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快楽、没頭、意味を問う人生、あなたはどのレベルまで行けそうですか?

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戦前戦後に近いあたりに生まれた人たちがだんだんと亡くなっています。この人たちが1960年代から80年代後半あたりまでに残した功績は文化面も含め多大なものがあります。

わたしのような1965年の世代は、オリジナリティーを追求することをもとめられつつも、フォロワーとしての経験が圧倒的多数です。

これは戦後から高度成長期までのやり方が大成功していた時期であり、致し方ない流れであったろうと思いますが、バンド活動などでもオリジナルが上でコピーは下みたいな考え方があったにも関わらず、業界に入り込むためには、過度や従属、不条理を受け入れることが求められる一面もあった時代でした。

ですので、あくまでそのやり方に馴染む人間だけを採用したことは、数十年先になって確実に組織の風土に影響を与えることになります。

自分自身を振り返ると、『夢中を追求する人生──物事に没頭し時間が止まる「フロー」の実現』に関しては手に職系のことを続けている側面もあり、夢中を追求する人生は体現できているかもしれませんが、崇高な目標をもって、意味のある人生を追えているかというと大きな疑問があります。

たまたま偶然に、ロジャー・ウォーターズのThe Wallの映画をiTunesで見つけました。

その予告編は、ピンク・フロイドとして1979年に発表したザ・ウォールをロジャー・ウォーターズが2015年にライブ映像を含む映画として発表したものです。

ロジャー・ウォーターズはコンセプト・アルバムという形態の中でこそ、自分の表現が可能だと思っていると語っているようですが、内面的なものを音楽に昇華したとも言えるでしょう。

1980年代の『ザ・ウォール』ツアーでは、すでに演奏途中から観客席と舞台の間に実際に壁を構築し、それがクロジーング・ナンバー「Outside The Wall」の直前で完全に崩れ去るという大規模な演出を行っていたピンク・フロイド。それを現代テクノロジーで形にしたものが2015年版『ザ・ウォール』です。

会社の事業も社長の構想力が肝心という話はビジネス・スクールでも良くする話でありますが、それは芸術・文化の領域でも同じことだし、人生の構想力でも同じことが言えるということ。

結局、大きな影響を与える人の真似をしていることの限界と、結局死ぬまでこの流れは変えられないのか...と思うと非常に辛いものを感じてしまいました。

マーティン・セリグマンを初めとする、ポジティブ心理学が提唱している考えを、グーグルやらザッポスではこんな風に解釈して経営に活かしています。

図7.jpgここに出てくる、快楽、情熱、崇高な目標を先ほどの、大きなことを成し遂げる人と、あくまで人まねで終わる人の人生の違いで考えてみると、こんなメカニズムに分解できるような気がします。

図8.jpg図9.jpg

デジタル社会においては、一度形になったものをコピーして展開するのは非常に早く、コストも低く行うことができますが、残りの人生そういうことを得意に生きるのか?と問われれば、即答したくない自分がいます。

ただ現状、やってることが薄っぺらだと言われれば黙ってしまうしかない今の自分を残りの人生を少しでも変えられるのか、72才のロジャー・ウォーターズが創り出す音楽と映像世界は昔の音楽少年が中高年になったいま、その関係性に変化を起こしていない事のとても厳しい現実を投影してくれました。

あと20~30年のうちに、意味を問う人生にちょっとでも近づきたいものです、、、

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