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GoogleMapとマッシュアップとマピオン特許

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www.programmableweb.comというマッシュアップの情報サイトがあります(このドメイン名ナイスですね)。ここでみると、マッシュアップ用のAPIとして使用されているのはGoogleMapが57%でダントツです。地図情報と何か別の情報を重ね合わせるというのは、一番誰でも思いつくパターンなので当然と言えば当然でしょう。

地図情報に別の情報を重ねるというと思い出されるのが凸版印刷によるマピオン特許です。日本におけるビジネスモデル特許の元祖のような特許で1999年に成立しています(特許2756483号)。特許の骨子は、ごく簡単に言うと、1) 広告主に地図情報を提示して広告情報を入力してもらう、2) 地図情報サイトで地図上に広告を表示する、3) 広告がクリックされると広告主が入力した広告情報が出力されるというものです。今では当たり前のように思えるアイデアですが、その分強力な特許です。当然、凸版印刷としてもかなり戦略的に力を入れている特許のようです。

地図情報に広告情報をマッシュアップして広告料を得るというビジネス・モデルは誰でも思いつきそうですが、気をつけないとマピオン特許に抵触してしまう可能性がないとは言えません。実験でやってる分にはよいですが、リアルなビジネスとして考えている人は要注意でしょう。

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