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デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討

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経済産業省は2018年5月11日、「第1回 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を開催し、デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討について議論をしています。

デジタルトランスフォーメーション推進に当たっての課題は、各企業の経営戦略や新規サービス創出、組織/人材、ITシステムなど多岐にわたっており、その中でも、デジタル技術を新規ビジネスでどのように活用するのかが重要なポイントであり、デジタルトランスフォーメーションとITシステムの活用は切っても切れない関係であるとしています。

こういった状況を踏まえ、本研究会では、ITシステムに関する現状の課題やそれへの対応策を中心に議論していくとしています。

デジタルトランスフォーメーションを進める上での課題は、IT関連費用の80%は現行システムの維持管理(ラン・ザ・ビジネス)に使われている点をあげています。また、短期的観点でのシステム改修を繰り返した結果、長期的に保守・運用費が高騰する「技術的負債」となっており、これを返済することができず、戦略的なIT投資に資金・人材を振り向けられていない状況でデジタルトランスフォーメーション推進の足かせになっているとしています。

維持管理に多くの予算がかかっている原因の一つとしては、老朽化・複雑化・ブラックボックス化したシステムの残存が考えられるとし、8割以上の大企業で老朽システムが残存するなど、ITシステムの老朽化が大きな問題となっています。

技術的負債(Technical debt)とは、短期的な観点でシステムを開発し、結果として、長期的に保守費や運用費が高騰している状態のことを指す。本来不必要だった運用保守費を支払い続けることを、一種の負債である技術的負債(Technical debt)の点も指摘しています。

負債を解消し、デジタルトランスフォーメーションにつなげるためには、情報資産の現状を分析・評価し、仕分けを実施しながら、戦略的なシステム刷新を推進することの必要性を示しています。

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出所:第1回 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会 2018.5

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