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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

本当に起こっていることをしっかりと知ること・・・。

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 米国株高や円売り強調介入が決定されたことが好感されて大幅高となりました。大きく円安に振れるというよりは円高が止まったという感じですが、原子力発電所の問題が悪化することもなかったことで買い優勢となりました。3連休を控えた週末ということでしたが、外国人が連日の大幅買い越しと伝えられたことも買戻しを急ぐ動きにつながり、指数を押し上げたものと思います。

 為替の協調介入が決定され、実際に介入もあったことで、円安となりましたが、あくまでも「昨日に比べて円安」という水準であり、1週間前と比べるとまだ円高という水準です。本来であれば、未曾有の大地震の影響、強烈な金融緩和の効果を考えるともっと円安となっても良いところです。しかも、今回のG7電話会合がフランスあたりから話が出てきたことを考えると非常に穿った見方ではありますが、一概に「協調介入をまとめた」と政治家が成果を強調するのはどうかと思います。

 どこまで円安に持っていくのかはわかりませんが、逆に考えれば、海外資産売却からの資金引き上げでの円高はないと言っているのですが、これからはそういった円買いが入るから、介入をすると言う意味にもとれます。原子力発電問題から自国民を引き上げさせているなかでの協調介入ということは自国の円資産を売るため、という見方も出来そうですし、外国人買いが大量に見られるなかでの介入というのも出来すぎているような気がします。また、欧州でインフレ懸念が強まるなかではいつまでもユーロ安政策をとるわけにもいかないと言うこともあるのでしょう。

 外国人の大量買いもこれまで空売りをしていた日本株を期末要因で買い戻すと言う動きなのでしょうし、「円キャリー取引」の解消(巻き戻し)をするために円買いを進める必要があるために円売り介入をすると言う意味にもとれます。期末要因で日本の輸出企業の実需の円転も多いのでしょうし、大震災での損失の穴埋めで海外の資金を充てるという可能性もありそうです。やはり、協調介入をする目的は円安にする、ということではなく、円買い要因があまりに多く、このままほっておくとどこまでも円高になってしまうから、と言うことなのではないかと思います。

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