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初音ミクが問いかける、楽器と歌手の境界線

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 前から書こうと思っていた疑問を、法律のくすりやさんが書いてくれていました。

 初音ミクの歌は、法律上「歌っている」と認められるものなのか、という問いかけです。

 初音ミクの「声」はあくまでシンセサイザー(楽器)なので、

初音ミクがどれだけ「歌おう」が、本来、それは合成音(演奏)の一種に過ぎない

はずなのですが、

でも、聴くと解る。 あれは「歌」だ。

ということで、見方によっては人間の歌とも解釈できる、という疑問。

 たとえばJASRAC管理の楽曲で、歌詞を変えて公開した場合には、著作者の許諾が別途必要になるようです。

 MySoundの楽曲登録のヘルプページには、訳詞した場合の例が書かれています。

「もともと英語の歌に対して、自分で訳した歌詞をつける」等、【元の歌詞と違う言語でご自身で歌詞をつける場合】は、元の作詞者の方から許諾を得ていただく必要があります。

 でも、初音ミクが「楽器」であれば、結果的にどんな言葉に聞こえようが、インスト扱いで済ませられないかなあ、とも思います。

「替え歌」の場合には、著作者人格権が関わってくるようです。

 さらに、合成音を「歌手」とみなすとすれば、どの程度の「歌声度」をもってすれば「歌唱」なのか、「楽器」なのか。

 PC-6601は?

 PLG100-SGは?

 VOCALOID 1は?

 Delay Lamaは?

 CANTORは?

 まさに、

初音ミク 著作権を根底から脅かす恐ろしい娘

ですね。

 ちなみにわたしは、MySoundに、「TOTOのインスト曲Child's Anthemに、自分で歌詞をつけて初音ミクに歌わせた」ものを公開申請したのですが、1カ月をすぎてもいまだに「確認中」となっています(同時期に出した、著作権切れの曲は2週間程度で公開できました)。

 きのう作った、「パープルの紫の炎のシンセソロを適当なハミング(タラララララララとかファーファファーとか)で初音ミクに歌わせた」ものも、公開に手間取るのかなあ。

 ジャズインストの初音ミクVo.版を制作中(勝手に予想)の栗原さんなら答えをお持ちかもしれませんが、著作権処理の現場では、まさに悩んでいるところでしょうね。

 「初音ミク」と著作権法によれば、ゲームラボにこの問題についてのエッセーが掲載されるということなので、楽しみにしています。

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