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「記憶」より「記録」の真の価値

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新入社員になりたての頃、上司や先輩から、「"記憶"より"記録"。メモをしっかり取るように」。「書きとめるときは5W3Hで」といったことを教わった方も多いのではないでしょうか。生命保険会社に入社した当時の私も「必ずメモを取りなさい」「メモに残しなさい」「事実を中心に書きなさい」と指導を受け、その後、お客様との行き違いの予防に役立ったり、お客様のふとした一言が、その後のご契約につながったりする経験を経て、身をもって「大事だ」と感じています。

そして今は、これまで教わってきたこと以上に「記録」の大事さを実感しています。そこで今回は「記録の新たな価値」についてお伝えします。

「記録」は誰のためか?
仕事において「なぜ記録が大事なのか」と問われれば、「仕事で成果をあげるため」と誰もが答えるでしょう。仕事の打ち合わせや会議では、それぞれノート、手帳、あるいは電子ツールを持って参加し、メモを取るのが当たり前であることからも、そのことは裏づけられると思います。

では、記録の重要性をご存知の方に、「自分のことを記録していますか?」と問いかけたら、どんなリアクションがあるでしょうか。

「自分のことを記録する」
「自分のことを記録していますか?」と問われると、ほとんどの方は「日記」やSNSでの投稿、あるいは、ダイエット時に食べたものや計測した体重の履歴などを思い浮かべることでしょう。確かに「日記」やSNS、履歴も記録です。しかし、私がここでお伝えしたいことは、もっとラフで簡単なことです。

それは何かというと「ちょっとしたアイデア」「思いつき」「興味がわいたこと」「(誰かの言葉などで)心にとまったこと」などを書きとめておくことです。

「ちょっとしたアイデア」「思いつき」「興味がわいたこと」「(誰かの言葉などで)心にとまったこと」などを書きとめることに、何の価値があるのか・・・と、思われるでしょうか。

実は、想像以上に大きな価値があります。

そのことに気づかせてくれ、効果・効能を教えてくれたのは1冊の本です。
その書籍のタイトルは『自らをマネジメントするドラッカー流「フィードバック」手帳』。同著を手にして以降、私の人生は一変しました。

セルフマネジメント力向上による成果
『自らをマネジメントするドラッカー流「フィードバック」手帳』では、自分の強みを生かし成果をあげていくための、セルフマネジメント法について、体系的に紹介されています。

私は、同著が出版された2016年5月からこの方法を実践しています。では、「すぐに効果があるか」と問われたら、「いいえ」と答えます。というのも、私自身が効果を実感できたのは、書籍の通りに実践しはじめて3ヶ月程度経った頃からだからです。
その頃から心理的な安定感(焦ること、迷うことが減る効果)を感じるようになりました。そしてそれ以降、集中力が増した印象があります。その成果は、2016年にチャレンジした資格試験に合格できたことで、確かなものとなりました。

また、以降3年、続ければ続けるほど、自分が立てた目標や成果が、理想的な形で達成できるようになってきています。

「心理的な安定感」がもたらす価値
『自らをマネジメントするドラッカー流「フィードバック」手帳』は、タイトルが示すとおり、手帳(ポケットサイズのメモ帳)を活用した方法です。手帳に向き合い、自分との対話を通じ、日々の目標を立て、成果を照合する。シンプルな方法です。

では、そのようなシンプルな方法の何が、「心理的な安定」をもたらすのでしょうか。
私が効果的だと感じたポイントを3つ紹介します。
1.「できたこと」を中心に振り返る
1日が終わったところで振り返りますが、
・達成した目標は、横線で消していく
・達成した目標は、
 さらに伸ばしていくかを検討する
・達成できなかった目標は、
 翌日に繰り越すか、廃棄するかを検討する
2.自身の「強み」に焦点をあてる
  「強みの原石の発見」

・他者から思いがけずもらったフィードバック
・思いがけずよくできたこと、
 うまくいったことを振り返り、
 自分の強みに自ら気づく
3.手帳は常に持ち歩き
  「ささやかな気づき」を書きとめる

著書では「ただちに書きとめることを習慣化する」と書かれていますが、
著者の井坂先生は、常に手帳を持ち歩き、ふとした瞬間に何かを書きとめています。
その様子に気づいて以降、気になったこと、思いついたこと、心にとまった誰かの言葉などを、書きとめるようになりました。
そして、ある程度経ったところで見返すと、何かのアイデアにつながったり、次の目標のヒントになり始めました。
自分の心にとまったことは、実は、自分を方向づけてくれる源泉なのです。

以上の経験を経て、「記録すること」は、業務を円滑に進めるためだけではなく、
「自らの人生を自分で創っていく」ことにつながると感じています。
「自分のことを記録すること」、お勧めします。


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