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長いIT産業の経験の甲斐も無く、成長の無いIT音痴の思いこみと勘違いのなんでもコラム

PDA&ケータイの最大のアプリは「暇潰し」!?

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  大昔、仕事半分で日本初の電子手帳を使っていた。そして電卓戦争と同じく、カシオvsシャープの電子手帳戦争もユーザの一人として楽しんだ。戦時中に、パソコンとの連携活用書籍を今は亡き?アスペクトブックス(アスキー社)から出版したこともあった。シャープ社が現在のザウルスの原器である「PV-F1」を発売し、同社の形勢有利が見え始めてから、当時のカシオ電子手帳をパソコンとケーブル接続してデータバックアップやPCでの一括入力を実現するアプリの企画・発売もやった淡い記憶もある。。。。

  仕事では、ずっとメインフレームとPCサイドの世界に居たが、より小さなガジェットが大好きで、今も、家の中はこれら新旧のガラクタで一杯だ。企業システムやエンタープライズの業務改善で稼ごうとする人達が、今も、昔と同じように、メインフレームからサーバ、クライアントに至る大きな「やじろべい」を右に倒したり、左に倒したりして遊んでいる様に、筆者も、懲りずに、コモディティ化した「PC」と、息絶え絶えの「PDA」、そして少し陰りの見えだした「ケータイ」の3つを並べ直したり、裏返したりして日々遊んでいる。

  前者を構成する3つのエレメントの共存は、ある程度、理論上必然の様でもあり、既得権を獲得したオールドプレーヤーが頑張り続けているので、時代が経過してもそれ程、プレイヤーのメンツに変わりは無い。ITソフトウエア業界の幾らかの人は、前者の3つのプレイヤーと後者の3つのプレイヤーの統合チームを作って、より垂直連携を強化したシステムを指向し、多くの関連ソフト市場も育って来ている。

  仕事を離れて、個人的な趣味人のビューポイントに立てば、「PC」を接合点とした、前者3つと、後者3つが形作る「逆T字型」に近いストラクチャーにはそれ程の興味は無く、最近の筆者の興味の中心は、PCに取って代わる可能性のある独立型クライアント機器としてのPDAやケータイなのだ。

  音声を含め、QWERTYキーボード以外でのキー入力の苦手な筆者の小さな目的は、PDAやケータイ等のガジェット的側面の強い小さな機器におけるデータ入力だった。以前、某社で働いて居たときに、偶然思いついたPCカード規格サイズの「ChipCard」や、その延長でケータイ電話領域まで成長した「データスコープ」等、PCと100%接続できることが基本機能の製品だ。

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  8000万台を越えるケータイ電話の普及や、インターネット・メールの浸透、IT産業の構成年齢の変化によって、QWERTYキーだけでは無く、殆どの機器において、キーボード・アレルギーという言葉は死に耐えた様に見える。豊富なアプリを積み、凝縮された小型のPCと、サーバ接続をターゲットに限りなく機能拡張してゆくケータイに挟まれる形で、一番最初にPDAが閉め出されそうな雰囲気だ。いや既に大きく進行しているのだろう。

  今から思えば、少し先を読めないおバカな筆者が、米国のPalm社と最初のコンタクトを持ち、WorkPadを日本国内で発売開始した時には予想もつかなかったことだった。しかし、日本独自の展開をしようと考え、WorkPadの拡張スロットにPHS機能を搭載した独自モデルを企画し、発表した時点で、現在の有様は予想できたのではないだろうか、と今も時々思うことがある。

  これから何年かかけて行われるITバトルの詳細を予測するのは簡単では無いが、何れは、しばらくの期間、多機能ケータイが、プッシュかコールかは別にして、サーバと直接ネゴシエーションする2局間モデルは増えるだろうと思う。パソコンと異なり、常に人が持ち歩くケータイクライアントに必要な機能は、限りなくPCクライアントに近い仕事の出来る洗練されたアプリ環境と、カシオ社やシャープ社が30年近く培ってきたPDAやケータイの「暇潰し」機能だろう。

  最近、筆者は、WILLCOM社が出荷開始したW-ZERO3を、何処に行くにも毎日のように持ちあるいている。電子手帳やPDAの殆どを自腹で購入し使った筆者から見て、生まれた時からコミュニケーション機能を備え持ったW-ZERO3は、常にネットワークの世界で仕事をするビジネスマンにとって便利な道具だ。W-ZERO3は今、選べるベストの道具の一つであり、従来の何れの類似機器より生産性は高いと身をもって感じているしだいだ。

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  PDAを出来うる限りPCに近づけようとするWindows Mobileの世界と、国民的、伝統的なザウルスで培った操作性と「暇潰し哲学」の両者が盛り込まれた日米折衷のユーザ環境は、他の同様のスマートフォンとは明らかに一線を画する今までに無い「日の丸ビジネスガジェット」だ。米国内では、日本生まれのグローバルスマートフォンである「SIDEKICK」を使う機会もあるが、W-ZERO3とは同じくシャープ社の関わる兄弟製品だ。

  超ヘビーにW-ZERO3を1週間使った筆者の唯一気になるところと言えば、、本体のリセットボタン(写真の赤丸部分:黄色い円内はW-SIMモジュールが、背面のカバーの内側に存在することだけだ。一般のザウルスとは異なり、多くのフリーウエア等の多いWindows Mobile OS環境では、PCやPDAの世界と同じく、メーカー保証の無いアプリケーションの組み合わせによっては、ハングアップの起こる危険性も多い。

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  自社でハードソフトを開発し、隅から隅まで知り尽くしたザウルスでは大丈夫でも、Windows Mobileなら、予想も出来ないアプリ間の衝突も起こり得るだろう。超優秀ではあるが、純正ザウルス開発陣は、Windows Mobileの自由な拡大世界に対して、ほんの少し信頼を置き過ぎている様にも筆者には思える。普通に使う限り、それほど大した問題ではないので、近く、筆者は、内部のリセットスイッチの位置に合わせて、W-ZERO3の裏蓋の一部に小穴を開ける予定だ。(*^_^*)。もちろん、世界中のWEBサイトから動作するかどうか怪しいフリーウエアをダウンロードして、ハングアップなどさせないまともなビジネスマンに、穴は必要ないことはだけは確かだ。

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