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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

買いが入っていると喜んで良いの?

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 米国株安や円高、原発問題の深刻化から売り先行となりました。円が戦後最高値となったわりには下げ渋る場面もありましたが、外国人の円キャリー取引解消に伴う買戻しが多かったのだと思われます。3月期末の買戻しのタイミングを計っているなかでの急激な円高、株安とあって、絶好の買戻しのタイミングと見た可能性もありそうです。目先筋の買いも見られましたが、さすがに先行きに対して不安が強いなかでは腰の据わった買いは見られないようです。

 今週になって売買高が大きく膨らんでいます。もともと期末ということで持高調整の売り買いが多くなるところですが、それに加えて大地震や原発のトラブルなどから円キャリー取引解消(巻き戻し)の動きも多くなったのだと思います。また、「アルゴリズム取引」と言われるような高速売買、システム売買も嵩んだものと思われ、値動きの方向性が見られ、変動率が大きくなるとそういった取引もますます多くなって来るのだと思います。

 本日の相場でも、同じ業種の中でも買われる銘柄と売られる銘柄が見られ、円高にも関わらずハイテク銘柄に堅調なものが見られるなどちぐはぐな動きが見られ、相変わらず目先の需給要因で動く売買が多いことを物語っていました。昨日までストップ安となっていた電力株も制限値幅が広がったことで、予想される変動率に制限値幅がついていけるということになり、自動的に売り買いをするような売買が嵩んだものと思います。

 外部要因に関係して動いているようで、実は外部要因はきっかけに過ぎず、そのきっかけで方向感が決まるとそうした動きに合わせて売買をする、と言うような動きが多いのだと思います。順張りや逆張りを使い分け、変動率の予測などもしているのかもしれません。基本的には日欧米の金融緩和効果がこれだけ取引手法もデリバティブも充実しているなかで、上がるときも下がるときも大きな変動をもたらせていると言うことなのでしょう。

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