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今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

絶対に結果を出すという「覚悟」と「行動」- ④

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人間の心理や習性の面から、Action実行可能な環境の整備 > 人的ミス削減

人間だからこそ犯す人的ミス。これは中々厄介な問題である。経験や意識などでカバーできるとは思うのだが、ミスは許されないという中でいかにしてこれを減らすかもやはり組織の責任者の役目である。うっかり忘れてしまう、ついつい注意力が散漫になる、同時に複数作業をこなすのが困難だ・・・などは、ある種やむを得ない場合があるのだろうが、これを許していては結果を出すことはできない。例え人間だからミスがあるとしても、結果は結果であり言い訳はいえない訳だから。

そういう意味で、「人間工学」(Human Factors)はビジネスマネジメントにおいて有効なアプローチだと考えている。人間工学は人間が関わる全てのものに影響を与える工学である。人間の身体的な影響だけではなく、心理学的な影響も範囲として考えられる。例えば、医療事故の一つである違う種類の薬品を誤って投与してしまうケース。医療現場では夜勤で働いている人たちには、医者不足と言われる昨今の情勢もあって心身共に過酷な労働環境になり注意力が低下するなどが原因と言われる。人間工学では、薬の種類ごとに色分けする、大きな印をつけるなど、注意力が低下している時でも間違わないような対策が採られるようになってきている。事故一つが、道具や環境が大きく原因に寄与しているのか、それとも人間の認識・認知の問題なのかを分析し、対策を講じるのも人間工学の目的である。

これと同じことがビジネスマネジメントにおいても、有効かつ重要だと私は思う。例えば、どうすればチームメンバーは一度言ったことを忘れさせずに覚えてくれるか?どうやったら短時間で効果的に業務ができるか?どうやったらケアレスミスがなくなるか?・・・など、人間が犯しやすいミスを防ぐ為に、マネージャーは何をするべきかを考える。この問いに答えを出し続けるように努力をすることが、組織の責任者としてある為の努力とも言える。従い、パワーポイント資料でのフォント色、文字の大きさへのこだわり、各種入力ツールの取扱説明書力作成、トークスクリプトのフレーズ、イベントでのスライドや進行手順・・・なども、いかに人間の心や習慣の特徴に則って記憶に強く残りやすいかを考えて環境を作りたいと考えるのだ。

営業組織で何か新しいアクションをスタートする時には、メールなどで一方的に説明するのではなく意識を促し且つ脳への理解を上げる為に、こちらからメンバーに質問をして実際に何をするのか具体的に答えさせて(Output)理解定着を促す、実際のアクションプロセスを書かせてプリントアウトしてしばらくは目に入るように貼っておく、ワークショップなどを行い実際に行ったアクションについてのフィードバックをしてもらう、マネージャー自ら一緒にやってみせる、アクションの経過と結果についての確認を定期的に行い情報配信をする、データを分かりやすいグラフに変えて見せて説明する・・・など色々と考えられると思う。要は徹底的に体に覚えさせるつもりで理解をサポートすることが、実行可能な環境の整備なのである。

消去方法で成功確率を上げる

結果を出す為には人間の特長を抑えて工夫をしていくことが必要であるが、最終的には組織とは”目的を達成”=”結果を出す”ことができなければダメなのだ。ミスはいかなる事情があったとしても許されない。失敗をしたらそれはどんな理由だろうとも全て組織の責任者が文字通り責任を取らなくてはいけない。責任の取り方は多種多様だが、会社組織では評価が下がったり、給料が下がったり、場合によっては部署・配置換え、解雇なども当然あり得る。いざ、失敗をしてから後悔しても遅いし、責任ある立場になって急に出来るようにはならないので、普段より訓練をしておくべきである。

成功するチャンスがなければ成功はあり得ない。同じように失敗をするチャンスも無ければ失敗はあり得ない。つまり、何事においても失敗や悪いことを防ぐには、そもそもその原因となっている部分を削除・消去して発生の可能性自体をゼロにするという考え方もある。メンバーのミスをなくす為には、ミスが起きそうなところを人間が操作するのではなく自動的にできる方法を探すなどを考えると良い。例えば、暴走族などを取材するようなニュースやドキュメンタリー番組が日本では恒例としてよくある。取材で取り上げる目的は、実態を知らせるというジャーナリズムと社会によって抑制させる目的で社会的認知度を上げる、取り締まる警察の努力を示すと言ったところだろうが、そもそもテレビなどで全国放送されるというチャンスがあるから彼らは更にエスカレートして目立とうとするのではないかと思う。文句が多い人も誰も聞いてくれる人がいないと恐らくはなくなるか大分少なくなるはずだ。同じように考えて、ミス発生が多い業務内容はまずその業務自体をなくしても問題ないかを検討した方が良い。中途半端に悪い影響を与えるだけのアクションなら思い切って止めた方が良い。上司に言われたからとか、以前からやっていたからとか、そういう非本質的な理解に囚われるのは止めるべきだ。中途半端なものは排除して、やるからにはその結果が意味を持たなくてはいけない。逆に意味が希薄なら中途半端にしておく方が組織全員の気持ちとしてはネガティブである。

最終的には、何をやるにも結果を出すという強い責任感と覚悟なくしては何もアイディアは浮かんでこないし、誰もメンバーは信頼してくれないし指示に従ってはくれない。もちろん、その人自身の普段からの自己努力としてのセルフプロモーションも大事だろう。やれることは妥協無く全部やってとにかく何があっても”結果を出す”これに尽きる。とにかく、”結果”なのだ。

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