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ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。

デザインで新聞の購読数を100%回復させた男 ジャチェック・ウツコ

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2009年の日本の広告費は5兆9222億円で前年より11.5%減り、調査を始めた1947年以降で最大の減少率となった。こちらネット広告、新聞抜き2位に 総広告費は最大の減少率の記事にもあるように、新聞の落ち込みが激しく、米国では電子書籍KindleやiPadの登場によって、新聞崩壊が近いとも噂される昨今。

そんな中、「新聞は救えるのか?」という疑問に対して「デザインが新聞を救う」と主張し、見事購読数を100%増加させた人が居ます。ポーランドのデザイナー ジャチェック・ウツコです。

今回はこのジャチェック・ウツコが自分が所属する新聞を見事復活させた時のプレゼンを紹介したいと思います。
オリジナルの動画はこちらをご参照下さい。

--------引用開始-------
新聞を救うすべき手段はあるか?様々な意見があるでしょう。
ある人は言います。「無料であるべきだ」と。そして、様々な意見があるでしょう。
 - タブロイド版かもっと小さいA4サイズがいい
 - コミュニティ毎に発行する地方紙がよい
 - 小さなビジネスなどニッチを狙うべき
 - 新聞は意見主体であるべきだ
 - ニュースは少なく、見解を多く
 - 出来れば朝食の時に読みたい

それぞれに良い所はあるでしょう。しかし、このどれも時間稼ぎに過ぎません。長い目で見たときに、「今の新聞」である限り、生き残る意味は無いと思うからです。

そこで、私達に一体何が出来るでしょう?

私は新聞のアートディレクターです。
ある日、祖母にこう聞かれました。
 「お前は何で生計を立ててるんだい?」
 「新聞のデザインだよ」
 「新聞なんてデザインするものなんて無いじゃない、あるのはつまらない活字だけ」
 私は笑うしか無かった。彼女は正しかった。私は常にフラストレーションを貯めていました。

そんな時、私はシルクドソレイユのパフォーマンスに出会いました。そのショーを見た時、私はかつてない衝撃を受けました。「こいつらは、サーカスみたいなくだらない"見世物"を"最高のパフォーマンスアート"に仕立て上げた」と。

そこで、私は思いました。「つまらない活字だけの新聞でも同じ事が出来るかもしれない!」

そして、私はすぐさま実行にとりかかりました。一つ一つデザインし直したのです。そうあのつまらない活字だけらけの新聞をアートにするために。

私たちは一面を特徴づけるようにしました。チームワークや共同作業なんて言うつもりはありません。私の考えは利己的でした。私はアーティストとして主張したかった。
そう、私が作りたかったのは新聞ではなく、ポスターでした。

雑誌でも無い、写真でも無い、ポスターです。私は字や写真にもとても気を配りました。
そして、それらはすぐに結果をもたらしました。ポーランドでは私達の作品は「Cover of The Year」に3年連続選ばれました。

でも、私達の本当の秘密は新聞全体を作品として扱っていた事。そう、ポスターは一面だけでは無かったのです。新聞全体をまるで楽曲のようにデザインした。

音楽にはリズムがあります。そして、紙面にもリズムがあるのです。デザイナーはデザインで、これを読書に体感させる責任があるのです。読書はページをめくりながら、様々なリズムを感じる。私はその体験に責任を持っているんです。
Rizm

我々は見開き2ページを1つのページとして捉えました。何故なら読書はそう感じるからです。
Page1
そして、私達の新聞はニュースデザイン協会から「世界一素晴らしいデザインの新聞」と謳われるようになりました。

その後、新聞の発行部数はどんどん増えました。
 - ロシアでは一年後に11%増、更に三年後には29%増
 - ポーランドも同様、最初の一年で13%、三年後には35%増
 - 最も凄かったのはブルガリアで100%増加した。
Graf
   
何年も停滞を続けた新聞は、デザインを変更した後で発行部数はグングン上昇するようになりました。

しかし、紙面のデザインだけがこれを成し遂げたのではありません。紙面のデザインはプロセスの一環に過ぎません。我々のデザインは、外見を変えるだけでなく、新聞という商品そのものを改良する事でした。私は建築における機能と形式の鉄則を新聞の内容とデザインに応用しました。更にその上に戦略を載せました。

そして私は気づきました。デザイナーは新たな役割としてプロセスの最初から最後までに関わらなければならないんだと。

これらから得た私の一つ目の教訓は、
 デザインとは商品を変えるだけでなく
  ワークフローも変えられる
  会社の全てを変えるられる
  会社をひっくり返す事が出来る
  あなた自身も変えてしまえる
 
 誰のせいかって?そう、「デザイナー」です。

 だから、もっとデザイナーに権限を与えて下さい。

でも、二つ目の教訓はもっと重要です。
私のように貧しい国に住み、小さな会社のつまらない部署で働きながら、予算も何も無い所でも、それでも「自分の仕事を最高レベル」に持って行くことが出来ます。

誰でも出来るんです。必要なのは、閃きと、ビジョンと、決断力だけです。
そして、「ただ良い」だけでは足りないと覚えておくことだけです。

ありがとうございました。

■所感
私はデザイナーでは、ありますせんが、最後の部分にとても感動しました。
サラリーマンとして働いていると、どうしても会社や部署が悪いであったり、予算が無いから…とつい口に出してしまう事はきっと、誰にでもある事なんじゃないかと思います。

しかし、常に自分自身が「閃きと、ビジョンと、正しい決断力を持っている事」これは誰のせいでも無く、自分自身の事だという事。「ただ良い」だけでは自己満足。何かをするためには、戦略があり、誰のために、何のためにするかが企業の方向性と一致していなければならない。

これは、デザイナーでなくても、SEにも当てはまる事では無いかと、どんなに酷い環境であったとしても、自分の仕事に誇りを持ち続ける事は出来る。そして、そう思って働く事が大切なんだなと感じました。

成功する人はやっぱり違うんだなと、そんな風に感じたプレゼンでした。

■ジャチェック・ウツコ氏のデザインした紙面等
 http://www.utko.com
Redesign_03

Comment(2)

コメント

大元さん、はじめまして。
 
> 紙面のデザインはプロセスの一環に過ぎません
 
広告ディレクターをしていた頃、デザイナーの大貫卓也さんから教わったこと…デザイナーとは絵が上手い人じゃない。design=設計する、企画する、という意味を理解しないといけない…を思い出しました。
新聞は市民が日常的に手にする印刷メディアで最も面積が大きい。それだけにちゃんとデザインされてないと見にくくて仕方ない。私にとって新聞見開きの全30段は、憧れのスペースでしたが、最も難敵でもありました。

中村さん

コメント有難う御座います!
やっぱり出来る人というのは、同じように考えてるという事でしょうか。
「design=設計する、企画する」なる程という感じですね。
言われてみれば、新聞は面積も大きいですし、デザインの工夫の仕方は色々あるでしょうね。日本の新聞も、開く度にワクワクするようなデザインになって欲しいですね。
そう、例えば電車の中で読んでて「カッコいい」と思われるようなデザインなら、みんな買うかもしれませんよね。

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