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野球的仕事観、あるいはサッカー的仕事観

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最近は料理を作るときなんかに、サッカー選手のYouTubeを見ることが多い。
その中でも、元サッカー選手(那須)と元野球選手(里崎)のぶっちゃけトークが面白かった。
https://youtu.be/Do4EJRBl4O4
https://www.youtube.com/watch?v=Qp_TXjSD89I

これはメチャいい企画なのでサッカーファンも野球ファンも見て欲しい。
那須がナイスガイなのは知ってたけど、里崎おもしれぇ。

サッカーと野球、もちろん楽しむ分にはどっちが好きでもいいんだけど、ここでは仕事のメタファーとしてのサッカーと野球について書きたい。

昭和の時代から、野球になぞらえて仕事を語ることはおっさんの世界で行われている。今でも「打席に立て」「三振を恐れるな」などの慣用句は良く使う。
で、この動画を見ると明確に分かるんだけど、野球はルーティンワークに近くて、サッカーは変革プロジェクトに近い

職人芸の野球と、アスリートがやるサッカー。
プレーの自由度がない野球とその場で全部判断するサッカー。
長時間ダラダラ練習する野球と2時間集中するサッカー。
野球ファンの人は怒らないでください。動画のなかで里崎が言ってることなので。

そこから派生して、プロフェッショナルとして自己管理が必須のサッカー選手と、試合前日も朝まで飲む野球選手。
先輩も呼び捨てで、ピッチの中で言い合いをする、練習だとつかみ合いをするサッカーと、コミュニケーションレスでも打てば大将の野球。
チームがビリでも選手の待遇には全く変化がない野球と、チームがJ2に落ちたら待遇もガタ落ちのサッカー選手。
どちらがいい悪いではなく、同じプロ選手といっても、競技に臨むスタンスがかなり違う。


昭和の仕事をメタファーで語る時に、野球はフィットしていたんだと思う。「原を4番で使うなんて王監督も分かってねぇなあ」とビール飲みながらクダを巻くのは、「山田が営業所長かぁ。常務も分かってねぇなあ」というのとほぼ同じだからだ。
野球はサッカーと比べると戦術要素が薄いので(これも怒らないでください。里崎が似たようなこと言ってます)、野球についてファンが語る時に、人事(誰をどこで使うか)は大きなウェイトを占める。そして昭和のサラリーマンも人事の話題が大好きだった。

それに比べてサッカーは面倒くさい。11人の持ち場も決まっていないし、一瞬一瞬で状況がどんどん変わる。だから戦術論が極めて複雑だ。「ポジショナルプレーの弱点」みたいなディープな戦術論になると、サッカーファンの僕だってあんまりついていけない。


僕自身、中学時代は結構な野球ファンだった(当時投手王国だったカープが好きで、学校帰りによく神宮のレフトスタンドに行った)。そして社会人になってから結構ガチなサッカーファンに転向した(年に20試合くらいスタジアムに行く年もある)。

そして自分がプロジェクトワークを主戦場にするようになってから、ずっとサッカーになぞらえて仕事を考えてきた。
・どんなにいい選手が頑張っても、戦術がダメだと勝てない
・仕事には先輩後輩関係ない
・仕事中、要求し合ったり、フィードバックし合わないと強くなれない
・自分がホームラン打てばいい、ではなく、チームメンバーにパスを託す
・試合中はコミュニケーションが取りにくい。だが死活的に重要
・ドラフトで選ばれるのではなく、自らチームを選ぶ
・給料だけでなく、レベルの高い仲間とプレーしたい、という願望が移籍の原動力


サッカーが野球と一番違うのは、即時性と不確実性だろう。
サッカーでは、監督は1プレーごとに指示できない。局面はどんどん移り変わるので。
そして手に比べて不器用な足を使うスポーツなので、ミスが多い。ボールが思わぬ方向に転がって点が入ることもある。
だから選手は、局面ごとに「自分で」判断しなければならない。それができる選手に育てなければ勝てない。監督の操り人形ではダメなのだ。
試合中でも、選手同士がピッチで言い合っている姿はよく見る。監督の顔色を伺うのではなく、自分たちで修正していかなければ対応できない。

これってプロジェクトにそっくりなんですよね。プロジェクトは初めてやるチャレンジなので、不確実性に満ちているから。
だからこそ、トップダウンだけではうまく行かず、自分で判断できるメンバーを育てる必要もある。
だからこそ、チームで「型」を共有する必要があり、方法論(メソドロジー)を持っている組織が強い。
だからこそ、上司に対しても空気を読まず率直に意見できるOPENなカルチャーを作るべきだ。
単純に、そうしないとプロジェクトが失敗するのだ。


今現在サッカーを好きではない人に対して「仕事のために好きになれ」と言う気はサラサラない。
だが僕自身は仕事を考える上で、特に普通の仕事とは違う変革プロジェクトというフィールドを考える上で、サッカーという競技が大いに助けになってきたのは確かだ。
あのまま野球だけを知っていたとしたら、今とは違う仕事観を持っていただろう。
まあ、そんなことはサッカーを見る喜びの1/10程度でしかないけれども。


参考過去記事
ファシリテーターが持っている「意見を引き出す力」あるいは10割配分法について
https://blogs.itmedia.co.jp/magic/2017/07/10.html

************こんな時代なんで、オンラインセミナー出まくります!
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以下、白川が出るものを抜粋。

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プロジェクト後も素敵な進化を遂げていました!
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そしてパンデミックに動じない組織に!
こんな時だからこそ聞いて欲しいセミナー。
古河電工関さんと白川で話します(関さんが主役です!)。
https://www.ctp.co.jp/seminar/seminar455/


【2】7/1 16時から
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オフィスのプロであるオカムラからお2人、そして会社に常駐しないオフィスを
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https://www.ctp.co.jp/seminar/seminar453/


【3】7/7 16時半から
Box Virtual Summit Japan Summerの一コマにファシリテーターとして登壇します。(ケンブリッジではなくBOX社主催です)
登壇者は、日清、LIXIL、ヤフーでITリーダーをつとめるすごいメンバー。
今日、事前打ち合わせしましたが、濃い話になりそうです!
https://virtual.box-event.jp/?mparam=m22


【4】7/8 16時から
この記事で語っているような、不確実性に満ちた世界で成果を出せるチームや
人材の作り方について語ります。
https://www.ctp.co.jp/seminar/seminar463/

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