の結果が重視されると言います。それは必ずしも実際の人気を反映しておらず、ジャンプを購入し(立ち読み派や単行本派を含まない)、まめにはがきを送る層の人気が反映されると予想されます。まめにはがきを送りそうな女性読者に人気のある作品は長続きするという傾向もあるようです。

ウェブサイトの人気についても、個人サイトのレベルではクリック数がもっとも重視されます。これはあくまでクリックした数であり、最後まで読んだかどうかは不明です。それらはgoogle analyticsにより滞在時間などを分析しなくてはよくわかりません。これらはブログの質や人気と関係があると言い切れないところもあります。商用サイトを運営していく上では指標が必須であり、その代表的なところとしてPVやユニークユーザー数という数値が用いられますが、個人サイトではコメント数や引用数などといった指標のほうがしっくりくるケースが多いのではないかと思います。

とすると、最新のキーワードを紹介するエントリや時事的な話題を増やしたところで、得られるのはSEO的な知識が専らになってしまうのではないでしょうか。それならば自分がおもしろいと思うことを書き、例え一人しか読んでくれなくてもその人が心からおもしろいと思ってくれたほうが嬉しいと、私はそう感じます。

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