片岡麻実の子育てに役立つスマートフォン×タブレット活用:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 片岡麻実の子育てに役立つスマートフォン×タブレット活用

グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

炎上も怖いのだが……

素性がばれないと油断してしまうとリアル世界で口には出して言えないこともツイートできてしまうのが恐ろしいところです。匿名でもハンドルネームでも自分のツイート/投稿が炎上すれば素性を暴く職人のような人が個人情報をウェブに載せると思って利用していたほうがうっかり、うかつなことを投稿しにくくなるのではないでしょうか?

加えて興味深いのは、名前を検索しても"何も出てこない"のも問題視されるという点です。(中略)そうした状況を踏まえ、理想的なのは、ネット上と リアルの世界での言動を変えないことです。ネット上の発言や振る舞いに責任を持ち、常識的な振る舞いをしていれば、ネット上での行いが原因で不採用になる ということはまずありえないでしょう。
前掲書 P,49~50より引用

個人情報漏洩が嫌なので匿名でしかウェブを利用していない学生も多い様子なのですが、実名で検索して情報が出ないとせっかくソーシャルネットワークを豊富に利用していても「ウェブを使いこなせていない人」「リテラシーが低い人」と思われかねません。

リアル世界で通用する常識的な内容を書く分には実名で投稿してもトラブルにはなりません。不要な個人情報を個人が特定できる形でウェブに投稿してしまった場合は実名での投稿にリスクが生じると考えられます。個人情報を不要にウェブに公開しすぎていないかは気をつけたほうが良い点だと考えています。

Facebookなどソーシャルネットワークを利用して就活しようと思っている場合は内定を得ることが目的です。したがって、人事の人や就活の仲間、第三者から自分の人間性を疑われるような投稿は避ける可能性が高いのではないでしょうか。そう考えるとFacebookなどソーシャルネットワークを利用した学生のウェブリテラシーを向上させるよいチャンス・場ではないかと考えています。

SNSの投稿でリアルな世界での能力もバレる?

ソーシャルネットワークの投稿を見ることでリアルな世界でのコミュニケーション能力がどの程度なのか推し量ることも人事の人ならば可能でしょう。

無難な話題ではなくエッジを効かせた内容をウェブに投稿したい場合は他人が読むことを想定し、第三者の誰かを話題にした場合は本人が見ることも想定して書く心配りをする訓練になりえます。本人が見て問題があるものだった場合はリアル世界と同様にウェブには書く必要がない、むしろ書かないほうがいい内容と考えられます。

ウェブでの投稿もリアル世界でのコミュニケーションスキルと連携してしているものと考えられますので、双方ともに体験を積み重ねたほうがいいことと認識しています。私見ですがリアル世界とウェブの世界はつながっていて別なものではないと思ったほうが良いのではないでしょうか。

ウェブ・リテラシー

学生のうちからFacebook就活を体験しておくと、リアル世界での能力と連携させながらメディアリテラシーを向上させることができるのではないかと考えました。というのは、就活をする時にわざわざ炎上するような話題は投稿しないようにするでしょうし、自分の魅力を人事の人に伝えるためにソーシャルネットワークをどう活用すれば良いのか考える契機になりそうだからです。

Facebook就活をすることにより、プライベートで発言して良いこと、人前で発言しても良いことを気をつけて投稿するように考えてからツイート/ウェブに投稿される学生が増えるのではないではないかと仮説を立てています。

私は学生にウェブリテラシーを身につけていただくために、Facebook就活をオススメしたら良いかもしれないと考えました。加えて既に大人の人も一度は経験したほうがいいのではないかと感じています。

学生をされている20代以下の世代は子供の時からパソコンやインターネットの世界にふれています。今、採用する立場の大人の世代は社会人になってからパソコンやインターネットに触れるようになった方が多くいらっしゃいます。

大半の人はウェブ歴10年以下

ナナロク世代という言葉があります。インターネット企業を起業した人の中に1976年生まれの人が多いため生まれた言葉のようです。1976年生まれの人の中には早生まれだったり浪人されたりいろいろな状況の方がいらっしゃいます。おそらくですがWindows 95が発売された1995年前後に高校を卒業されて大学・専門学校等に入学した人が多いと推察されます。

一般にインターネット利用が普及したのは1998年のWindows 98以降と推測されますので、DOS、パソコン通信の時代からネットワークを利用していたヘビーユーザな人たちを除けば一般の人の大半はウェブ利用歴15年以下ではないかと考えられます。

おわりに

すでに大人の世代は現在の子どもたちと違ってデジタルネイティブなわけではありません。大人であっても子どもたちよりもウェブの経験年数が少ない方が一定数いらっしゃいます。学生にFacebook就活をしたほうがいいよと私見では思ってしまったのですが、私も一回は経験したほうがいいかもしれないと考えを改めました。

すでに大人の方もウェブリテラシー、リアル世界でのコミュニケーションスキルを向上させたい方はFacebook就活(ソーシャルネットワーク全般も含めて)を一度は経験されるといいかもしれません。

>>「「就職活動を頑張っているのに内定が出ない」と自信をなくしたら」に続く

片岡 麻実

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