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IT業界につとめる「雑貨屋(なんでも屋)」が、業界の事、情報セキュリティの事、趣味や日々雑感を綴っていきます。お暇な方はおつきあい下さい。

097.派遣社員の憂鬱④

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 佐藤@IT雑貨屋です。
 最近の報道を見ていると、日本という国は一体どこに向かおうとしているのか、解らなくなる時がありませんか?

 社会保障制度を見直し年金支給年齢を引き上げて、高齢者になっても働く「一億総活躍社会」と言いながら、実際に企業サイドでは四十代でリストラ対象となっていたり。

 正規雇用の形を無くせば、雇用流動化が進み、新たな雇用体制を産み出す事かできると言いながら、外国人労働者受け入れを促進し、日本人の雇用枠を狭くする様な政策を打ち出したり。

 政治学者や経済学者等の人達の理屈は良く解りませんが、何かとチグハグ観がある動きばかりが国内に見受けられたりします。

 私の世代はまだ良いのですが、これから日本の中軸になり働く世代には様々な影響が出る事を、私自身、懸念してしまいます。

 さて本題です。
 またまたダイヤモンドオンラインの記事から引用となります。

 年収差187万円なのに非正規より「やる気が低い」正社員の実態

 私はこの間までに「半フリーランス」という形態で働き、労働派遣法改正に伴い、今ではある会社で無期雇用という形態に切り替えて仕事をしていますが、このIT業界で長い間、仕事をしてきました。

 当然、そういった仕事の中では、正規雇用の社員や、一時期とは言え取締役の時もありましたし、今もそうですが派遣社員という形態で仕事をしてもいます。

 こういった経験から言えば、確かに正規雇用と非正規雇用(契約社員)では、どちらが仕事に対するモチベーションが高いのかと言えば、ケースにもよりますが、非正規雇用の社員の方が正規雇用社員よりモチベーションが高い人は多くいると感じます。

 でもこれは何故なのでしょうか。

 このダイヤモンドオンラインの記事でも様々な考察が加えられていますが、私が現場で感じた肌実感で少しこの事について書いてみたいと思います。

◆旧共産圏のデパートと資本主義のデパート
 以前にあるドキュメンタリーの本を読んだ事があります。
 そこでは、今から三十年以上前、まだ「ソビエト社会主義共和国連邦」という国があった時代の事、当時の首都モスクワにあるデパートについて書かれていた内容を読んだ事がありました。

 モスクワと言えば国の首都なのですが、そこの一等地にある国営デパートの商品ディスプレイはというと、とてもチープで品数もあまり揃っておらず、店員の態度もやる気がほぼ無かったそうです。

 普通、デパートと言えば、ディスプレイに工夫を凝らし、店員もお客に対してあれやこれの売り込みを考えるものです。何故なら売上の向上ば、従業員の評価や収入のアップにつながります。

 しかし共産圏ではデパートであっても国営企業、従業員は公務員。要は営業努力をしようがしまいが、売上に関係なく従業員が得られる給料は、変わりはありません。その為に従業員は仕事に対する努力という事(この場合は売上アップ)をする必要がありません。そしてこの従業員のモチベーションの低さが、デパートの姿の違いとして現れているというのです。

◆正規雇用と非正規雇用
 正規雇用の社員では、給料というと基本的に固定給であり、あとは役職手当や残業手当が付いて月給という事になっています。またその評価も直属の上司からの評価により上下しますので、やはり仕事をすると言っても、どちらかと言うと会社組織を向いた内向きな形になってしまいます。

 一方の非正規雇用の場合、契約更改という事が常に念頭にあり、支払われる給料も契約時に決めてはいますが、契約内容に基づく年俸であったり、時給月給であったりします。そして評価も組織内向きというよりも、やはり自分の取り組む仕事に対する対価という意識を強く持たされる立場です。

 一つはこう言った雇用形態に基づく「仕事に対する意識」の差から、先の記事にあるような、仕事に対する姿勢や価値という意識の違いにも表れているのではないでしょうか、正規雇用社員に比べ、ライフワークバランスも取れた形になるというのも、この仕事に対する意識の違いからだと思います。

◆ドクターXの様にならないか
 米倉涼子が主演の「ドクターX」というドラマは、一時期結構な視聴率を得ていました。あそこで書かれているのは、フリーランスの外科医と、大学病院という大きな組織の中で医療に従事する医者の姿を端的に表していましたが、基本、非正規雇用の社員というのは、取り組む仕事そのものに大してモチベーションを持っていないと、続ける事が出来ない仕事であると思うのです。
 本来はそういったプロフェッショナル意識に基づき評価され、そこで得られる収入も、それに見合うものを得られればいいのですが、多くの非正規雇用の社員というのは会社にとって、「雇用の調整弁的な役割」で雇用されている事から、年収ベースでやはり正規雇用に追いつかないというのが、今の日本の現状では無いでしょうか。

 先日(4/19)の報道で、経団連の中西会長は「終身雇用を守れない」と、現在の日本の雇用システムを変える方針を提示しました。その事から、今後、正規雇用の社員においても、仕事に対する意識改革を求められると思いますが、そうはいっても当面は、このダイヤモンドオンラインの記事にあるような状況は続くのではないかと思います。

 ここまで読んで頂きありがとうございます。
 IT雑貨屋をこれからもよろしくお願いします。

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