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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

ベンチャー企業が成功する秘訣 ~愛すべきベンチャー号~

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最近、ベンチャービジネスは、船の競争のようだと思っています。

しかし、一般的な船の競争とは違い、既に先行している大型船もいれば高速巡洋艦のような船もいます。もちろん、ベンチャーのような小型船も走っています。スタートタイミングが自由な競争の中で、出航する「愛すべき小型船ベンチャー号」には、艦長とエンジンと整備士とそれぞれの夢と希望と志が乗っています。元気な船員が搭乗しているベンチャー号ですが、船体には無数の穴が開いています。しかも、それがけっこう大きな穴だったりします。ベンチャー号はこの穴があるが故、水に浮かべただけでは直ぐに沈没してしまうような”ちょっとキュート(笑)な小船”なのです。艦長はその事実がわかっているため、進水後、直ちにエンジン全開で航行を開始します。穴から水が流入してきますが、エンジンの推進力で浮力を得つつ、整備士が水を描き出し、穴を塞ぎつつ、何とか進み始めます。しかしながらこの航法ではいつまでも続きません、穴を埋めないと燃費が落ち、直ぐに燃料切れになってしまうからです。

エンジンは焼ききれるくらいに出力を上げ、
整備士は昼夜を問わず、艦体修理、整備、水の掻き出しを行い、
艦長は他の船や岩礁にぶつからないよう、航行に致命的なミスがないよう、指揮をとり続けます。

こうやってそれぞれの夢と希望と志を乗せたベンチャー号は走っていくのだと思います。

はたして、その行く手にあるのは天国か地獄か!? その結果は神のみぞ知る・・・・ではなく、実は出航当時から既に結果が出ているように思えます。

その成否の全ては人材の質とその組み合わせにかかっていると思います。もちろん、取り扱う商材によって多少の優劣はありますが、そもそも商材はその人材によって磨かれ成長するものですので、それほど気にすることではないと思っています。

それよりもなによりも人材が問題です。

艦長は人を動かすことができる人材であり、決してプレイヤーになってはいけないと信じています。たまに、「ベンチャーは大企業の一部門見たいなものであるし、人材不足なので、社長自ら仕事をしなくてはいけない」と言う方がいますが、私はそう思いません。船でいう艦長みずから仕事をしてしまえば、艦橋(司令塔)を艦長が空ける事になり、指揮系統が乱れるだけではなく、重大なミスに気づかないケースが出てきます。小さな小船ですので、このミスが致命傷になりかねないと思っています。また艦長自ら仕事をしなければいけないような組織は、そもそも艦長が船員を信用していないか、船出できるだけの人材がそろっていないことのような気がします。どちらの理由にせよ、成功を著しく阻む大きな要因になると思います。社長は資金繰りと人事を中心に仕事をするべきであると思います。

整備士は、そもそも船底で仕事をする為、なかなか艦橋(司令塔)から見て、仕事ぶりが見えにくい場所です。艦長が整備士に対して「航行速度が落ちているが、何が悪いかチェックして欲しい」と指示しても、整備士は自分の能力が低いことが露呈しないように虚偽の報告をしたり、調査中のまま保留となったりと、良い整備士がいないと、ベンチャー号はなかなか上手くいかない原因を突き止めることが出来ません。いくつかのベンチャー企業を見ても、この整備士に問題があることが多いです。

この問題となる整備士は、おおよそ古くからの重鎮や、業務上の要に存在していることが多く、また技能的にはそれなりに優秀で、一見してその整備士が問題でないように見えたり、問題に見えないようにプレゼンテーションされたりしています。そして、その整備士の仕事はその整備士しか出来ないと、周りが信じているケースが多いような気がします。(そもそもそういうキーマンに問題があるから会社が上手くいかないのであると思っています)

その場合は、どうすれば良いのでしょうか?

まずは、その整備士の仕事の流れを見て、流れが悪い仕事、判断の切れが悪い仕事を他の人間に移すことが非常に重要です。会社が上手くいかないケースとして一番多いのが、仕事の流れが悪くなり、業務が滞留することであると信じています。

(多少の精度が悪くても、仕事の流れがよければ、個々の社員が活きてくるので、仕事が流れる中で自然と品質が上がったりします。一方で仕事の精度をあげる為にウンウン唸って無駄に時間を費やしたり、些少な成果をあげるためにタイミングを計ったり、慎重に考えすぎて、時間を無駄使いするのは仕事の流れを悪くします。これは確実に経営を悪化させます。何故なら、年俸制であっても期間で社員に給与を支払いますが、収入は実績量で計られるからです。)

いくら信頼がおける整備士でも、個として優秀でも、上手くいかないようであれば、テコ入れをする必要があると言うことだと思います。

当たり前ですが、仕事の流れを良くして、チームワークで効率の良い仕事を行うことが、この小さなベンチャー号を軌道に乗せ、成功させる為の秘訣だと思います。

所詮、小船のベンチャー号です。機動性なくして成功は無しだと思っています。

なんだか、取り留めの無い話になってしまい、大変恐縮しております。
ブログ初挑戦でございますので、まずはスロースタートです。徐々にエンジンをふかしていきますので、今後とも宜しくお願いいたします!!

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