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Society5.0における新たなガバナンスモデルのフレームワーク

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経済産業省は2019年12月26日、「GOVERNANCE INNOVATION: Society5.0の時代における法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書(案)の意見公募手続(パブリックコメント)を開始しました。

経済産業省では、2019年8月から、「Society5.0における新たなガバナンスモデル検討会」を開催し、ビッグデータ、IoT、AIなどデジタル技術が社会を急激に変えていく中で、「イノベーションの促進」と「社会的価値の実現」を両立する、新たなガバナンスモデルの必要性と、その在り方について検討を行ってきました。

今般、「Society5.0における新たなガバナンスモデル検討会」における議論を、「GOVERNANCE INNOVATION: Society5.0の時代における法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書(案)として、取りまとめを行っています。

本報告書(案)から、Society5.0における新たなガバナンスモデルのフレームワークについて、とりあげたいと思います。

Society5.0における新たな ガバナンスモデルのフレームワークは、以下のようなものとすべきであると、しています。

<総論>

① ルール形成・モニタリング・エンフォースメントのガバナンスの各プロセスにおいて、サイバー空間のアーキテクチャを設計・運用している企業や、これらを利用するコミュニティ・個人によるガバナンスへの積極的な関与を確保する。

<ルール形成>

② 社会のスピードや複雑さに法が追い付けない問題を克服するために、規制を、細かな行為義務を示すルールベースから、最終的に達成されるべき価値を示すゴールベースにする。(5.1.1)

③ 法律が自然言語によって示したゴールを、サイバー空間のプログラム言語を通じて達成するにあたり、企業がアーキテクチャの設計又はコードの記述において参照できるようなガイドラインや標準を、マルチステークホルダーの関与によって策定する。(5.1.2)

④制定された法規制や、ガイドライン・標準については、その効果や影響の評価を継続的に行い、頻繁に見直しの機会を設ける。その際は、モニタリング段階で収集されたデータや、エンフォースメント段階における当事者の主張等を参照し、証拠に基づいた影響評価を行う。(5.1.3)

⑤ ガバナンスに必要な情報が民間主体に集中していること(情報の非対称性)を踏まえ、企業自身による自主規制を促すため、企業が保有する情報をガバナンスに活用するようなインセンティブ設計を行う。(5.1.4)

⑥ 市場や社会規範による規律を有効に機能させるため、情報開示に関する義務付けやインセンティブ設計(透明化ルール)を充実させる。また、需要者側からの競争圧力を確保するため、デジタル時代に合わせた競争ルールの整備・運用を行う。(5.1.5)

⑦ どこまでを法規制で規律し、どこまでを自主ルールに委ね、どのような情報を誰に開示することを求めるか等を検討するため、産業構造に対する専門家によるアーキテクチャ分析を行う。(5.1.6)

<モニタリング>

⑧ 企業による革新的なコンプライアンス手法を奨励すると共に、自社の取組みに関する説明責任(コンプライ&エクスプレイン)を重視する。また、社会からの信頼を確保するために、自己チェック、ピアレビュー、内部監査、合意された手続、第三者によるレビューや監査等といった、リスクに応じた様々なアシュアランス(保証)の態様を活用する。(5.2.1)

⑨ 企業、政府、個人といった各ステークホルダーが、リアルタイムデータへアクセスして効率的かつ実効的なモニタリングを実施できるような技術や仕組みについて検討する。(5.2.2)

⑩ ステークホルダー間でモニタリングの結果を報告・評価し、今後のルール改正やシステム改善に繋げられるような、定期的なモニタリング・レビューを行う。(5.2.3)

<エンフォースメント>

⑪ 政府は、企業の行為の社会的影響に応じた法執行を行うと共に、透明化ルールや競争ルール等の運用によって、コミュニティや個人の規律力を強化する。(5.3.1)

⑫ 動作の予測が困難なAI等の判断により生じた事故について、特定の個人に帰責するのではなく、企業が事案の究明に積極的に協力するようなインセンティブを付与する。(5.3.2)

⑬ 企業、自主規制団体、外部監査法人等、民間主体による事実上のエンフォースメントを活用すると共に、その適切性を確保する。(5.3.3)

⑭ 企業・個人・政府の間で生じ得る紛争の解決を迅速かつ実効的にするため、訴訟やADRのオンライン化(ODR: Online Dispute Resolution)を進める。(5.3.4)

⑮ サイバー空間での行為に対するエンフォースメントを確実にするため、共通の個人・法人ID基盤を整備する(5.3.5)

<国際協力>

⑯ 容易に国境を越えるデジタル技術やビジネスについて、国内企業と海外企業のイコールフッティングを達成する観点から、域外適用規定の整備、国際的な執行協力や、ルールの標準化・相互互換性の確保を推進する。(5.4)

こうした関係をもとに、Society5.0に在るべきガバナンスモデルのフレームワークを以下のとおり整理しています。

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出所:経済産業省 2019.12

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