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ソフトバンクグループ2010年4月からIPv6サービス無料提供

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ソフトバンクさんが、IPv6サービス提供の開始をアナウンスされました。IPv6に携わっている方々には結構話題になっていますね。

詳細が気になる方はこちらの記事を参照下さい。
http://www.softbankbb.co.jp/ja/news/press/2010/20100223_01/index.html
なお、BBIXさんの6rdはZebOS® Rapid Deploymentを利用している模様。
詳細はこちらのプレスリリースをご参照下さい。
http://jp.access-company.com/news/press/2010/100223.html

 以下要点を記載
  2010年4月 SBB系ISPに6rdによるIPv6接続を開始
   対象ISP:Yahoo!BB 光withフレッツ、Yahoo!BB 光フレッツ
    ※IPv6利用による追加料金は不要
  2010年度中にSBB以外のISPを6rd接続提供予定
    ※下図の赤破線部分
  2011年度中にIPv6ネイティブ接続(案4)提供

上記の記事の内容を基に私の方で具体的にはどのような構成になるのかを記載したのがこちらの図になります。
Bbix

■今囘のポイント■
この記事の内容から読み取れる限りでは、IPv6の接続を希望するISPはIPv6インターネット接続用のルータとBBIXの6rd BRを接続する事と、家庭用HGW又はBRに6rd 対応用のファームウェアにアップグレードする事でIPv6接続環境をエンドユーザに提供する事が可能です。
HGWの改修は手間がかかりますが、新規に契約するユーザから順次対応していくというプランも考えられます。
 ※従来の既にIPv4を利用しているユーザは基本的にはIPv4アドレス枯渇の影響は受けません。
   但し、IPv6オンリーのサイト等が登場してきた場合には、IPv6接続手段を確保する必要性が出てくるでしょう。

これにより、アクセス回線と呼ばれる部分については、従来のIPv4をそのまま利用する事によって、あまり手間とお金を掛けずにIPv6をエンドユーザに提供する事が可能になるという点です。※上手の緑部分のみISPは準備すれば良い。

そして、最も重要なポイントは「IPv6アドレスが無料で提供される」事ですこちらのセミナーで私も以前皆さんの前でお話した事がありましたが、IPv6の普及が進むためには、IPv6が有料か無料かというのがとても重要なポイントだと考えていました。

エンドユーザ視点で考えれば現状はまだIPv6を利用する理由に乏しく、IPv6が有料であればわざわざ利用したいと考えるユーザは少ないと考えられ、円滑なIPv4枯渇対策へと繋がりません。しかし、今囘のSBBグループの決断は今後の他ISPの動向にも大きく影響を与えるのではないかと予想されます。

もし、他のISPもSBBグループに追随する形でIPv6を無料で提供しだしたとすると、現在の主要なOSは既にIPv6対応がなされているケースが殆であるため、特にWindows Vista以降のPCを利用されている家庭からは一気にIPv6トラフィックが発生してくると想定されます。
何故なら、エンドユーザはIPv4かIPv6かを意識する事は通常ありません。しかし、クライアントOSの大半はIPv4とIPv6が両方有効である場合には、IPv6による接続を試みるからです。

このような状況に備えて、機会損失を発生させないためにも、ECサイト等はIPv6トラフィックに対するアクセス手段の提供を検討する必要があると考えられます。

参考情報:アクセス回線シェア(出典:総務省公表資料を基に作成)

Access_2

■6rdとは?■
6rdについてなじみの無い方に簡単に特徴と、重要な用語を記載しておきます。
詳細についてご興味のある方はこちらをご参照下さい。
http://tools.ietf.org/html/draft-ietf-softwire-ipv6-6rd-04

 ・特徴
  基本的な発想は6to4がベースになっています。しかし、6to4の利用には以下の三つの課題が存在します。
   - Prefixが2002に固定されてしまう
   - 経由する6to4リレールータを制御出来ない
   - IPv4プライベートアドレスが利用出来ない
  6rfはこれらの課題点を解決しつつ、6to4の手軽さでIPv6環境を構築出来る優れた技術です。

■6rd用語■
6rd Delegated Prefix
 6rd PrefixとCE IPv4アドレスを結合することによって作成されるアドレス。

6rd domain
 6rd BRと6rd CEの間で同じ6rd Virtual linkを利用する。
サービスプロパイダーはシングルドメインでも、複数ドメインでも構成可能です。
 複数のドメインを利用する場合には、それぞれのドメイン用の6rd Prefixが必要になる。

6rd SP Prefix
 サービスプロパイダーが6rd Domainで利用するIPv6 Prefix。基本的にサービスプロパイダによって決定される。
 6rd domainに付き一つ必要。

6rd Customer Edge
 6rd機能を保持しているカスタマーサイド装置。通常はHGW、ブロードバンドルータ等が該当する。
 ※HGWの機種等によってはファームウェアのアップデートで6rd CEとする事も可能。

6rd CE LAN side
 6rd CEのLAN側ネットワーク。IPv6を有効にする事が可能です。

6rd CE WAN side
 6rd CEのWAN側ネットワーク。IPv4です。
 ※IPv6である必要は無く、IPv4のみサポートされています。

6rd BR
 サービスプロパイダーに設置する6rd Boarder Relay。
 6rd BRは以下のインターフェースを必要とします。
  IPv4 Interface (IPv4 Native Network用)
  IPv6 Interface (IPv6 Native Network用)
  6rd Virtual Interface (6rd IPv6 in IPv4 tunnel用)

BR IPv4アドレス
 6rd domain内で利用する6rd BR用のIPv4アドレス。
 6rd CEが他の6rd domainへパケットを転送する時に
 このアドレスに向けてパケットを送信します。

6rd Virtual Interface
 6rdのencapsulation/decapsulationを行うために必要な内部的なマルチポイントトンネルインターフェースです。
 6rd CEと6rd BRには必ず一つの6rd VIが必要です。もし、6rd BRが複数の6rd Domainに接続する場合には各6rd Domainに対して一つずつ必要です。
 

CE IPv4アドレス
 6rd CEがIPv4インターネットとの通信に利用するIPv4アドレスです。
 このアドレスはIPv4プライベートでもグローバルIPでも利用可能です。
 このアドレスは、IPv4-Encapsulated IPv6 Packetsを送受信するだけでなく、
 6rd Delegated Prefixを作成するために、6rd CEにより用いられます。

■参考書籍■
宣伝で恐縮ですが、こちらの書籍もご一読頂ければ幸いです。
 IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入
 日経ネットワーク様書評

  IPv4枯渇対策とIPv6移行が話題になっているが、「対策したくても何から手をつけるべきかわからない」「そもそも本当に自社で対策が必要なのか判断できない」──といったユーザーも多いのではないだろうか。本書はこうした基礎知識を必要とする企業のエンジニアに向けた、IPv4枯渇対策とIPv6移行の解説書である。

 ポイントは後半の第5章にある「IPv4枯渇対策計画」だろう。システムインテグレーションやエンジニア教育を手掛けてきた筆者のノウハウを生かし、「システムで検討すべきポイント」や「移行計画の立て方」について具体的に解説している。実践的な視点でIPv4枯渇対策とIPv6移行を語っている書籍は貴重だ。現場の担当者が、IPv6移行を実行するために上司を説得する際などにも役立ちそうだ。

 前半ではIPv4枯渇対策やIPv6技術の基本についてもまとめている。ただし、この分野は変化が激しい。本書の発行日は2009年12月だが、執筆期間中に内容に変更が加わった技術や注目を浴びた技術もある。より詳細な情報が必要な場合は、本書を足がかりに別の書籍や雑誌、技術仕様の原文に当たるとよいだろう。

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