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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

にわたま 2015

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なんだかわけのわからないタイトルですが。このオルタナブログを始めたころに書いた、私の最初のヒットブログです。そのブログはALL ABOUTの記事として焼直されたりと、何回かリライトされたものです。そして、今回は何度目かのリライトになります。

では、「にわたま 2015」いってみます!

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この投稿は立ち上げ屋さんを志す人へのメッセージです。興味がある人は1意見としてご参考ください。

 事業運営や推進会議には必ず「鶏か先か、卵が先か(以下:にわたま)」的な話が出ます。「もし、事例があったら、もっと売れるのに。でも売れてい ないから事例が出来ないんだよね。」とまぁ、そんな感じです。そんなときに、「ホント、鶏か先か、卵が先かだよなぁ」などという発言が出ることもままあり ます。立ち上げ屋さんの仕事は白紙で更地な場所から始める仕事が多いので、最初はいつもこんな「にわたま」な議論から始まることが多いです。

 日本のIT業界のベンチャー企業が成功する確率は「千三つ」と言われることもあります。成功するのは3%くらいということだとおもいますが、ほと んどの会社が立ち上がらずに10年もたずに飛ばないままの中小企業でとどまったり、場合によってはクローズしてしまいます。企業の生存率は10年で6%という話もあります。実際に調べていないのでわかりませんが、ほとんどの 「成功しない理由」が、この「にわたま」な状況から脱せていないことのように思えてなりません。(間違ってるようでしたら、是非コメントでご指摘くださ い)

今日は立ち上げ屋さんとして一番期待される部分である「にわたま」からの脱出」について書いてみようと思います。

まず、「にわたま」な状態を解説します。

「にわたま」な状態とは、経営者や現場キーマンが製品が売れないことと、売れない理由しか理解していないので、その議論ばっかりが進み、明快なプラ ンが出てこないまま会議に疲れて、仕事をした気分になったり、問題が先送りになったり、時間ばかりがたってしまう状態のことを意味しています。経営的に時間だけがたつことは、給与を社員に支払っている以上、資産の流出であり、これが続けば倒産の危機もまねくこともある由々しき状態であると思っています。

 立ち上げ屋さんとして食べていくためには、こういう「にわたま」な時に事業を脱出させる能力が無くてはならないと考えています。それが出来ない様 であれば、立ち上げ屋さんなんて必要ないですし、それが出来るから立ち上げ屋さんは時に、救世主のように社員・市場に歓迎されることもあります。(失敗す ればけちょんけちょんですがw)

 雇われ立ち上げ屋さんとしては、お客様の人生がかかっているときもあるので、絶対に失敗できず、必ず立ち上げられなければなりません。よって、立ち上げ屋さんはいろいろなことをやります。

ではどうやれば「にわたま」な状態から脱出できるのかを自分なりに書いてみます。

いきなりですが、これは文章で説明するのが実は結構難しいです。何故なら、その解法は本質的にはシンプルではありますが、方法としては複雑だからで です。そもそも立ち上げ屋さんが契約をする相手というのは、その市場で仕事をしている現場作業のプロであり、それなりの知識と経験があります。そういう現 場作業のプロが見つけられない解法なので、解法自体は非常に複雑になっていることが多いようです。

では、その解法とは?

解法は将棋の戦略のようなものであると考えています。将棋は最初の一手で勝負に勝利することは絶対にありません。何手も打ちながら戦場形成を変化させ、局面を変え続け、勝利の打ち筋を確立すると思います。解法におけるミソはまさにこの「何手も打ちながら戦場形成を変化させ、局面を変え続け」の部分で あると信じています。将棋では、王手に行くまでに「王手ではない手」を何手も打ちますよね。それは全て局面を有利にするための一手だと思います。「にわた まの解法」もまさに、この部分が一番肝心であると信じています。

事業が成功するためにの重要なプランがあれば、そのプランが有効に実行できるための小さなプラン(将棋で言うところの局面を有利にするための一手) を同時に創造できることが「にわたまな状態」から脱出するためには非常に大事であると思います。一般的に「にわたまな状態」陥りがちなのは、「事業が成功 するためにの重要なプラン」があっても、市場の状況にマッチしていないので、成功しにくく見えてしまい、議論と事業運営が堂々巡りになってしまうからであ るようです。その際に、「事業が成功するためにの重要なプラン」が有効に働くための「お膳立てプラン」のような小プランもできていれば、事業は「にわた ま」から脱出できる案を実行できるようになると思います。

しかし・・。その「お膳立てプラン」が1段階ですめば、かなりシンプルなのですが、実際にはもっと複雑で、本プランを実行するまでの「お膳立てプラ ン」が3段階くらいあることもあるようです。更にその本プランも何個もあるのが普通なので、シナリオ自体は非常に複雑であり、5手も10手も先を読んだシナリオであり、そしてそれは柔軟さを欠いてはいけないようなシナリオつくりが必要となります。仕事として請け負えば、当然そのシナリオの明文化が必要です。しっかり作れば、その長さは相当な長文になるのは間違いありません。以前、某一部上場企業に新事業の立ち上げのシナリオを書いた時は企画書の枚数が販 売戦略だけで100ページ近くになったこともあります。市場がこうなったら、こういうプランを開始し、中間結果Aのときはプランを維持、中間結果Bの時は さらにプランを追加する・・といったシナリオでした。私はこういうのが苦にならないタイプなので、楽しかったですが、当時は結構時間がかかり大変でした。

話しが脱線したので、「にわたまからの解法」に戻します。今回は簡単にしか説明できませんでしたが、、「にわたまの解法」のイメージはできましたでしょうか?
一言で言えば、「事業効果が高い本プランを実行するための戦略局面を有利にするプランこそが解法」であると信じています。

今日は「にわたまからの解法」の話をしましたが、実はもう一つ肝心なことがあると思っています。それは「圧倒的な実行力」です。常に変化をしている 実際の市場で、自分に有利な局面を作り上げるためには、複数の顧客、複数のパートナーに対して同時に手を打つ必要がある場合があります。一手一手打ってい れば、打っているそばから市場は違う形に変わってしまうので、同時に何手も打つことが出来る「圧倒的な実行力」が有効な局面は多いと思います。と言って も、言うはやすし、行うは難しですね。私も精進しますw

もう一つ付け加えれば、立ち上げ屋さんは常に将来を読み続け、パターンを分析し、自分の頭の中をビッグデータ解析のように、過去の経験から、適切な案をズバッとださなければいけません。これこそが本当の立ち上げ屋さんのこあっコンピタンスであり、経験を積めば積むほど大きな差別化ができます。ちなみに、多くの状態では、判断をする十分な条件が整っていないことが多いです。その判断を十分にするための情報を集める時間も予算もないことが多いのです。すでにスタートしている事業の中で、立ち上げ屋さんは適切な判断をアドバイスし、プロフェッショナルなお客様と議論して、実行、修正して、さらに実行という感じであっという間に時間が流れていきます。まるで戦場のようです。このいつも忙しくて常に寝不足が続くような仕事ではありますが、寝不足が続いても楽しくできるのがこの仕事の良いところです。もちろん、常に晴れの日ばかりではありません。雨の日もありますが、充実した仕事だからこそ面白いです。書いているだけでワクワクしてきます。

もし立ち上げ屋さんを志している人がいれば、このオルタナブログには多くの優秀な立ち上げ屋さんがいますので、私のブログも含めていろいろ観察して盗んでいくとよいですよ。

ちなみにこんな文章を書く、私はどんな生活をしているかと言うと、、、以下のFacebookアカウントを見てください。盗めるものはジャンジャン盗んでいってください。それにより業界が発展すればよいと思っています。

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