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ソーシャルメディアを活用したパーソナルブランディング - Section2 ソーシャルメディアとは?

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2010年7月2日に実施した「ソーシャルメディアを活用したパーソナルブランディング」。今回は「Section 2 ソーシャルメディアとは?」について講演内容を記載致します。

 ■Section1
  ソーシャルメディアを活用したパーソナルブランディング - Section1 Change


当日の資料については、こちらをご参照下さい。

また、8月11日19:30~20:30開催の勉強会では孫泰蔵様のご好意により「ソーシャルメディアの未来」というテーマでご講演頂きます。参加費は無料であり、泰蔵さんとしても、若い世代の方々と色々と意見を交換する楽しい講演にしたいとの事ですので、皆様の参加をお待ちしております。正式な参加申し込みについては、後日当ブログにて受付を開始致します。

前回参加者の声については、こちらをご参照下さい。

■Section2 ソーシャルメディアとは
Wikipediaによると、ソーシャルメディアとはこのように定義されています。

ソーシャルメディアは、インターネットやウェブに基づく技術を用いて、 ブログやtwitterのつぶやきのような一方方向の独り言を多くの人々に伝えることによって、 多数の人々が参加する双方向的な会話へと作り替える。 ソーシャルメディアは知識や情報を大衆化し、大衆をコンテンツ消費者側からコンテンツ生産者の側に変える。 商業的なソーシャルメディアとは、UGC (ユーザ生成コンテンツ; user-generated content)や CGM (消費者生成メディア; consumer-generated media) を指す。 Andreas Kaplan と Michael Haenlein はソーシャルメディアを 「インターネットに基づくアプリケーションの一群であって、Web 2.0の思想的或いは技術的基礎付けの上に作られ、 UGCを作りだし交換できるようにするもの」と定義している。

なんだか、ややこしくて良くわかりませんね。恐らく、ソーシャルメディアという概念に対しては、色々な諸説があるのではないかと思いますが、一言で言い表すのは難しいのかなと思います。私が考えるソーシャルメディアとは、この三つの要素を合わせ持ったものです。

一つは、コンテンツの主役はUGC(User-Generated Content)であること。CDやDVD、ゲームソフト、書籍のようにプロの手によって、パッケージ化されたコンテンツでは無く、ユーザ一人一人の手によって、作り出されていくもの。例えば、Twitterの呟きや、ブログに投稿される日々の日記、掲示板への書き込みといったようなものです。

マスメディアのコンテンツの主役はプロが作ったコンテンツです。ソーシャルメディアのコンテンツの主役は、私達一人一人の創りだすコンテンツが主役だという事ですね。

二つ目。「コンテンツの主役はUGC」、それは、そうなんですけれど、ソーシャルメディアでは、コンテンツの優劣だけが成功を決める要因ではありません。ソーシャルメディアにおいてコンテンツを成功させる秘訣は、コンテンツでは無く、そのコンテンツを中心として、どれだけ人と人との交流が産まれるかが大切です。

例えば、ソーシャルアプリは、如何にユーザに友人を招待して貰ってプレイヤーの数を増やして貰うかを考える事が重要になります。何故なら、ソーシャルアプリとは人間と人間で遊ぶ物だからです。従来までのTVゲームはコンピュータが相手であり、特定のアルゴリズムがセットされていて、返ってくる反応は常に決まっていました。だからずっとプレーしていると飽きてしまう。
しかし、ソーシャルアプリは人間と人間が互いの相手ですから、常に同じ戦法は通じないんですよね。だから飽きない。飽きないから熱中する。少しでもライバルに勝つために、通常のプレーでは手に入らない「強いアイテム」をお金を払って購入する。

ソーシャルアプリだけでなく、最近のソーシャルメディア代表格のTwitterが急速に普及している理由。それは、人と人とのコミュニケーションが一番面白いという単純な理由なんですよね。

ソーシャルメディアが台頭する時代、コンテンツは器のような物であって、そこにどれだけの人を参加させる事が出来るか?そこで繋がった人と人とが心地良く、安心してコミュニケーションを行うにはどうすれば良いか?これが、ソーシャルメディア時代のコンテンツ作りにかかせない考え方なんですね。

そして、最後の三つ目。見過ごされがちな点ですが、最も大切な事だと思います。それは、「全ての人の声に力を与える」事が出来るメディアだという事ですね。
  
私達一般人の声という物は本当に小さい。しかし、前述したように、ソーシャルメディアの力を活用すれば、小さな声を、より多くの人に届ける事が可能になる。マスメディアは「数のメディア」です。視聴者数が少ないと考えられる物は、基本的には取り上げません。何故なら制作費の大半を広告費で賄っているため、多数の視聴者が居ない事には、それを取り上げてもスポンサーが付かないからです。

しかし、「数のメディア」では、「少数派の意見」は無視されてしまうとも考える事が出来ます。例え少数派の意見であっても、世間に伝えたい何かがある時に、小さな一つ一つの声を、「共感」の力で大きな声にしてくれる。それが、ソーシャルメディアの最も大切で社会的意義のある事だと私は思います。


What


■数字で見るソーシャルメディア
では、次にソーシャルメディアという物が、どれだけ私達の生活に浸透しているのかを、数値で見て見ましょう。調査会社ニールセンの発表した資料をご紹介します。

・全世界のインターネット人口の74%が、SNSやブログ・サイトを訪問
・インターネットの主要ブランド7つの内、3つにソーシャル・メディアブランド
  Facebook、Wikipedia、YouTube
・ソーシャルメディア・サイトへの月平均訪問時間は、ほぼ6時間

世界の人口は約68億人。そのうちインターネットを利用している人口は約18億人と言われています。この値を基にニールセンのデータについて考えてみると、世界で約13億人の人々がSNSやブログ・サイトを訪問しているという事になりますね。

Wikipediaは月間3億2500万人のビジターが訪れ、世界中のユーザの手によって作成される辞書です。歴史も古くソーシャルメディアの代表的な存在です。最近では「Wikipediaによると…」と、Wikipediaの内容を引用して説明されるケースも増加し、アクティブなネットユーザでは無い、一般の方々にも浸透してきているのでは無いかと考えられます。

Facebookのユーザ数は現在、約5億人。半年で1億人のペースでユーザ数が増加しています。このままのペースを維持していく事が可能なら、数年のうちに、中国やインドの人口に匹敵する、世界中の人々が共同生活を営む、巨大な仮想空間が誕生する事になるでしょう。

Youtubeは一分間に24時間分の動画が投稿され、毎日20億回も再生されています。この数字は、米国の3大ネットワーク(ABC、CBS、NBC)のゴールデンタイムの視聴者数の約2倍に相当すると言われています。

そして、ソーシャルメディア・サイトへの月平均の訪問時間が6時間となっていますが、博報堂DYが毎年発表している「2010年メディア定点調査」によると、日本の消費者のテレビ、新聞、ラジオ、雑誌、インターネット等のいわゆる「メディア」と呼ばれる者に対する月の接触時間の平均は348分であり、6時間に届きません。

世界の消費者のソーシャルメディア接触数の6時間という数値は、インターネットを日常的に利用している人々にとって、ソーシャルメディアはその他メディアと変わらない位、一般的な物になっていると考える事が出来るのでは無いでしょうか。

参考までに、先程紹介した、博報堂DYが毎年発表している「2010年メディア定点調査」から、日本国内の性年代別、メディア接触時間を下図に示します。
Social
出典:博報堂DY「2010年メディア定点調査」

興味深い点は20代男性にとって、最も身近なメディアとはインターネットであり、テレビを大きく上回っている点です。これらの世代にはテレビよりも、ソーシャルメディアの方が身近な物になっていると言えるのでは無いでしょうか。

今から10年後に発表されるであろう「2020年メディア定点調査」の結果は、一体どのように変化しているでしょう。ラジオ、新聞、雑誌は「雲(クラウド)」の中に移行しているかもしれません。これら「オールドメディア」と表現される事もある媒体も、これから訪れる口込みの力が物を言うVisas時代には、口コミを産み出す「ソーシャルメディア」との連携を無視する事は出来なくなるでしょう。


■日本におけるソーシャルメディアのトレンド
ニールセンが発表した資料に、日本におけるソーシャルメディアの興味深いトレンドが示されています。
Mixi
出典:ニールセン「アジアパシフィックにおけるソーシャルメディア・トレンド」

日本のソーシャルメディアの代表格と言えばSNSのmixiでしたが、2010年4月の月間ビジター数で遂にTwitterがmixiを抜いたとあります。ビジター数が減少傾向にあるmixiを尻目に、Twitterはグングンビジター数を増加。Twitterの月間ビジター数が約1千万に迫り、日本のアクティブオンラインユーザ数の16%を超えた事から、キャズムを超えたと言われています。

また、Facebookのビジター数がまだまだ187万人と少ないですが、同じSNSのmixiが減少傾向で、Facebookが増加傾向にあるという事は、将来の逆転を予感させると言えるのでは無いでしょうか。


■SocialMediaを理解しよう : その1 ギフト経済
では、ここからは「ソーシャルメディアと付き合っていく」ために、大切な二つのポイントを説明します。まず、一つ目のキーワードは「ギフト経済」についてです。

私達が普段生活している現実社会は「貨幣経済」によって成り立っていると言われています。何かを欲しい、何かをして貰いたいと感じた時に、その何かを得るために、対価として「お金」を支払う事で、取引が成立する。全ての経済活動は、この「お金」を稼ぐために行われていると言えます。

しかし、ソーシャルメディアの世界では、少し違った物の考え方をしなければいけません。

ソーシャルメディアと付き合って行く為に必要な経済活動の考え方、それは「ギフト経済」と呼ばれる物です。
「ギフト経済」とは「ギフト」という名前が示しているように、「贈り物」を相手に提供するという事です。「商品では無く、贈り物を提供する」という事ですね。

「商品と贈り物の違い」と言えば、何でしょうか?

 商品
  提供する側はお金を受け取り、購入する側はお金を支払う
 
 贈り物
  提供する側は、善意の気持ちで提供する。受け取る側は感謝の気持ちを提供する

といった事が言えるのでは無いかと思います。

「商品」が流通するのが「貨幣経済」、「贈り物」が流通するのが「ギフト経済」と考えてみるとわかり易いのではないでしょうか。そして、貨幣経済のお金に代って、ギフト経済で「感謝の気持ち」として支払われるのが「Whuffie(ウッフィー)」と呼ばれる目には見えない仮想通貨です。

ギフト経済では、何かをして貰ったら、お金の代わりに「感謝の気持ち = ウッフィー」を支払い、提供した側は「感謝の気持ち =ウッフィー」を受け取る。そう、何かをしても「お金」は貰えません。

えっ、そんな「お金にならない事は、時間の無駄」ですって?そうかもしれませんね。

でも、ソーシャルメディアでは「お金」では無く、「感謝の気持ち = ウッフィー」が重要になる。今すぐに、理解する事は難しいかもしれませんがソーシャルメディアを活用して行く上で、「ウッフィー」の存在を知っておく事はとても大切です。

では、この「ウッフィー」はどうやって貯めて行くのか?実は大半の人は「貯め方」を知っています。学校で習った事がある筈です。
皆さんが、小さい頃、そう、小学生の頃にこんな事を習いませんでしたか?
 - 自分がされて嬉しい事を、人にもしてあげなさい
 - 自分がされて嫌な事は、人にもしてはいけません
 - 誰かに親切をする時は、見返りを期待してはいけません。

人と人とがコミュニケーションを取るための基本的な接し方。それが「ウッフィーの貯め方」なんですね。皆さんが小さい事に教わって、年齢を重ねるたびに、「見返りの無い事をするなんて、時間の無駄」と考えるようになってしまった考え方を、ほんの少し時間を遡って、子供の頃に教わった「見返りを求めない、人との関わり方」を実践する。それを、ソーシャルメディアの中で、実践すれば良い。たったそれだけの事なんです。

そして、ソーシャルメディアを活用してパーソナルブランディングを成功させる最も大切な事は、時間をかけて「ウッフィー」を貯めて行く事だと、私は考えます。

Whuffie


■SocialMediaを理解しよう : その2 全てのコンテンツはデジタルになる
ソーシャルメディアと付き合って行く上で、大切な事。二点目は「全てのコンテンツはデジタルになる」という事です。
今から10年前、新聞、書籍、映画、全てのコンテンツは紙やCDによって、「パッケージ化」された商品でした。これらのパッケージ化された商品をクリエイターが消費者に届けるためには、パッケージを作成する向上、運ぶための流通、保管するための倉庫、販売するための店頭が必要でした。とても、個人で一連の作業をこなせるわけもなく、必然的に資本力のある大企業が行う事になります。そのため、クリエイターは大手出版社や、放送局といったメディアと呼ばれる企業に頭が挙がらない状態でした。

しかし、ソーシャルメディアが台頭する現在。今全ての「パッケージ化」された商品は「デジタルコンテンツ」として、ソーシャルメディア上で流通しようとしています。商品を提供するために係る流通コストは、限りなく「ゼロ」に近づいたという事です。

クリエイターが制作したコンテンツを、ソーシャルメディア上のYoutubeや、AmazonのKindle、AppleのiBooks等を通じて直接、消費者へ提供する事が可能になりました。これらソーシャルメディアを活用する事に、大企業と個人の資本力の差はありません。

違うのは、マスメディアの広告が行えるプロモーション能力の差です。このプロモーション能力を縮めるためにクリエイターに大切な事。そう、自分がメディアになるために「パーソナルブランディング」を行うという事ですね。
Digital


■4Pとソーシャルメディア
では、今まで説明した事と合わせて、ソーシャルメディアを活用してパーソナルブランディングを行う上で大切な考え方を、現実のマーケティングの世界でも良く用いられる4Pを利用して説明してみましょう。

4Pとはマーケティングを実行する上で検討する、各戦略の頭文字を取って名付けられたものす。別名マーケティングミックスとも呼ばれます。マーケティングでは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)といった、4つのPを組み合わせて商品をより多くの消費者に提供する事を考えます。

4p

では、このマーケティングミックス(4P)を、ソーシャルメディア上で行うパーソナルブランディングに当てはめると、それぞれどのように形を変えるのでしょうか?それを表したのがこちらの図になります。

4pwithsocil

Productは私達自身です。皆さん一人一人の何かを「創造する才能」が商品となります。

Priceはウッフィーです。自分の才能がウッフィーに代わり、それが売れるとウッフィーが貯まります。大切な事は、「お金」を目的とする前に、まず「ウッフィー」を貯める事を考えるべきだという事です。そして、それは貯まるにはとても時間がかかるという事も理解しておかないといけません。「お金」でも無く、「貯める事も難しい」ウッフィー。でも、このウッフィーが「口込み」を呼ぶ源泉になるんです。

Placeはインターネット上の共有スペースです。動画を公開したければ、Youtube、書籍ならibooksやKindleが。音楽ならMyspaceやFacebookで全世界に向けて公開する事が出来るようになります。そして、これらソーシャルメディアを使って流通させるコストは「ゼロ」だという事です。

PromotionはTwitter、Facebook等のコミュニケーションツールを利用して、日々のあなたを知って貰う事がソーシャルメディア上でのプロモーション活動です。日々のコミュニケーションを通して「ウッフィー」を獲得する。それがソーシャルメディア時代のプロモーションです。「ウッフィー」が蓄積された時、その力はマスメディアを利用した「広告」よりも、大きな力を発揮する事になるでしょう。

『Section3 パーソナルブランディングのためのTwitter』に続く


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