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営業がいらない時代(4)「営業」を再定義しよう

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「お客様のよき相談相手となって、彼らの不安や迷いを課題として捉え直し、その解決策をデザインする」

昨日のブログで紹介したことだが、これを営業の仕事だなんて、受け入れられないという人たちもいるだろう。そのとおり、少なくとも多くの人たちが描いている営業像とはかけはなれているかもしれない。むしろ、コンサルタントや経営者のイメージに近いと言える。教師や医師にも近いかも知れない。

しかし、古き良き時代の「営業」では役割が果たせないのであれば、それを変えるしかない。

ひとつ言えることがある。それは、いままでもこれからも変わることのない営業への期待だ。それは、予算として与えられた数字を達成すること。その働きに対して給与が払われるというのが変わらないとすれば、営業はそれができなければならないということになる。

営業の人格は数字である。笑顔が絶えず、優しく、だれからも好かれる存在であっても、数字が達成できなければ、営業という人格は低い。営業としての人格を高めたのであれば、数字を達成するしかない。そのためには、もはや従来の営業像を置き換えて、新しい営業としての能力を磨き、行動を変えてゆかなければならない。

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めまぐるしく変わる社会やビジネス環境にあって、お客様はこのままでは大変なことになると意識し、何とかしなければと考えている。しかし、その一方で、何をすればいいのか分からない状況に置かれている。つまり、課題やテーマを明確に出来ないのだ。そんなお客様に、従来通りのやり方で「課題やテーマを教えて頂ければ解決策を提供します。製品やサービスを提供します。」といっても、困ってしまうだろう。だから、「お客様のよき相談相手となって、彼らの不安や迷いを課題として捉え直し、その解決策をデザインする」、つまり、お客様の状況を真摯に見聞きし、共感し、「あるべき姿」を描き、そこに至る筋道を提言することが、案件獲得のきっかけとなる。

そんなあなたの提言を起点に、お客様との議論を深め、「あるべき姿」とそこに至る地図を完成させ合意する。そうやって、案件を創ってゆく。「共創」と言う言葉を聞くようになって久しいが、そんな時代の営業の役割は、こんなところにあるのだろう。

そのために営業は、知識を磨かなければならない。テクノロジーのトレンドや最新の事情に精通しなくてはいけない。テクノロジーの進化は留まることはない。その進化の恩恵を提供することがITに関わる仕事であるとすれば、知識なき営業はお客様から見れば役立たずでしかない。そうならないためにも知識を磨き続けることを怠ってはいけない。

また、教養も必要であろう。ITに関わることだけではなく、経営や事業、ビジネスや社会全般にわたるものごとや出来事に関心を持つことだ。お客様もまたそんな世界の一部なわけで、広い視野からお客様の幸せを考えることができなくてはならないだろう。また美意識を磨くことだ。芸術や文化である。何が正しいことかを知るためには、真善美という評価基準が必要だ。相手の気持ちや幸せ、提言の美しさ、倫理観は、そんな教養に支えられている。

そして、人格も磨くこと。お客様も大切な仕事を任せようというわけだ。会社の命運とまでは言わなくても、あなたの提言は、相対するお客様やその組織の評価、事業の成功に関わっている。それを任せようという営業を信頼できなければ、任すに任せられないだろう。例え知識があり教養が深くても、人としての信頼、あるいは人格としての高潔さが必要だ。それが「あなたにお願いしたい」という意志決定の決め手になる。

知識、教養、人格は、社会人としての土台でもある。なにも営業だけの話しではないが、営業もまた、それにふさわしいこの3要素を磨く努力を怠るべきではない。では具体的に何をするのかということになるが、それを見つけることもまた、自らできなくてはならないだろう。そういうセルフマネージメントができることが、この3要素を磨くための基礎となる。

もちろん、簡単なことではないし、一生かかっても終わることはない。だからこそ、学び続け、磨き続ける必要があるし、その態度こそが、相手の信頼を惹き寄せ、営業の業績へとつながってゆく。そのための努力を怠らなければ、目先の数字をあくせく追いかけなくても、数字は向こうからやってくるようになる。

営業の役割と求められる能力は再定義されなくてはいけない。それをいままで通り「営業」という言葉で表現するのか、新しい名前を与えるべきなのかは分からないが、もはやこれまでの「営業」のやり方がお役御免になることだけは覚悟しておくべきだろう。

営業がいらない時代 掲載予定

  1. 私たちの日常は営業を必要としていない(5月14日)
  2. お客様の期待にも経営者の期待にも応えられない営業に存在意義はない(5月15日)
  3. 「営業がいらない時代」にどうやって生き抜けばいいのだろう(5月16日)
  4. 「営業」を再定義しよう(5月17日)完

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

【5月度・コンテンツを更新しました】=============

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プレゼンテーションパッケージ
【新規】DXの本質 と新規ビジネスへの取り組み
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動画セミナー
【改訂】これからのビジネス戦略

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【改訂】これからのビジネス戦略

ビジネス戦略編
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【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは何か(2)p.7
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションとの関係 p.15
【新規】破壊者は何を破壊するか p.22
【新規】経営者が新規事業を失敗させてしまう7つの罠 p31
【新規】デジタル・トランスフォーメーションのBefore / After p.43
【新規】デジタル・トランスフォーメーションを取り巻く2つの環境 p.55
【新規】DXシステムの実装 p.56
【新規】「学び」の歴史から考える、これからの「学び」 p.193
【新規】これからの時代を生き抜くための3ヶ条 p.194

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
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サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】人間と機械の関係 p.10
【新規】学習と推論の関係、そしてIoT p.77

クラウド・コンピューティング編
【新規】米国政府の動き p.31
【新規】クラウドに吸収されるITビジネス p.102

サービス&アプリケーション・基本編
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開発と運用編
【新規】アジャイル開発が目指していること p.20

ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】時代の節目を俯瞰する p.11
【新規】Human+への進化 p.12

ITインフラとプラットフォーム編
【改訂】「境界防衛」から「ゼロトラスト」へ p.108

テクノロジー・トピックス編
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