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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドコンピューティング3つの視点

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クラウドコンピューティングに対する考え方、様々な方が様々な視点で取り上げています。「クラウドコンピューティングはバスワードなのかマーケティング用語なのか?」、「グリッドコンピューティングとユーティリティーコンピューティングなどとの違いは何なのか?」等など。


そしてクラウドコンピューティングの市場に関しても様々な予測がなされています。ガートナーが先日発表したSPECIAL REPORT「Cloud Computing」 によると、市場が成熟するには3年の期間を要すとしています。

また、メリルリンチは、クラウドコンピューティング市場は、2011年には1600億ドル規模になると予測しています。


クラウドコンピューティングの市場の主役となるのは、SaaSの成功モデルを展開するSalesForce、コンシューマ市場からエンタープライズへの進出するAmazonやGoogle、そして対抗するIBMやMicrosoftやSAPなどがあげられると思います。Dellのクラウドコンピューティングの商用登録申請(最後は却下)も話題を呼びました。

クラウドコンピューティングの上位レイヤの構造を整理すると、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、そしてIaaS(Infrastructure as a Service)がどがあげられます。(それ以外にもHaaSとかDaaSとかあるようですが、省略します)

これらの部分については、時間のあるときに詳しく考察していきたいと考えていますが、この上位レイヤ側の視点を一つ目とします。

 

二つ目の視点は、端末です。iPhoneの販売は日本の携帯市場、そして世界の市場に大きなインパクトを与えました。そしてMobileMeやiPhone2.0などの共通プラットフォームをもつiPhoneは、クラウドコンピューティングにアクセスする端末としても注目されています。

そして、GoogleのAndroidの存在も見逃せないでしょう。iPhoneはライセンスをその他にも展開しない限り一つの種類からしか提供できませんが、Androidが多くの携帯に搭載されるようになれば、モバイルからクラウドコンピューティングにアクセスする端末としての事実デファクトスタンダードになる可能性は十分でしょう。Blackberryの動きも要注目です。

また、EeePC等に代表される5万円前後のNetBookも見逃せません。クラウドコンピューティング上のパワーと機能を利用するようになれば、端末側の機能はこれ以上意識する必要はなくなるかもしれません。

 

最後の三つ目の視点は、ネットワークです。クラウドコンピューティングにアクセスするのはインターネットからというのが一般的ですが、インターネットにアクセスする場合は、固定の場合はISDN等のダイヤルアップもあれば、ADSLやフレッツなどの光ファイバもあります。

そして、モバイルからのアクセスはHSDPAや提供が予定されているWiMAXや次世代PHS等も提供される予定で、Super3G(LTE)や4Gまで考えると様々なモバイルブロードバンドの環境が整うことになります。

そして、NGN(Next Generation Network)の本格展開が始まろうとしています。エンタープライズ分野におけるクラウドコンピューティングの大きな懸念事項として、セキュリティやSLA等の品質があげられます。NGNはクラウドコンピューティングの展開を支えるネットワーク基盤となるかもしれません。また、NGNにはSNI経由のSDP(Service Delivery Platform)というオープンなインターフェイスをもっています。クラウドコンピューティングの考え方でいけば、PaaSに該当するのではないかと思います。

 

以上3つの視点で整理してみました。クラウドコンピューティングは今おかれている立場で様々な解釈があるような気がしています。

今後クラウドコンピューティングは、本ブログのメインテーマの一つとして整理していきたいと考えています。



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