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娘を攻撃した学校裏サイトでの「いじめ」が解決した~子供のネット規制は禁酒法時代の二の舞か?

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学校裏サイトで娘が実名で攻撃され、父としてメールを送ってみた」と「娘を攻撃する学校裏サイトに親としてメッセージを書いた結末」の続きである。

 投稿が遅くなりました。木、金はお客様と飲み会でお泊りとなり、土曜日の午前は管理組合(理事長やってます)、午後は我が家の女子高生のショッピングに連れ回され、日曜日は息子とリレーマラソン、、。言い訳はこれぐらいにして続けよう。

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 この問題が他の裏サイトに転移していないかが不安になり、他の学校裏サイトへの転移をチェックすることにした。

 映画やドラマであれば、「ハリウッド的「すべらない映画」8つのポイント」で書いたように、さらなるどんでん返しがあるところだが、

現実の世界は淡々と進む。

<他の学校裏サイトでの書き込みを探す>

 Google、Gooなどで”学校名、娘の名前、ニックネーム、部活動、裏サイト、2ちゃん”など関係しそうなキーワードで検索し、それらのサイトおよび、そこにある他の掲示板のコメントなどを丹念に見てまわった。

 気になるページは、

「はてなブックマーク」にコメント付きで登録しておき(後に先生や他の親御さんとの情報共有に役立った)、

フィードに対応しているサイトではRSSリーダーを設定、

同様のキーワードで書込みが行われたのを察知するためにGoogleアラートも設定

した。

<いくつかの転移を発見>

 二つの掲示板で、私が書いたメッセージを引用したメッセージを発見した。(以下で全て)

「、、、、変な大人が入ってきたから、こちらに一時待避してきましたヨ~ン、、」

「、、あの書込みうざい。、、偽善者、、、」

「正義のヒーロー? キモいんだけど。はっはっは!!!wwww  つまらんギャグだな。死ね、殺すぞ。潰すぞ。www、、、、」

「、、、自分の娘さえ良ければいいんですかー?。他にも、たくさんイジメてますが~?」

「え?俺が誰だかわかるってよ????大嘘だぜ。知らないの?嘘つきは泥棒のはじまりだよ????」

 これらは私の書込みに対するコメントであり、、娘に対するものはまったくなかった。

<学校裏サイトは、子供の居酒屋なのか?>

 娘を攻撃するコメントが無いことが確認できたので、娘に声をかけて一緒にこれらの掲示板を見た。 学校裏サイト探検隊という気分だ。 

私が、

「この掲示板、みんなバカなことばっかり書いてるな~。なぜ、こんなくだらないサイトがあるんだろう。今の学生は、こんなことしか考えてないのかい?」

とつぶやくと、娘が

「お父さんたちのお酒の飲み会と同じだと考えてみれば? ほら、中学の時、おやじの会とかで近所のお父さん、お母さんたちが集まって飲みながら話していたけど、くだらない話ばっかりだったじゃない?」(おっと手厳しい)

「何度も同じ話ばかりしてるし、近くの席に私たち生徒がいるのを忘れて、スケベなこと言ってた親父もいたじゃん。立てないぐらい飲んでお母さんに怒られてたけど。 うちの子供は駄目だと言ってたかと思えば無意味な自慢話してみたりって人もいたし、、、。」(確かに、、、)

「お父さんも会社の帰りの飲み会なんかで偉い人とか会社の悪口を言ってるんでしょ?」(いえいえ言ってません)

「それと同じよ。 お父さんの会社の若い人たちや女性だけで飲んでる時には、お父さんも言われているだからね。

 子供だけで会話しているところを、大人が、大人の価値観で見て、”くだらない”、なんて言えないよ。 子供が大人の飲み会の様子を見るのと、大人が学校裏サイトのコメント見たときの感覚は同じ。」

 それはお酒が入っていたからで、どのお父さんも日頃はまともな会話しているし、くだらない話の中で人間関係が出来ていく、などと言い訳してみたが、大人の飲み会コミュニティの役割がそれがそのまま、学校裏サイトに当てはまるのかもしれないと思った。 

 なるほど、子供の視点はするどい。私たち大人でこのような考え方はできないだろう。

<子供のネット利用禁止は禁酒法と同じ?>

 インターネットや学校裏サイトなどを子供が利用を禁止すれば、今回のような問題は起きないのかと娘に聞いてみた。

「学校裏サイトなんて、どこにでも出来る。 そして、大人の振りしてアクセスする。 1920年からの禁酒法時代のこと知っている? 今、世界史でやってるんだけど。 カポネなどのギャングが暗躍した時代。 あれと同じ。 若者たちにエッチビデオなんかを売りたい広告屋が、学生に裏サイトを無料で提供してるんだから、そっちを取り締まらなくちゃ。

それとも、お父さん禁酒したい?」 

さすが受験生、、、。 最近はアメリカの英語の教科書で世界史を勉強するのだそうだ。 まいった。

<いじめの転移の火種を潰す>

 上記のような他に転移したコメントに対しては、見つけ次第(約2週間)メッセージを書くようにした。 娘に自分でやらせてもいいが、受験生が学校から帰ってきて夜な夜なこんなことをやるのは、もったいない。 最後まで私がしっかりやることにした。

これらの転移の火種になるコメントに対して、

「その、メッセージを書いた吉田です。みなさん、その節はご協力ありがとうございました。今後もよろしくお願いします」

のようなメッセージをを書込み、ITmediaの私のブログURLを残した。(アクセス数を増やしたいからではない。)

 この私のコメントに対しての反応はなかった。 また、この件に対する書込みはまったく見られなくなった。

 最初に裏サイトに私が書いたメッセージに対して、クラスの友達や他の学校の友達から「吉田さんのお父さんらしいねー」とか「さすが、家族全員B型」などと冷やかされたそうだが、あのメッセージ以降、裏サイトで娘を攻撃するようなコメントが書かれたという噂は耳に入ってきていない。(もちろん、友達との普通のいざこざはあるのだろうが)

 より深い見えない「裏サイト」「メール」「チャット」などで、まだ、書かれているかもしれないが、少なくとも私の娘には聞こえてこない。 聞こえてこないのなら、問題はない。

<終結宣言>

 私のゴールは、

「学校裏サイトによる変な噂に娘が心を痛めることのない、普通の生活」だ。

 私たちが気がつかない、聞こえてこないところで何を言われても構わない。いくらでも言っていただこう。 子供達にも居酒屋が必要だろう。大人が上司や部下の行動を嘆くように、子供が悪口を言って発散できるならそれでいいではないか。

 時々、学校名と娘の名前で検索して、「いじめの芽」を探し出し、同様のメッセージを投稿して、摘んでいく必要はあるだろうが、

ここで本当に終結宣言したい。

 そうなれば、学校裏サイトだけの問題ではなく、普通の「いじめ」の問題だ。もともと、学校裏サイトが問題なのではなく、「いじめ」の問題なのだが。

<最後に>

 今回、このブログで「学校裏サイトでの娘へのいじめ」のことを3回に分けて投稿したが、あまりの反響の大きさに驚いている。 イジメを受けたり、父である私が勝手にメッセージを書いたことで、私の娘が大変な思いをしていないかと心配する多数の問い合わせをいただので娘のその後を簡単に紹介しておく。

 この学校裏サイトでの事件と「ガンと戦うことを決意をした先生からの手紙」のような出来事、そして大学受験という時期を乗り越えて4月から女子大生になった。

 国連に入ってボランティアを支援するという小学生からの夢を胸に、勉学にサークルにと学園生活を楽しんでいる。(と書くと優等生に見えるが、家では、驚くほどだらしない生活をしている)

 娘が大学に入って遠くに下宿したら「寂しいし、お金がかかるなー」と心配したが「料理、洗濯が無理!」と言って毎日2時間かけて自宅から通っている。

 「学校裏サイト」でのイジメで自殺に追い込まれた子供がいると聞いた。

 イジメは辛いかもしれないが、乗り越えれば、必ず新しい生き甲斐や、楽しいことが沢山待っている。

 いじめは、一生続くわけではない。だから、一人で考えずに、親、先生、そして、SNSなどの力を借りて、「いじめ」を忘れるぐらい、様々なアクションを皆と一緒に考え、行動に移して乗り切ってほしいものだ。

 今回の私の行ってきたことが必ずしも正解ではないだろうが、皆で一生懸命考えて、これらの困難と闘うことが重要だと思っている。

 今回、この体験を公開したことで、「学校裏サイト」での「いじめ」にあっている子供達に少しでも役立てれば幸いだ。

 娘からも多くのヒントを得た。今度、時間があるときに、「親が出来ること」を整理してみたい。

 → 学校裏サイトの探し方」と「子供が相談しやすい場の作り方」

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○ 青少年のネット問題に関する記事一覧青少年のネット問題

○ お父さんの子育てに関する記事一覧 → 子育てとIT

 

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