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社会人になった君たちに伝えたいこと(4)社会的価値を高めることで100年人生を生き抜く術を手に入れる

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君たちは「社会人」になった。しかし、この言葉は「会社人」と同じではない。

会社に所属し、そこで働き、収入を得るわけだから「会社人」として、その役割を果たし、成果をあげるべきは言うまでもない。しかし、君たちは、その会社を通じて社会に貢献することを求められる。だから、「社会人」なのだ。

「社会人」とは、世のため人のために自らの役割を果たすことを求められる。会社はそのための手段を提供してくれる。それが、会社が提供する製品やサービスだ。製品やサービスは、お客様がこれまでよりも便利になるように、あるいは世の中の人たちがもっと幸せになるように、知恵や工夫をこらして作られたものだ。その手段を使って、お客様の価値を高め、その価値の一部を対価としていただくことで、世のため人のために貢献し、自分たちもまた新たな価値を産み出すためのお金を手に入れる。このサイクルを回すことが「社会人」の役割といえるだろう。

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この役割を果たすためには、自らの「社会的価値」を磨く必要がある。「社会的価値」とは、社会に広く認められる能力のことだ。会社という小さな世界で評価される能力ではない。広い世界で認められ、求められる存在になることだ。そのためには、「個人的資産」と「社会的資産」の2つを積み上げてゆく必要がある。

「個人的資産」とは、労働市場で必要とされる能力、例えば、IT業界であれば、システム設計やプログラミング、ネットワークの構築やクラウドの運用管理といった能力であり、英語や中国語などの外国語の能力である。どこに行っても稼げる能力だ。

「社会的資産」とは、あの人なら任せられるという社会的信頼を多くの人から得ることだ。人脈という言葉に置き換えることもできるだろう。「人脈を持っている」とは多くの人を知っていることではない。あの人なら任せられる、あの人にお願いしたい、あの人なら話しを聞くに値すると認めてもらい、そのことが広く知られることを言う。そういう人脈の広さが、社会に関わってゆくきっかけを与えてくれる。

このような社会的価値を磨けば、どこに行っても通用するし、自分の言葉で人を動かすこともできるようになる。そして、会社の基準ではなく、社会の基準で自分を客観的に評価できるようになり、自分の不足や未熟を知り、学び続けるモチベーションを与えてくれる。

会社はそのような人材を求めているので、「社会的価値」を磨けば、会社でも評価され、出世もできる。そうなれば、会社をもっと良くしてゆくためのイニシアティブもとれるだろうし、影響力も持てるようになる。それが果たせなければ、他の会社へ移ればいい。「社会的価値」があれば、どこにでも行ける。しかし、「社会的価値」がなければ、このどちらもできない。

仕事の現場で学べることは限られている。会社が提供する研修も会社の必要は満たしてくれるかも知れないが、社会的価値を高めるには不十分だ。会社と自宅の往復、話す相手は会社の同僚やお客様だけでは、「社会的価値」は高まらない。

独学せよ。テーマは自分で見つけるしかない。会社以外の人のつながりを作れ。そのような機会は巷にあふれているし、見つからなければ自分で勉強会やコミュニティを立ち上げればいい。アウトプットせよ。どんなに君の想いが崇高でも、能力があっても、人に伝えなければ知られることも仲間を増やすこともできないし、社会に貢献することはできない。

AIが進化すれば、1つの分野での熟練やベテランの多くは置き換えられてゆくが、ここに説明した「社会的価値」が置き換えられることはないだろう。

そんな「社会的価値」を高めてゆくには時間がかかる。だからこそ、若いときから取り組んでゆくことだ。会社という基準ではなく、社会という基準にいつも関心を払い、自分を高めてゆくことだ。そういう努力が自分のチャンスを増やし、100年人生を生き抜く術を与えてくれるだろう。

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