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ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。

情報通信政策ウオッチ コンテンツ流通促進政策

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総務省さんでは、様々な情報通信政策を検討されています。検討されている政策は多岐に渡り、興味深い内容がたくさんあります。私が普段注目している政策を少しずつ紹介していきたいと思います。

今回は「コンテンツ流通促進政策」と呼ばれる政策について紹介致します。※この内容は総務省のコンテンツ流通促進の政策からの抜粋となります。こちらで使用した図は全てこちらの資料からの抜粋となります。

■政策検討の背景
 ・日本のブロードバンドの品質は世界1の水準にあり、次世代アプリケーションに求められる品質基準も大幅に超えています。
Infra
 
 国内の情報通信産業の内訳を見ると、コンテンツ・アプリケーションレイヤーが33兆円と最大規模です。
Ict

 今後このコンテンツ・アプリケーションを日本の高品質なブロードバンド環境を活かして、コンテンツのマルチユース環境の整備、海外進出を促進する事が経済発展へ繋がるとの考えの基、実現へ向けて、環境・技術の検討を行う必要があります。

 また、国内広告市場は2004年にラジオ、2006年に雑誌、2009年には遂に新聞の広告費がインターネットに抜かれました。情報メディア白書2010年によると、テレビが16000億円、ネットが7000億円とまだ倍のシェアを確保していますが、テレビが前年度17%ダウン、ネットは昨年度と同程度の規模を維持した事を考えれば、近い将来、テレビ広告もネットに抜かれるという事も有り得るかもしれません。
、英国では2009年、既にテレビ広告の売上をネット広告が抜いた事で世界の注目を集めました。

 低迷する広告市場を国内の高品質なブロードバンド環境を活かしたデジタルサイネージによる、新しい広告・コンテンツ市場が期待されている。※デジタルサイネージの市場規模は2015年に1兆円を突破すると予想されています。

 本政策はこういった背景を基に、「コンテンツ流通のあるべき姿」を検証、促進するものです。

■政策の実施の具体的な目的■
 1.コンテンツ制作力の強化
  - 番組制作者や放送事業者のコンテンツ制作力の再生・強化

 2.新たな流通経路の開拓
  - 収益性の高いビジネスモデルの在り方の検討
  - 新たな流通プラットフォームの普及・展開

 3.コンテンツ流通の円滑化
  - 著作権処理の効率化を目的とした体制整備の支援
  - 不正流通対策による流通促進

 4.海外展開
  - 放送コンテンツの海外展開
  - 日本のソフトパワー発信

■政策に期待される効果■
 ・IPTVを活用したコンテンツのマルチユースの促進する
  実現のための施策
  - 各IPTV事業者が独自に実施している、番組情報、再生時間、圧縮方式等を標準化し、コンテンツの2次利用を行い易くする。
  - IPTVによる地上波デジタル放送のIP同時再送信の実施。
    ※IDCの調べによると2012年に国内IPTVユーザ数は313万人売上は1085億円に到達すると予想。
      なお、2009年時点での全世界のIPTVユーザは2400万人。

 ・日本の各地域で制作されたコンテンツの海外進出を促進する
  実現のための施策
  - 地域の観光資源などの魅力を紹介するコンテンツを作成する。
  - 各地域の魅力を世界に発信する事で、観光客誘致・地域の名物販売に繋げる。

 ・放送コンテンツの権利処理一元化
  実現のための施策
  - 権利処理の受付窓口を一元化し、二次利用者の権利処理をシンプルにする。
  - 不明権利者窓口の一元化し、インターネット等による放送コンテンツの二次利用促進を図る。

 ・コンテンツ不正流通を監視し、権利者の利益を守る
  実現のための施策
  - P2Pソフト、動画投稿サイト等で不正流通する放送コンテンツを抑止するシステムを検討する
  - 放送・通信・権利者団体からなる不正流通共同監視体制を検証する。

■キーとなるICT要素技術■
 ・IPTV関連技術
 ・デジタルサイネージ
 ・P2P不正ソフト監視技術

■注目すべき施策
 私の私見ですが、「放送コンテンツの権利処理一元化」と「コンテンツ不正流通の監視」の二つの検討課題については、注目していきたいと考えています。IPTVのプラットフォームを実現する技術は既に存在しますが、肝心のコンテンツが充実していません。現行の放送法に従って過去の人気番組を放送しようとすると、音楽、映像といった、複数の権利団体に許可を取る必要があったり、連絡の取れない一般出演者からネット上での放送の許可を取る必要があったりとかなりの制約がある事が問題視されています。放送コンテンツの権利処理がシンプルになれば、こういった問題が改善され、IPTVのコンテンツが充実すると考えられます。
 コンテンツ不正流通については、ダウンロード違法化が2010年1月1日から制定されましたが、この法律だけでは、実効性が薄いと言われていました。不正ファイルであると判断するのが難しい等の理由があるのですが、「コンテンツ不正流通の監視」が上手く機能するようになれば、ダウンロード違法化の実効性が増すと予想されるからです。

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