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IT技術者教育に携わって25年が経ちました。その間、変わったことも、変わらなかったこともあります。ここでは、IT業界の現状や昔話やこれから起きそうなこと、エンジニアの仕事や生活について、なるべく「私」の視点で紹介していきます。

そのスキルがなぜ仕事に活かせない?

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昔、「ロジカルシンキング」の研修を受けていたときに講師が言っていた。

私生活でできることが、なぜ仕事でできないのか

たとえば、会社で忘年会を企画したとする。案内メールには、会場の地図を添付する(当時、インターネットは一般的でなく、検索エンジンも地図サービスもなかった)。紛らわしい名前の店があれば「○○ではありませんのでご注意ください」と明記する。開催の数日前には確認メールを出すだろう。

いや、社内の飲み会にそこまでしないし、そもそも会社の忘年会は「私生活」じゃないだろうと内心思ったが、似たようなことは確かにある。プロジェクト管理の演習課題として「社員によるバーベキューパーティ」があるくらいだ。たとえば、同僚の鈴木和久が書いたブログ「[開発スキル再始動特集6] BBQ にてインシデント発生、その時チームは?」を読んで欲しい。おもしろおかしく書いてあるが、内容はまっとうなものである。

もっとも、ロジカルシンキングの講師もこんなことを言っていた。

お客様からは「(ロジカルシンキングの研修を提供する)御社のミーティングは、さぞ効率がいいだろう」と言われるんですが、案外そうでもないんです。
私はいつもこう言っています「うちは商品に手を付けないんです」。

仕事であっても、日常的な作業は私生活化するということだろうか。

そういえば、同僚は「人にものを教える」仕事をしていながら、奥さんからは「あんたの話は分からん」と、しばしば叱られるそうである。仕事では「正しく伝える」ことができていても、私生活ではなかなかできないものらしい。

前置きが長くなったが、今回紹介する電子書籍『イクメンから教育パパにキャリアアップする方法ー中学生のパパ編ー』では、子供の教育についての体験談が語られている。

科目別に実践的なノウハウが多く書かれているが、私が一番面白いと思ったのは「子供を塾に入れても、任せっきりではいけない」という下りである。

「大丈夫です。任せてください」そう言った新規の業者や経験の浅い若手に仕事を丸投げして痛い目にあったことはないだろうか。締め切り直前になって期待したものと全く違うものを作っていることに気付く。そんなことが無いように、他人に仕事を任せた場合はあなたも進め方や途中経過を確認しているはずだ。

として、塾の進め方が自分の子どもに合っているのか、そこでちゃんと勉強しているのか、成果が出そうなのかを途中でチェックすることを勧めている。

似たような話は別のところでも聞いたことがある。やはり、部下を育成するように子どもに接することで高い効果があったということだ。

子どもを育てるのも、部下を育てるのも、同じ人間だから同じ手法が使える。言われたらなるほどと思うのだが、なかなか気付かないらしい。仕事と私生活は別と考えるからだろうか。最近は「ワーク・ライフ・バランス」と言われるが、ワークとライフは対立しているわけではないわけで、効率を重視する時はワークの手法をライフにも応用したいものだ。

ところで、「おしごと」でできることが私生活でできないという例もある。たとえば、アイドルのファンについて、自称「地下アイドル」の姫乃たまはこう語る。

しかし、それを受けてファンは「この力は、私生活では発揮できないんですよ」と言ったらしい。

おっと、これは「お仕事」ではなく、ファンがタレントを推す「推しごと」だった。

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▲犬に指導する猫

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