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ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。

Twitterのマスメディア化。オールドメディアの衰退、そしてソフトバンクがメディアになる日は訪れるか?

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週刊誌というのは、普段、殆ど読まないのですが、先日たまたま「週間SPA」を読んだ所、特集記事を読んでいて驚きました。

・[出版崩壊!?]現場(秘)レポート  iPad、キンドルの登場は福音か破滅へのカウントダウンか?百年に一度の大転換を迫られる我が業界の知られざる内幕を教えます
 という小見出しで始まった内容は、たぬきちさんの「リストラなう」の話や、電子書籍による出版業界の構造変化等、普段Twitterで話題になっている内容でした。
・[孫正義vs佐々木俊尚]激論の舞台裏  「光の道」計画をめぐり、ネット生中継された論戦に密着取材。2人の"決闘"はどこへ向かうのか?
 こちらも、Twitterから生まれたイベントで、Twitterを普段から利用している人にとっては、特に目新しい内容では無かったのでは無いでしょうか。


■Twitterで流行った事が記事になる
雑誌の、それもSPAのようなメジャーな雑誌が、Twitter上からネタを探しだし、それが特集として記事になっている。しかも、その記事の内容というのは、普段Twitterを利用している人間にとっては、特に目新しさは感じない記事でした。

これには二つの意味があると思います。
一つは、「Twitterで話題になっている内容は、十分既存メディアでも取り扱える内容」だということです。既存メディアで扱えるレベルというのは、一部のオタク受けしそうな内容では無いという事です。それだけ、Twitterを利用している層は特定の層に偏っておらず、老若男女問わず、満遍なく普及し、まさに「市民の声」の集合体となってきていると言えるのでは無いでしょうか。

政治家の方がTwitterを始める時にコメントする「市民の声が聞きたくて、アカウントを作りました」という言葉を使いますが、あながち、間違っていないかもしれませんね。(ただ、著名人ばかりフォローしていて、一般市民の方をフォローしていない政治家の方は、どうやって一般市民の声を聞いてるのか疑問に感じますが。)

そして、もう一つは、「Twitterがあれば、マスメディアが要らなくなる。」という事です。Twitterの口コミで盛り上がって、UST放送が実現し、USTで放送された内容をサマリーしているだけの既存メディアなら、不要になるのではないかと思うのです。だって、普段からTwitterを利用していた人間にとっては、既に見たことのある内容があらためて紹介されているだけなのですから。

■ネットの普及で休刊が相次いだIT系雑誌
以前に、これと似たような感覚を感じた事があります。2000年頃からインターネットが爆発的に普及していくなかで、ITmediaさん等のネットメディアが台頭し始め、パソコン等の新製品情報や、ITのTips等を掲載する。その一ヶ月後に、IT系の雑誌に同じような内容が記事になっている。

一度無料の媒体で読んだ内容を、誰が有料で読むのでしょうか?ネットの普及と共に、IT系の雑誌は相次いで休刊していく事になりました。
Twitter上で見た話題が、雑誌に掲載されている。あの時と同じだと感じました。

ただ、当時は「IT系雑誌のターゲット層=ネットを良く活用するIT系就業者」と被っており、ネットメディアの台頭はIT系雑誌以外の、ネットを余り活用しない人達が見るような雑誌には、それ程影響を与える事は無かったのではないかと推測します。しかし、Twitterの普及によって、いよいよ、ネットメディアの得意としていなかった、普通の人達、そうマスメディアの得意としていた領域にまでネットが優位に立とうとしているのでは無いかと思います。

■マスメディアがソーシャルメディアに乗っ取られる日
ソーシャルメディアの王様、Facebookは2010年4月に全世界で5億人に到達した。Facebookには劣るものの、全世界で一日30万人加入者が増え、現在では約1億人を突破したTwitter。

しかし、マスメディアの王様TVは全世界に40億普及している。ソーシャルメディアの王様と、それを追いかけるTwitterのユーザ数を合計しても、TVには遠く及ばない。しかし、そのTVを月間ユーザ数が9億人のネット界のハイパージャイアント Googleが、人々の時間をテレビからネットへ奪い取ろうと勝負に出た。

今から10年後、人々の情報の取得先は、オールドマスメディアでしょうか?ソーシャルメディアでしょうか?

その答えは、今はまだ誰にもわからないのかもしれません。ただ一つ言える事、10年前には世の中の大半の人は、ネット上のニュースより、新聞を好んで読んでいたことでしょう。100年前に遡れば、誰もテレビなんて見ていなかった。今まで「当たり前」と思っていた物に置き換わる物が現れた時、人々はあっさりと「当たり前」を置き換える。

■10年後のマスメディアを目指すソフトバンク
 何を馬鹿げた事を…という人も居るでしょう。でも、私はこう思います。

 コンシューママーケディングにおいて重要な役割を果たすTwitterを携帯電話に標準搭載し、誰でも放送局になる事ができるUstreamに出資。そして、ソフトバンクは日本最大の告知能力を持つポータイルサイト Yahooを持っています。

 ・Twitterは一般人の声を集め、広める道具であり、それ自体がマスメディアであり、しかも、そのコンテンツは毎日自動生成される。
 ・Twitterでアイデアが生まれ、Ustreamが放送局として使われる。やがてUstreamから人気番組が現れて、Yahooがプロモーションを行う事になるのではないか。そして、それが大量の視聴者を集める事が可能になった時、莫大な広告費を産む事になるでしょう。

 今から10年前、ソフトバンクが携帯電話を売るなんて、誰が想像出来たでしょうか?しかし、通信事業者の参入という小さな片鱗は見えました。Twitter、Ustream、Yahooという、従来のマスメディアに置き換わる可能性を持った技術に力を注ぎ始めた孫さんの視線の向こうには、新聞、ラジオ、テレビ、雑誌といった四大メディアの年間広告収入約2.8兆円があるのではないかと思えてなりません。

 10年後の孫さんは、光の道に立っているのか、それとも日本メディア王になっているのか。みなさんはどう思いますか?

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