モバイル業界にながくいた新米教授のよもやま話

Mobile 2.0

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 岩手県立大学に赴任してから早くも3ヶ月が過ぎてしまいました。桜の葉が綺麗に紅葉しています。名古屋や東京にいた時は桜の紅葉って意識したことがなかったのですが、こちらでは葉がきれいに赤くなって、目に飛び込んできました。昼間と朝夕の寒暖が差が大きいためかもしれません。そして、9日には岩手山に初冠雪が見られました。

 着任してから後期が始まるまで、十分に講義の準備をする時間があると思っていたのですが、あっと言う間に後期が始まってしまいました。これまでにも他の大学で集中講義を行い単位も出していたのですが、自分の大学で講義を行うのは気持ちの持ちようが違い緊張しました。噺家さんたちのように、早く学生の気持ちをぐーっと引き込むような講義が出来るようになりたいものです。

 さて、先日友人から、彼も執筆陣に加わっている本が贈られてきました。インプレスから最近出版された「Mobile 2.0」です。ケータイビジネス、主にケータイコンテンツに係わっている人たちが、インターネットとPCの世界で話題を集めているWeb 2.0への対抗意識からかどうかはしりませんが、日本ではモバイルサービスもパラダイムシフトとまでは行かなくても大きな変革期を迎えており「Mobile 2.0」とも言える現象が起きていることをまとめた本です。
 詳細は本を読んで頂くとして、大きな論点の一つが、auが先陣をきってモバイルナンバーポータビリティーMNPに向けた戦略的コマーシャルを展開しているように、MNPを転換点としてモバイルコンテンツビジネスについても大きな変動が起きているということです。MNPは、通信事業者を乗り換えてもケータイの電話番号が変わらない制度のことです。長らくケータイ通信事業者はコンテンツの検索エンジンを提供してこなかったのですが、MNPに向けサービス性向上のために検索エンジンの搭載を進めています。これによりアクセス性の点で公式サイトと非公式サイトの差、公式サイト内でも階層の上位にあるものと下位にあるものとの差が縮まると予測されます。これは、コンテンツ提供者側にすれば驚天動地の出来事と言えます。コンテンツ事業者にとっては、「Mobile 2.0」って戦国時代の幕開けを意味しているのかもしれません。いずれ再編されるのでしょうが、変革期であるのは間違いありません。業界再編まで及ぶということでは、「Web 2.0」より歴史的なことかも?

名古屋で働いていた時には何度か講演によんでいただき、ケータイの特徴とケータイビジネスについて話をさせて頂きました。その際に強調したのが、PCと異なり
・ケータイはパーソナル性とプライベート度が非常に高いメディア
・ケータイはネット空間と実空間をつなぐ窓
・ケータイの表示画面はPCよりはるかに小さい
の3点です。
 ケータイコンテンツビジネスで成功している人の着眼点といっしょで安心しました。今後のコンテンツの方向性、モバイル広告ビジネスとしては、上記の3つの点を如何にうまく活用するかが重要であると指摘しています。(ちょっと自分の自慢かも?)

 最後に一つ気になった点がありましたので、それを述べて今回は筆を置こうと思います。
 それは、議論の中心がインターネットアクセスとコンテンツであったことです。ケータイ端末についても取り上げていましたが、それは過去や海外の動向に関することが中心となっていました。時期的にMNPとは連動しないかもしれませんが、PCと異なりケータイ端末は今後ドラスティックに変わる可能性が高いとみています。ドコモのiモードが出たときに携帯電話はケータイに変わりました。つまり、電話をするためだけの道具から電話も出来る携帯情報端末に変わったということです。しかし、最新のケータイを見ても分かるように、当初の携帯電話の影響が色濃く残っています。デザインケータイやファッションケータイにしても同じことが言えます。時期を予測するのは難しいですが、今後見かけ上の変化ではなく本質的な変化が起きると考えられます。その方向は、多分パーソナルアシスタント(あえてデジタルを抜きました)としての端末はいかにあるべきかに根ざしているような気がします。端末がまったく別物になるとコンテンツの在り方も全く別物になると思うのですが、そう思うのは私だけ?

Comment(1)

コメント

SHK21

ドラスティックに変化する新しいケータイに期待しています。文字入力関係のUIを充実させた欧米のスマートフォンのような発想も一つの方向性なのかと思います。ただ、両手の親指でプチプチやるのが本当に良いのかは疑問に感じていますが。
やはり、ケータイは片手持ちして自由に文字入力できないといけないのではないでしょうか。
こういうコンセプトでいろいろと考えている今日この頃です。
良い情報を期待しております。

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