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iPadを一足先に触ってみた。 - iPad First Impression -

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昨日はITmediaオルタティブブログミーティングに参加しました。
既に他の方々も書かれていますが、そこで一足先にiPadに触れる事が出来ましたので、率直な感想を述べたいと思います。

■見たとき感じた事
 「うわっiPad!」

何年ぶりでしょうか?何かの新製品が登場して、「うわーこれがあの○○!?」ってワクワクしたのって。子供の頃、渋る父親の手をひきながら週末に日本橋のパソコンショップに目を輝かせて、X1やFM77、X68000といった個性的な新製品をワクワクしながら見にいった懐かしい思い出が蘇りました。

 それ位、iPadは魅力的で、目の前に実物を見ると、写真で見てた以上に高級感ある作りに感じました。WiFiモデルなので$499ですよね。印象的には6~7万円前後はしそうな感じで、安物感は全くありません。

 背面も、シンプルでAppleを象徴する林檎マークが、ありきたりな言葉だけど「かっこいい」この一言に尽きる。電車の中等でiPadを使っている時には、当然他の人には機器の背面が見られるわけですが、これは「背面」を自慢したくなるデザイン。使っている人を「Cool!」に演出してくれるでしょう。

Ipad

■触ったとき感じた事
 「ツルツル」。つや消しの梨地加工という技術のせいなのか、非常にツルツルしています。パソコンぽくありません。パソコンの触感は「プラスチック」的ですが、iPadはこの触感のため、これもまた「高級感」を演出しているように感じます。

■持ったとき感じた事
 見た目、触感共に素晴らしかった、iPad。次に取るアクションは当然、自分の手に持って持ち上げてみるでしょう。
 しかし、残念な事に、持ち上げた時の感想はあまり良くありませんでした。

 一言で「重い」。重量を調べてみたら680g。約700gです。
 680gってどの程度の重さなんだろう?と思ってgoogleさんに聞いてみたら「一般軟式金属バット 『プロモデル 青木モデル』 84cm×680g平均」を紹介してくれました。 むしろバットがそんなに軽いのかと驚きもしましたが、金属バットと同じ重さだと考えれば、なんとなく「重い」という印象が伝わるのでは無いでしょうか。 ちなみに約700gという650g~740gの範囲でgoogleさんに聞いてみると、その他にも、ランドセル、ハンマー、壁掛け時計といった物を教えて貰いました。

 男性なら通勤途中にでもiPadを拡げて読書という事も可能だと思いますが、女性には結構辛い重さでは無いかと思います。そして、触感がツルツルなので、男性の私でも「落としそう」と不安になってしまいます。落下防止のストラップや、滑りとめ付き専用ケースが必要になるのでは無いでしょうか。

 体格の良い外人ならこの重さは苦にならないのかもしれませんが、日本人にとっては、少なくとも華奢な女性にとってはiPadは持ち運ぶ物ではなく、机の上に置いて使う物かもしれません。こんな風に可愛いネコスタンドが活躍する家庭も増えそうです。

Cat

■使ってみて感じた事
 専用のCPUを搭載しているからでしょうか?動作はスムーズでした。Kindleではページをめくる時に1~2秒かかる時がありますが、iPadはスムーズに動作します。解像度が高いためか、フォントも非常に滑らかで読みやすいです。

■全体の感想
 これは、「PCだ」。iPadは電子書籍リーダとして語られる事が多いですが、9.7インチという大画面、机の上や膝の上に置いて使う、音楽や映像、インターネットも楽しめる、となればこれは紛れも無い「PC」だという事です。

 「PCだ」と感じた時に、思った印象は「iPadである必要があるんだろうか?」という事でした。
 iPodはポータブルミュージックプレイヤー、iPhoneは携帯電話という、「制約事項が多くて当たり前」な市場での闘いでした。こういった「色々な事が出来なくて当たり前」な市場ではジョブスの思想の中で過ごすのは快適だったでしょう。

 iPadのライバルが電子書籍リーダのKindleだという事なら、十分魅力的に映るでしょう。しかし、iPadの市場が「PC」だとしたならば、少し見方を変える必要があるのではないでしょうか?

 iPadがヒットすれば、タブレットPCという新たなジャンルが登場し、iPad以外にも軽くて薄い製品が登場するでしょう。様々な製品と闘う中で他の製品がWindowsやLinuxを採用としていたなら、基本的に使用するブラウザや日本語入力環境、使用するアプリケーションは「所有者」が自由に決める事が出来ます。

 しかし、iPadでは基本的にはAppleに気に入られたブラウザ、アプリケーションしか利用する事は出来ません。※勿論この規制をかいくぐる事は可能ですが。

 SIMロック解除の件でもわかるように、一般消費者は「自由」を求めています。(結果として自由が手に入るかは別として)
しかし、iPadでは利用可能なアプリケーションはAppStoreに制御される事になります。

 それでも、safariはCoolだし、多様なアプリケーションが存在するAppStoreは、iPhoneやiPodのライバルと戦うには十分でした。
しかし、iPadのライバルはKindleでは無く、これから立ち上がる「タブレットPC」になるでしょう。

 iPadのデザインは秀逸です。これは、見た人、触った人全員が「欲しい」と思う魅力があると思います。
しかし、「PCはソフトが無ければただの箱」です。なんでもかんでも自由に使えるWindowsやLinuxの世界と、AppSoreで許可された物しか流通されないiPadの世界。どちらを消費者は選択するでしょうか?

 少なくともPC文化になれた私にとって、ブラウザや、自分の使うアプリケーションは自分の意志で自由に使いたいと思います。もし皆さんの家にソニー製ネットブックがあるのなら、そのネットブックはiPadと同じ重さで、iPadより多くの事が出来るでしょう。

■iPadを買う前に考えてみる事
 実物に触れる前に通販で買うのではなく、実際に自分で触って、持ち上げてから、購入を検討する事をお勧めします。
 そして、もし、皆さんが既にiPhoneを持っていて、ノートPCも持っているなら、もう一度「何に使うか」を検討した方が良いでしょう。

 私も実際に持ってみるまでは、どこでも鞄の中からさっと取り出せて、通勤電車の中で、電子書籍を読んだり、自宅で寝転がって仰向けになってインターネットをしたりするシーンを想像していました。
 しかし、この重さは「机の上や、フォトスタンドに置いて使う物」だと私は感じました。そうなると、使える場所は自ずと限定され、「ノートPC」があるなら用途が殆ど被ってしまうかもしれませんし、外出先ではiPhoneでも十分かもしれません。

■iPadに向くユーザ、不向きなユーザ
 私にとってのiPadはタブレットPCであり、私はPCの操作は詳しい方なので、PCには自由を求めます。私のようなイメージをPCやiPadに対して持っている方には、私と同じような感想をもつかもしれません。このような「PCにある程度詳しい人」はiPadを購入する前には、少し考えた方が良いかもしれません。

 反対に、最近のブラウザベースのオペレーションになれているライトなユーザ。
 (そもそも、これこそがiPadのターゲット層だと思いますが)
 自分でPCをガリガリ使いこなすよりは、ある程度洗練されたアプリケーションが準備されていれば、特に不満を感じずに利用しつづける事に抵抗の無いユーザ。
 PCに興味の無いユーザにとっては、ウェブブラウザなんてIEでもSafariでも何でも良いですよね。むしろ、今までPCを触った事が無かったような人達には、様々な情報に簡単にアクセスする手段として、大いに受け入れられるデバイスではないかと感じました。

PS3やXbox360がスペック競争を行っていたとき、スペック競争より、もっとゲームを身近なモノとして、今までゲームをしてなかったような人にも楽しんで貰いたいという発想でWiiが登場し、今でも大きな指示を得ている事は、皆さんの記憶の中にも新しいことでしょう。

iPadも、PCのようにハイスペックで複雑な知識が無くても、もっと誰でも「情報」に簡単にアクセス出来る、楽しめる、そんな「PCのようで、PCとは全く違うジャンル」を切り開こうとしているのかもしれません。

だから、私はこう思います。
 iPadに向かない人
 ・タブレットPCとしてiPadを買おうとするならちょっとまった方が良いのでは?

 iPadに向く人
 ・タブレットPCでは無くて「iPad」っていう、誰でもどこからでも「情報」に簡単にアクセス出来る、コンテンツを持ち運べる「PCのようで、PCとは全く違うジャンルの製品が欲しかったんだよ。

■Chrome OS搭載のタブレットPCに期待
 iPadが「PCだ」と思った瞬間に思った事は、ソニーやPanasonicがChrome OSを搭載して、薄くて、軽い、5万円前後のタブレットPCを登場したらどうなるだろう?という事でした。
薄くて、軽いハードを作るのは日本のメーカのお家芸なので、是非ともiPadブームに便乗して、世界を魅了するタブレットPCを創って欲しいと感じました。

■未来のiPadに期待する事
 ハードウェアは今でも洗練されていて、素晴らしいと思います。見たり、触ったりしてる分には誰でも欲しくなるでしょう。
 もし、これで「重さ」が今の半分になって、「置いて使う」事が前提では無くなった時に、iPadはタブレットPCでは無くて「iPad」という独自のジャンルを開拓出来るのではないでしょうか?

 iPodが誕生して、iPod nanoが登場した時の驚きを、きっと近いうちにジョブスは見せてくれるんじゃないか?そんな期待が膨らんだ、iPad First Impressionでした。

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