オルタナティブ・ブログ > ASSIOMA >

ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。

ホームレスな生活 その3。ホームレスのご飯代と代わらない現代のサラリーマンの食生活

»

Big issueに入っていた、ホームレスからの手紙の第三回です。これは、ホームレスの自立支援を図るための雑誌、Big issueに入れられているホームレスの方の日常を綴った日記の紹介であり、実話です。

 ※一話目と二話目に興味がある方はこちらを御覧ください。
  ホームレスな生活 その1。渋谷東急本店前で購入したBig issueに入っていた一通の手紙。
  ホームレスな生活 その2

その三。

顔を洗い終えてから、事務所へ向かう。
中央公園から事務所へ向かう途中、ロッカーで仕事道具と寝袋を入れ替える。
(このロッカー代もなかなか大変なのだが雑誌を盗まれるよりいいと思いロッカーを利用しています)
そして出勤。その前に朝ごはん。

いつもは朝はパンで済ますことが多い。
お金があれば、納豆定食350円を食べるときもある。

そこは、ご飯食べ放題なので同じビッグイシューの販売者の人たちも良く利用している。

自分みたいに何か仕事をしている以外の人たちはやはり炊き出しをまわる。
朝早く、午前5時ぐらいからやっている所もあるが数は少ない。
だから、大抵のホームレスの人々は、昼の炊き出し夜の炊き出しに並ぶ人が多い。
炊き出しをやっている所も教会・支援団体・個人とかがある。

東京都の場合は、東武方面と西部方面に分かれている。
東武方面は上野や池袋を中心とし、西部方面は新宿や渋谷を中心とした所である。

時間も朝早くから夜9時ぐらいとさまざまである。
炊き出しもパンやおにぎり、カレーやうどん、お菓子と色々ある。

多いところだと、リュックがいっぱいになるくらい、もらえる所もある。
(千食ぐらい用意するところもあるらしい)。

中には支援団体の人々とホームレスの方々がいっしょに食事を作る共同炊事という形式をとっている所も増えてきている。

皆がいっしょに作って食べると、また、おいしく感じるものである。
自分の場合は、朝は三百円、夜は五百円(売上により変わる場合もあり)
と決めているので、いつものようにパンと飲み物を買ってまっすぐ事務所へと向かう。

次回へ続く。

■ホームレスのご飯代と代わらない現代のサラリーマンの食生活
今回の手紙を見て、一番驚いたのは、朝食代と夜食代を出して、普通に食事をしている事でした。
私の中のホームレスのイメージは、普段はゴミ箱を漁ったりして食事をとり、時折、ボランティア団体の炊き出しで良い食事にありついているものだと想像していました。
ところが、ホームレスの中にも色々あり、この方のように普通に食事をとられている方が居るんだなと、少し驚きました。

私達の目からはホームレスという言葉でひとくくりに考えがちですが、恐らくはホームレスの中にも格差が存在するんだろうなと感じました。

驚いた事はそれだけではありません。
私は普段、朝食は食べないので、昼食と夜食しか食べません。ですから、このホームレスの方と同じ一日二食です。一食にかける料金も平均して500円前後なので、あまり変わっていないという事でした。

ということは、私の食事代は、このホームレスの方と一日と殆ど変わらないという事なんですね。

えっ、もしかして、昼ご飯代ケチリすぎ?と思って、一般的なサラリーマンの昼ご飯代を調べてみたら、寂しい事に、これも新生ファイナンシャルの調査によると、年々減少傾向で、500円だという事実がわかりました。

日本のサラリーマンの食事は、ホームレスと同程度なのか、、、と思うと、なんだか少し寂しい気分にもなりました。

じゃあ、今と対して変わらない食生活を送れるなら、ホームレスになってみようか?とまでは、行きませんが、何故、この人達はホームレスになったんだろう?という疑問がワキ、少し調べてみる事にしました。

東京都福祉保健局の作成したホームレス白書2に、興味深い調査結果がありましたので、紹介したいと思います。

■何故ホームレスになるのか?
「仕事したく無い人がホームレスになるんでしょ」と考えている方も多いのでは無いでしょうか?実は私もそう思っていました。向上心の無い人がホームレスになる、だから自分には他人事だと考えていました。
しかし、国の調査によると、どうも実情はそうではないようです。

Why

出典:東京都福祉保健局「東京23区のホームレスの実態」

ホームレスになった理由の50%以上が、「仕事が減った、勤め先の倒産、失業」といった、不景気による物が占めています。大半の企業の寿命は30年程と呼ばれており、私達の就業年数よりも短いのが事実です。

という事は、ホームレスになる原因の大半が企業の倒産によるものであるなら、いつ自分達がその立場になるかもしれません。就業構造の変化などの社会経済的要因を背景にもつ全国的な問題であり、社会のセーフティネットにかかわる問題でもあります。日本人一人一人にとって、ホームレス問題というのは他人事では無いと言えるのでは無いでしょうか。

■ホームレスの長期化が復帰への希望を閉ざす
では、誰もがホームレスになる可能性があるとしたならば、一度でもホームレスになってしまうと社会復帰は出来ないのでしょうか?

F

出典:東京都福祉保健局「東京23区のホームレスの実態」

ホームレス1~3年未満であれば、本人の就労への復帰意欲も高いのですが、10年以上ホームレスを続けていると社会復帰を望まず「今のままで良い」と考えてしまう傾向にあるようです。

これは、ホームレスの期間が長期化すれば、社会復帰への意欲が失ってしまうという事の現れだと思います。

■私達に出来る事
いつ、会社が倒産してもおかしくない不景気が続く日本。ホームレス問題は決して他人事ではありません。でも、私達一人一人の力は無力です。それでも、何かしてあげられる事ってあるかな?と考えた時に、少しだけ「これなら出来るかも?」と思う事がありました。

それは、ホームレスの人達と、ほんの僅かでも良いから、接点を持ってあげる事です。

今回の手紙には、ホームレスの方のメアドが記載されていたそうです。恐らくは、社会との接点を持っていたい、孤独になりたくないって言う思いの現われなのでは無いかと思います。

お金は失っても、都心のホームレスの方々は福祉団体等のお陰で、餓死する程の思いをする事は最近は殆どないそうです。

しかし、「ホームレス」という烙印が、一般人との見えない壁を作り出してしまう。自分の今までの行動を振り返ってみても「ホームレス」という人達を見ると、避けて通ったり、どこか見下した目で見てしまっていたと思う。実際、ホームレスを襲撃するという事件は後を絶たない。

しかし、「ホームレス」は現在の社会環境の変化が生み出した、誰にでも訪れる可能性のある事だという現実を理解しないといけない。

私達に出来ること、別にお金を寄付してあげる必要は無いと思う。しかし、「ホームレス」としてではなく、一人の人間として接してあげる事ではないかと思う。もし、街中でbig issueを販売している方々を見かけたら、「頑張って下さいね」と声を掛けてあげて欲しい。そして、一度 Big issueを手にとって、その内容に興味がもてたのなら、一度買ってみてあげて欲しい。

社会との繋がりを持っている事、自分たちは見捨てられていないと、自信を与えてあげること。それが私達、一人一人に出来る支援では無いだろうか。

■関連記事
 ホームレスな生活 その1。渋谷東急本店前で購入したBig issueに入っていた一通の手紙。
 ホームレスな生活 その2
 奇妙な国日本で、これから社会人になる人達へ
 【ネットの匿名性】 勝間 vs ひろゆき、について思うこと。

■一万人以上が閲覧した、当ブログの人気エントリー
 事業仕分け騒動。「光より速い通信技術」について思うこと
 電子書籍リーダが変える産業構造。消える産業、産まれる産業
 日本経済の不都合な真実
 SIMロック解除とSIMロック解除後の未来を考察する
 Twitterを初めたばかりの人が読むとちょっと良いこと

■著書及び自己紹介
大元隆志
IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入




Comment(2)