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ソーシャルブックマークと「1ゲット」の心理

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今回は「1ゲット」したくなる心理についての話なのですが、某巨大掲示板で「1ゲトズザー!()」とやる方ではなくて、ソーシャルブックマークに関する話です。

いつも読んでいるブログのブロガーさんが、以前こんなことを書かれていました(うろ覚えなので、一字一句正しいわけではありません):

最近は「ブックマーク数1」のブックマークをする(すなわち自分が最初の登録者になる)と嬉しい。

この心境、よく分かります。他の方々がどれだけ同じ気持ちになるか分かりませんが、僕も「はてなブックマーク」で「1 user」という表示が並ぶと(すなわち自分しか登録していない記事が多くなると)なんとなく嬉しくなります。これはいったいどういう心理なのでしょうか?

インターネットの中で情報を探すという行為を化石発掘にたとえると、「最初にブックマークを登録したい」という気持ちは、「珍しい化石の最初の発見者になりたい」という学者のような心境に近いのではないでしょうか。これまでは発掘した化石(情報)がアンモナイトのようなありきたりの(他にも発見者が大勢いる)化石かどうか、正確に把握することはできませんでした。しかしソーシャルブックマークがあれば、その情報がどれくらいメジャーなのかを瞬時に判断できます。従って「まだ誰にも発見されていないのだ」という感覚が味わえるようになるわけです。

その感覚を喜びと捉えるかどうかは個人差があるでしょうが、第1発見者となることに生きがいを感じる人が存在するのだと思います。もちろんそんな「学者タイプ」と、話題を呼んでいるテーマに参加したいという「ヤジ馬タイプ」、どちらが良いかということではありません。時と場合によって、学者とヤジ馬を使い分ける場合もあるでしょう。ソーシャルブックマーカー(?)の行動パターンとして、まだ見つけていない情報を追求する形と他人が関心を寄せている情報を追求する形、2パターンが存在していると思います(それ以上にパターン分けできる可能性大ですが)。

ここまでは全て仮説に過ぎないのですが、調子に乗ってさらに仮説を進めると、「学者タイプ」と「ヤジ馬タイプ」の両者が適当な比率で存在していることが、ソーシャルブックマークサービスの成立に欠かせないのではないかと思います。「はてブ」のような巨大化してしまったサービスでは検証は難しいですが、最近注目を集めつつある「社内ソーシャルブックマーク」などでは、こうしたブックマーカーの行動パターンに着目して運営を行うことが必要なのではないでしょうか。

以上、「1ゲットの心理」から思いついたことをつらつら書いてみましたが、ソーシャルブックマークに限らず「ソーシャル○○」系のサービスに関する心理学を研究してみるのは面白そうですね。今後さまざまな分野において、研究が進められるのではないかと思います。

1ゲトズザー
BBSなどで、スレッドへの最初のコメント(すなわち「No.1」として表示されるコメント)を書き込むことです。念のため。「ズザー」という擬音で滑り込んでいるさまを表しているわけですね。

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