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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

OJT:本人が「やりたい」ことを少しでもできる機会を設ける

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OJTトレーナーになったばかりの3-4年目くらいの若手社員がこんな話をなさっていました。

自分は、希望と全く異なる部署に配属になった。具体的に言うと、開発がしたかったが、配属先は、基本、開発はなかった。それで、最初からモチベーションが上がらない状態だったが、上司のその話を正直にしてみたところ、一蹴されるかと思ったら、「じゃ、やってみるか?」といって、小さい規模の開発の仕事を担当させてくれた。それで、開発ってこういう風にするんだな、もわかったし、希望を聴いてもらえたとも思ったので、この部署でやっていこう、と決意できた。

今後配属される後輩(新入社員)も、もしかすると、希望通りの配属先ではないかもしれないが、「10年早いよ」とか「会社っていうのはそーゆうもんだよ」と言うのではなく、どういう形であれ、やりたいことを仕事の中に埋め込んであげたいなと思う。

なるほど。これ、いい考えだなと思いました。

昔と違って、今は、「組織全体を集団として、カタマリとしてマネジメントする」のではなく、できるだけ「個を活かす方向でマネジメントする」ようになってきています。

新入社員が「あれがやりたい」と言う場合、上司や先輩からすれば、「え?」と思うようなことだったり、「組織の論理」だからできるわけないでしょう?と否定したくなったりするかもしれませんが、どんな形であれ、多少なりとも希望に添えるなら、実現してあげることが、彼・彼女のやる気を維持、そして、向上することにつながるように思います。

この話をしてくださった方は、今も開発部隊ではないのですが、それでも、「一度経験させてもらえた」ことと、「聴く耳を持ってくれる上司や先輩がいる」ということから、配属先にとどまって、実力をつけているところのようです。

「やりたいこと」がある人ばかりではないですが、「やりたいこと」が明確にある後輩には、そのチャンスをどうにか作ってあげることもまた、人を育てるために重要なのではないかと思うのです。

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金井壽宏先生のこの本、若手向けのキャリア本です。面白かった。

 

そして、先輩たちが読んでみたらよいと思うのは、こちら。若手の意識や考えがなんとなく理解できるようになります。

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