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ソチオリンピックのネットワークトラフィックをavayaが公開している

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SocMedSochi

http://www2.avaya.com/ru/sochi2014/downloads/SocMedSochi.jpg

こちらはavayaが捌いたオリンピック1週間目のある4時間分のネットワークトラフィックに関するインフォグラフィックだそうです。もちろんキャリアやフリーWiFiが載せる観客側のトラフィックではなくて、選手、関係者、ジャーナリストだけのトラフィックであることが注記されています。

(画像にはtotal network traffic in a 4 hour period during the first week of competition from the Olympic Family network ( athletes, officials and journalists), supplied by Avaya.と書かれています)

 

このトラフィックの内容が上りか下りかまでは書かれていませんが、そういった特別な場で特別な役割にある人々が暇つぶしにtwitterやfacebookを読んだだけとは思えません。おそらくこの数字は競技を終えた選手の喜びや悲しみの声や競技を前にした決意、苦悩の他、関係者やジャーナリストがソーシャルメディアを活用してより柔軟で迅速にビジネスを進める様子を反映した数字なのではないかと思います。

ちなみに1つ見慣れない「VKontakte」というのは通称VK(べーかー)と言われるロシア系のSNSです。関係者の方が使っているんですかね?日本だとmixiが入っているような感じでしょうか。

Wechat(微信)は中国の無料通話サービスで日本では「中国のLINE」と紹介されます。この図を見れば「日本のWechat」と言ったほうが正しいのではないかという気にさせられます。

WhatsappはLINEのチャット機能だけを取り出したようなアプリでこれもまた英語圏ではLINEと同じように使われているものです。

Dropboxは選手はあまり使いそうにありませんので業務用な気がします。

SkypeとFaceTimeはSkypeのほうが頑張っているようですね。

Instagramは日本ではこの位置には来ないように思います。

 

つい興味深かったので上の図を先に紹介してみましたが、一般的にまとめらしいのはこちらでしょう。

Sochi_Olympic_Network_infographic_no_1_infrastructure

http://www2.avaya.com/ru/sochi2014/downloads/Sochi_Olympic_Network_infographic_no_1_infrastructure.jpg

54Tbpsのネットワークが637万台のスマートフォン(タブレットなどのスマートデバイスも含むのかな?)を支えるとのことで、これは2020年にはどうなるんでしょうねという関係者の乾いた笑いが聞こえてきそうな数字です。デンマークの人口より多いと言ってますが調べてみると500万人台だったのでそうかもしれません。ピンときませんが外国の人なら「あー」となるんでしょうか。大阪と愛知の人口の合計が500万人くらいですので、セリーグの最終戦で阪神と中日が延長戦になってわーわーとなっているのを捌く感じでしょうか。すごいかもしれません。

右下には2500のWiFiのアクセスポイントを設置したとあります。2013年のスーパーボウルの35倍ということで、会場の広さも期間の長さも違うので一概には比較できないのでしょうが、どうやってチャネルを決めたかとか色々と気になるところです。

そして上の図でも「選手の上りトラフィック」に言及しましたが、右上の方にはこのように書かれています。(抜粋)

(中略) even if all 6,000 Olympic athletes share ‘selfie’ pics at the same time.

オリンピック6000人がselfieを同時にシェア(しても大丈夫なようにネットワークを敷きました)。

selfieが引用符付きになっていますが比較的新しい言葉で自分撮りのこと。2013年に英語圏の流行語となったことでご存じの方も多いでしょう。オリンピックに参加するメディアや彼らを支える映像系メーカーとしては美しい映像を放送グレードで楽しんでほしいという気持ちがあるのでしょうが、一方でavayaとして目をつけるのは選手の投稿が無事に世界中に配信されることでしょう。反対に、「現地のWiFiがxxxxxでselfieできないわ」なんてFacebookに書き込まれようものなら「ソチのNWはavaya(笑)らしいよ」みたいな煽りを受けること間違いありません。1つのバックボーンを7つの仮想ネットワークに分離して運営しているようです。その後の部分がよくわからないのですが、20万の同時アクセスをリアルタイムに捌けるんでしょうかね。なお選手人数について調べたところでは2870人くらいということで、6000というのは結構大目に見ているのかなとも思います。コーチ等も含めた数字かもしれませんが、ネットワーク屋さんが3000人で頼むなっ!ってお願いしてピッタリで来られたらこっちも驚きますのでざっくり2倍して敷いておきましたというarayaの姿勢には海を越えた技術者同士の魂の繋がりを感じました。

最後にもう1枚。開会式で選手たちが使った側のネットワークのトラフィックを時間経過で表したグラフです。

http://www2.avaya.com/ru/sochi2014/downloads/Sochi_Opening_Ceremonies_Infographic_080214.jpg

5回盛り上がったと書いています。一番盛り上がったのは9:30のところで、下の解説文だと5番です。選手がみんな入ってきて写真を撮りまくった瞬間が215Mbpsに達したとのことです。

グラフの縦軸メモリが100Mbpsから始まっていますので、常にそれくらいは通信があったということで気の抜けない仕事でお疲れ様です。選手は開会式の後はバラバラの時間帯に行動しますし、競技を終えた選手はすぐに帰国することも珍しくないようですので最初のこの瞬間が一番大変だったのかもしれません。

これらの図にはメディア側の生々しい数字は出ていませんでしたが、すべてを衛星通信で賄うことも難しいでしょうからフルHDだったり4k2kだったりという映像がインターネット越しに伝送されていたのではないかと思いますが、機会があればそういった数字もオリンピックのお祭り気分に乗じてこっそりと教えていただけないかなーと思いました。

東京オリンピックに向けてどんなことになるのか恐ろしいような楽しみなような。

 

ざっと探したところではインフォグラフィックは上の3つでした。その他にもプレスリリース等をまとめた特設サイトがarayaのWebサイトにありますのでご興味のある方はこちらへ。

http://www2.avaya.com/ru/sochi2014/

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