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夏目房之介の「で?」

「一ノ関圭本」(小学館)

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「一ノ関圭本」(小学館)落手。知り合いが多く執筆。中野晴行、佐藤敏章、飯田耕一郎、姫乃たま、原正人、島田一志の各氏。松本大洋氏も。ただし、まだ全部読んでいない。
姫乃たまさんは見られる仕事と女性について、新鮮な観点を示してくれている。飯田さんは「絵のうまさを語ることはあまりしたくない」と「密度の高さ」「女性観」とミステリー志向について書いているが、『女傑往来』の小さな握手のコマの「もち肌の握手をした感触」が伝わってくることの指摘に、やはり漫画家の目が感じられる。絵を見ると、その言い当てようとするものが納得できるのだ。

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僕自身は久しぶりに『裸のお百』(78年)の人の群れのデッサンの迫力に圧倒されたことを思い出した。またネームの線描と構成の凄さに目を奪われ、震撼して暫くため息をついて手が止まった。さらに、それが実際の原稿では、おそらく何度も何度も描きなおして辿り着いた絵になっているのを見て、茫然とした。『クレソン』(92年)の水泳場面を見て連想したのはBDのヴィヴェスだったが、ヴィヴェスの女性は憧れの視線で描かれているのに、一ノ関のそれはそこに筋肉や厚みや力動感のごつごつした感触が与えられており、よりリアルな身体を感じた。

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