オルタナティブ・ブログ > データイズム >

記録するジャーナリズムから、測って確かめるデータイズムへ

長崎新幹線の佐賀県民の約5割がリレー継続を支持の衝撃

»

佐賀新聞の7月10日記事、<有権者100人アンケート>新幹線長崎ルート 「リレー継続」半数超は全国のニュースにはなりませんでした。調査の回答数(=サンプル数)が100では足りないと統計的に通常考えられることが影響したようです。しかし、この小規模な調査でも、その範囲で見えてくることがあります。フル規格整備への賛成度合いは2割程度(多くて3割少なくて1割程度)しかありませんでした。そして、約5割が、リレー接続の継続を望むことが分かりました。JR九州は、参議院選挙後に議論が深まることを期待と報道されていますが、実はもう佐賀県民の意向はもうリレー接続継続で決着しているのです。なぜそんなことがいえるかをご説明します。

100人アンケートを統計的に分析してみた

佐賀新聞の調査結果は以下のとおりです。ここから佐賀新聞は、リレー継続半数超 としました。

「整備せずに在来線特急と新幹線を乗り換える『リレー方式』の継続」を、半数を超える52人が選択した。「フル規格で整備して博多-長崎を全線フル規格化する」は20人にとどまった。 

 無回答を含む「分からない」は21人、「ミニ新幹線での整備」は7人だった。

サンプル数が少ない調査でどういうことがいえるのか、調査分析のプロで、Webアクセス解析の記事で筆者が常々お世話になっている衣袋 宏美氏の解説から、誤差を想定してみます。

まず、サンプル数と回答比率と誤差の早見表を抜粋で紹介いたします。

sample-stats.PNG

サンプル調査では偏りが少ないこと、そのために均等にサンプルを選び回答率で偏ることを避けるなどの注意が必要なのですが、そういう注意点を守ったとすると、100の回答数でもそれなりの誤差範囲で調査結果を扱えることがわかります。(詳しくは上記記事を参照)

その、誤差の上限と下限を含めたデータをまとめたのが以下のグラフです。
saga-expresss-survey.PNG
データの出所は佐賀新聞、誤差は早見表を元にした概算

同じ色の棒が3つあるわけですが、左が上限、中央が調査の値、右が下限で、そういう幅のある結果として見ていただければと思います。

注目すべきところは、フル規格整備という長崎県とJR九州が望む方式での整備への賛成が約2割(±8%)程度しかない一方、リレー接続継続への賛成が 約5割(±10%)と大きくあることです。多めに見てもフル規格賛成は3割り程度であり、リレー接続の継続、つまり整備しないは6割から4割が賛成を取り付けています。そして、分からない、無回答もフル規格整備とほぼ同じだけ、3割から1割程度あります。

JR九州は参議院選挙後に佐賀県での論議が進むことを期待しているようですが、すでに約半数がリレー接続継続という意向を持っているとなるともう佐賀県民の意向は、現状維持のリレー接続継続で決着はついているとも言えそうです。

フル規格整備が無理という現実をJR九州と長崎県は受け入れ、決断する番

JR九州や長崎県は佐賀県民が、フル規格整備に反対しているという現実を理解した上で、武雄温泉~長崎をスーパー特急方式で整備し直すのか、リレー接続継続でいいのか考えるべき時でしょう。もう建設中ではありますが、今からならまだスーパー特急方式へのやり直しも可能です。そして、佐賀~武雄温泉間のスーパー特急方式での整備をすれば、佐世保への時間短縮と直通も可能です。

今こそ決断すべきなのはJR九州と長崎県でしょう。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する