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紛争やチェルノブイリとは全く別の顔を持つ多数の天才的IT技術者を輩出したIT大国、ウクライナの真実の姿に迫る。

インタビュー第四弾 ウクライナ・ハルキウ市拠点のITアウトソーシング・アウトスタッフィング企業CHI Software、副最高責任者のケイト・グルバ氏

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CHIソフトウェア社のハルキウ本社にて、副最高責任者のグルバ氏と

ウクライナでも著名なIT開発会社であるCHIソフトウェア社(本社ハルキウ)の副最高責任者を務めるケイト・グルバ氏とのインタビューです。

1. ケイトさん個人について、経歴やCHIソフトウェア社での役職についてご説明いただけますか?
私の名前はケイト・グルバでCHIソフトウェアで副最高責任者を務めています。弊社で働き始めて4年になりますが入社当初より2倍の規模に成長しました。私は弊社CEOと株主ともにリーダーとして、組織の方針、会社の全てのオペレーション業務をコーディネートしています。常に熱心に複数のプロジェクトをバランス良くさばいて顧客のために会社のリソースをうまくマネージすることを心がけています。私の経歴ですがCHIソフトウェアに入社する前は複数のIT企業に品質管理担当として勤めていました。例えばオランダ企業タボディン・ベルフィンガー(1945年設立)でQOHSE(Quality, Health, Safety, Environment)マネジャー兼プロジェクトマネージャーとして国際的ビジネスのプロセス、プロジェクト・デリバリのベスト・プラクティスやISO、OHSAS基準遵守のプロセスとかかわることができ、貴重な経験を積むことができました。

2. CHIソフトウェア社について詳しくお聞かせください。
CHI社は今から13年前の2006年にウクライナのハルキウ市にITアウトソーシング、アウトスタッフィング会社として設立され、現在500名を超えるITプロフェッショナルを有するウクライナでも有数のIT企業です。ウクライナ国内ではハルキウ市(本社)、キエフ、そしてドニプロ市に拠点を有しています。大学都市という利点を生かし、弊社R&Dセンターでは多数のPhDを有す専門家を抱え、最先端の技術でお客様のビジネスを強力にサポートしています。これまでにBazelevs(ロシアの巨大メディア企業)、MediaMarkt(ドイツの家電量販店)、JIRAソフトウェア社、Cyren(アメリカのグローバル・セキュリティ企業)、Deloitte Digital(ルクセンブルグ)などグローバルな顧客を相手に仕事をしてきました。さらにHoncker(アメリカの自動車リースのスタートアップ)、BTO(シンガポール)、Climacell(アメリカ・イスラエルのIoTを使った天気予測ソフトのスタートアップ)などの有名なスタートアップ企業とも設立当初より協業しています。これ等のプロジェクトは大成功を成し遂げとても満足しています。

3. 御社の一番の強みと得意分野をお聞かせください。
CHI社の一番のフォーカスはクラウドベースのビジネスのエコシステム構築ですが、弊社はウェブ、モバイル、組み込みアプリ開発の経験も豊富に有しています。さらに弊社では、IoT、機械学習、画像認識やブロックチェーン技術などの最先端技術にも精通しています。
具体的にはヘルスケア、小売り、フィンテック、保険、旅行、メディア、自動車業界など多岐にわたる分野のツールを開発した経験があります。

4.今現在のウクライナのIT産業の利点と今後の展望についてお聞かせください。 
ウクライナのIT産業は近年急速に発展しており、毎年数千人のスペシャリストを輩出しています。IT技術者の平均収入も現地の平均より高く、IT産業はウクライナの総GDPの3%を占めるまでに達しています。最新の予測によるとウクライナのIT産業は2020年までに1000億ドル産業に成長すると見込まれています。今現在雇用されているIT技術者総数は18万5千人にも上ります。ウクライナのソフトウェア開発コミュニティは毎年30%の成長を遂げている高成長産業です。ウクライナのIT人材は2020年までに20万人を超える見込みです。プログラマのスキルチェックを行っているスキルバリュー社の調査によると、ウクライナは平均スコアにして91.26%を叩き出しており、世界でも第8位というトップレベルのプログラマを多数有しています。ウクライナのIT技術者はとても勤勉なことで知られていますが、これは我々のメンタリティーの中核を成しています。これらから考えるとウクライナ人開発者は技術者不足が目立つ新市場に切り込んでいく自信が十分あると思います。同時に弊社が顧客企業から聞いた話から推測するに日本企業は従来のオフショア開発先(インド、ベトナムなど)の限界を十分周知しており、新たなオフショア開発先を積極的に探しています。よってウクライナと日本両国のIT業界はお互いを必要としており、関係が深まっていくのは時間の問題かと思われます。やるとしたら今しかないと思います。弊社CHIでは日本企業の倫理を多く採用しており、品質にこだわった透明性の高い長期的な関係をお客様と築けるよう積極的に日本市場に関わって行く方針です。CHIの開発、事業チームは常にウクライナおよび国外の数多くのカンフェレンス、その他の多くのイベントにスピーカーおよび参加者として関わっています。弊社チームは業界の最新動向に常時目を光らせるため、常に新しい挑戦を続けるよう心がけています。また外国籍や海外経験のある社員から新しい経験を吸収することに慣れています。

5. 外国企業がウクライナに進出する際のリスクとその回避法についてお聞かせください。
ウクライナはとてもダイナミックで外国からのビジネス機会を常に歓迎しています。政治的な情勢にもかかわらず、現地IT企業とのビジネスはとても安全です。米国、欧州やイスラエルなどの国々の企業との長年にわたる数々の協業経験に裏付けられています。CHIソフトウェア社は10年以上業界に君臨し続けているIT企業として、国際的なビジネス・パートナーシップを結び信頼を築き、顧客企業の投資を実りあるものにすることがウクライナIT業界でいかに重要かということを証明しています。

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6. ウクライナとベトナム、中国、インドのような従来のオフショア開発拠点との違いをお聞かせください。
ウクライナはIT技術者へのいい教育環境が整っています。特にここハルキウ市では開発企業が多く拠点を置いておりその点において弊社は恩恵を受けています。同市はウクライナの教育都市として知られ65もの大学と22万8千人もの学生を有しています。ほとんど全ての大学に情報関連学部があるため、同市のIT産業に多大な機会をもたらし、さらなる成長を促しています。2018年には6万5600人の学生が大学を卒業しました。少なくとも40%の学生が大学一年時より業界でインターンシップを受けており必要なスキルを実際に身に着けています。IT技術者のほぼ全てが中級レベル以上の英語力を有し、世界中の顧客と直接コミュニケーションを取り合っています。ウクライナのIT技術者はまた納期を忠実に守ることで知られています。弊社CHIでは従業員がプロフェッショナルとして自己研鑽できるような機会を常にサポートしています。そのため、自社インターンシップ・プログラムや社内ユニバーシティを開設し、活動しています。弊社では常に先を見据えた戦略を練っています。

7.ウクライナがEU外に位置していることはオフショア開発拠点として有利に働いているとお考えですか?
アウトソーシング業界のように急激な成長を遂げている業界はウクライナ経済において非常にポジティブな効果をもたらすと考えます。大きなビジネスは大きな投資をもたらすからです。質のいいアウトソーシング先というイメージを作ることが非常に重要だと思います。

8. 日本市場についてどうお考えですか?日本企業と仕事で関わったご経験はおありですか?
弊社はアジア市場のビジネスの経験を豊富に有しています。例を挙げるとシンガポールのスタートアップであるBTO社による「Aardviser」などです。このツールはユーザーの夢をかなえるファイナンシングをする際のベストな決定を下すために高度な統計モデルとAIを使用しています。弊社にとって世界でも一番成長している市場のひとつである日本市場にて日本企業と仕事をすることは長期的なパートナーシップを企業と作っていくことを意味します。弊社チームは日本市場へのフォーカスという意味で他社より先んじており、来年2020年4月から5月に開催されるJapan IT Weekをはじめとする東京のいくつかのIT関連の展示会に出展予定です。弊社はJapan IT Week2020年に出展企業として弊社ブースを設ける予定です。この機会を使って日本企業様に向けて弊社について紹介する予定です。

また弊社は日本企業の皆様に向けた日本語ランディングページも設けております。

日本企業様に弊社とその利点やサービス、ケーススタディなどをよりよく知っていただくため現在HPの全てのコンテンツの日本語化に取り組んでいます。弊社は、日本企業の全ての開発要件、要求を理解しベストなサービス、プロダクト、納品物を提供できると確信しています。

9. 日本企業がウクライナ企業と協業する際の試練についてお聞かせください。
両国のメンタリティーと文化的な違いをしっかり認識することが大切だと思います。両者の利点を組み合わることでWinWinの関係が築けるのではと考えています。

10. 今後10年以内にITのどの分野が発展するとお考えですか?
そのような予測はとても難しいですが、近い将来IoT技術が95%を超える電子機器に搭載されると思います。モニタリングのシステム、スマートセンサー、メーター、クラウドシステムなどはもっと身近になり、消費者はIoT技術にますます関心をもつことになるでしょう。AI技術、機械学習、自然言語処理などの台頭はいくつかの企業に打撃を与えることでしょう。弊社ではスマートホーム機器やアプリ開発などのリクエストを多く頂いており、ゆえに近い将来IoTや機械学習のエリアで多くの需要が発生すると見ています。

11. 最後に趣味とストレス解消法についてお聞かせください。
いつも全力で仕事をしているので仕事以外は全て家族とともに過ごしています。私たちの住むハルキウ市は大都市なのでリフレッシュのため郊外へ出かけます。田舎のほうに家族の一員である愛犬とともに出かけます。私は大の犬好きですが、犬はとても賢くて人間に近いと思います。犬を飼うことは友達を持つことでもあり、またドーベルマンなので躾をすることでとても大きな責任感を持つ感じです。

ありがとうございました!

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