オルタナティブ・ブログ > 平凡でもフルーツでもなく、、、 >

感覚人間の思いつき、、、気になった記事、、、雑記等

Dreamforceとギター☆マンで感じた「生き残るための真剣に生きてる感」の違い

»
唐突ですが、海外では本人はフロントで、バックバンドやサポートミュージシャンを、サイドマンと表現する場合があります。

今日はこの、フロントマンなのか、サイドマンなのか…というところから、ここ11、12月での体験を通じて感じことをエントリとして書いてみようと思う訳ですが、

オルタナのブログであったりリアル交友関係で「受託の仕事では学ぶものがない」とか「受託仕事はもう辞めた」という話しを聴きながら、そこに出てくる事例はまさに自分も苦労している事満載で頷くばかりでしたが、実際自分がサービス立ち上げて食べていけるか?というとはなはだ疑問があったりする訳です。

この11月にDreamforceに参加、サンフランシスコの夜をチームスピリットオークニーブレインハーツという会社経営する方々と過ごす機会を得ました。

このサンフランシスコで何を得たかというと、
「今の時代50歳からでも人生もう1回チャレンジするチャンスはあるよね!」
「だからこそ、その限られた時間を使うなら、自分の信念を貫ける仕事を頑張りたい」
こういう経営者の心意気に大いに刺激を受けた訳でした。

現在CMパンチはほぼ個人事務所状態で会社組織で動いているとは言えないのですが、会社立ち上げから15年常に会社規模をどう維持していこうか?という悩みは消えたことがありません。

仕事の形態は制作会社というポジションですから受託が全て。ただこの受託仕事もクリエイティブ要素が絡むと音楽、ギターの演奏と同じで完全オリジナルな属人的要素が発生する訳です。

これ、自分の何となくのイメージですが、サービスを立ち上げていく事が出来る経営者って音楽業界だと本人としてデビューできる人で、受託仕事をうまくやっていくのは、アレンジャーやサポートメンバーなどでうまう活動していくような人のイメージかな?と思案を巡らしたりしてたどり着くのは、
受託であっても、その道のプロとしてちゃんとしたポジショニングも可能なのではないか?

という考え方になります。

そういう意味で自分はセッション・ミュージシャンとしてのキャリアの積み重ねに失敗して現在の制作会社経営という現在に至っており、根本的な悩みの本質が変わっていないことを突きつけられる事になった訳です。

そして、12月27日、ギター好きな方ならご存じかと思いますが「ギター★マン」の忘年会にお邪魔させてもらいました。

1479500_635242049871808_940993342_2

ギターマンを企画・運営するスイートルームの社長さんを知人を通じてご紹介いただいたのがキッカケなのですが、話しをしてみるとドリカムエピック時代の関係者の方で、さらにブログでも紹介していたTAMMYが所属していた事務所でもあり、その「himawari」というアルバムで山下達郎さんの「スパークル」を知人と共同アレンジ、ギターを私が弾いたのをバッチリ覚えていてくれたという、10年、20年前の仕事がキッカケという驚くべき裏事情がありました。

山下達郎バンドの伊藤広規さん、TENSAWの横内健亨さん、浜田麻里のブレーンとして有名な大槻啓之さんなど、大先輩世代から、浦田健志さん、大久保敦夫さん、西脇辰弥さん、佐々木 章さんの同年代、本田'POM'孝信さん、DORAさん、村石有香さんという若い3世代と、ビジネスパーソンにボイストレーニングを提供しているマジカルトレーニングラボの大槻水澄さんが入り交じっての忘年会は、古き良き時代を感じさせる部分あり、はたまたイマどきのミュージシャン事情を教えてもらえる貴重な体験となりました。

(チャリティー企画としての「ギター★マン」については今後定期的にご紹介していきたいと思っています)

ネットを通じて見えてくる仕事事情は、ブラック企業叩き、パワハラ、メンタルヘルス問題、ぶら下がり、残業代減るのに効率高めて何の得がある?、その仕事は自分のキャリアの足しになりますか?などなど、労働者としていかに効率良く働くかにポイントが置かれているような傾向をここ数年強く感じます。

ミュージシャンとしての仕事はアルバムに名前が残るので、ギャラが安いとか高いとかで演奏の質が変化することはないという話しは何回もこのブログで書いています。

そして今日ここで紹介した音楽家の方々はそういう意味では、目の前の仕事をまずは全力で取り組むということを真剣に継続してきた人達だと言えるでしょう。

更に言うなら、IT業界でも「タスクフォース」というか,ビジネスをオーケストラやバンドに例えることは多いですが、実際にプロジェクトごとに集まり、全力を尽くしてその任務にあたり、それが終ったら解散というプロセスをきっちり仕事としてやっている人達の集団がこういう方々なんですね。

会社全員がこういうタイプの人間だったらとても組織として成立しないと思いますが、イノベーション、変革を必要としている組織の人的資源としてこういう自分の信念を貫いて突き進める人材が必要とされていると思います。

ブラック叩きのような労働者としての地位向上も大事なテーマではあるでしょうが、こういう人達から、雇用の安定以外の要素でどうやって質の高い仕事のアウトプットを得るのか?という経営側の観点と、どうやって何十年も仕事でオファーがもらえるだけのエンプロイスキルを維持するのか?という労働者の観点両方から学ぶこと満載な気がします。

自分は会社を作ってしまったことで得られたこと、失ったこと両方がある…というのを前述のサンフランシスコとこの「ギター★マン」忘年会で強く感じています。

会社の資金繰りが成り立たなければサービスの継続も不可能です、ニワトリが先か卵が先かになりますが、

今日書きたかったことは、

まず流行などをふくめ、流行廃りはあるけれど、根本的なことは残る。原理原則は変わらない。なのでフロントだろうが、サイドだろうが、需要を満たす才能を自分が磨き続ける事が大前提で

  • 50歳からでもこのIT化した社会なら新たなトライをすることが可能
  • ただ時間は無制限ではない
  • その限られた時間だからこそ、やる事(やれる事)、やらない事が見えてくる
  • 「やらない事」の多くは食べて行くだけを優先しようとすると捨てられない危険性がある
  • SNSやブログ、ホームページで見込み客やクライアントに自分の「やる事(やれる事)」、「やらない事」をちゃんと知って貰う努力をする
  • その上で、「もうやらない事」を依頼してくるクライアントとは仕事をしない

この覚悟と、実践は最低限必要で、これをやらずして自分の環境に文句は言えないだろうと。

そして最後に、こういうフリーランスや個人会社の人達は仕事を通じて必死に生き残りを計っている人達です。

今後正社員保護は言うに及ばず、非正規への保障もどんどん拡充していくでしょう。労働者保護が不要だと言う気はないですが、正社員、非正規、アルバイトの保障拡充のために、企業間取引における請負契約やフリーランスとの請負契約においての不条理な状態がほっておかれたままの現状に強い違和感を感じます。

本人に落ち度がなくても音楽性が合わなければそのバンドからはクビになる場合があります。なんでそういう話しになるのか?と考えた場合、そこは呼んで来た人間がちゃんとリサーチしてれば不幸は起きなかったよね…という話しになります。

やはりここでも生産性や効率性をちゃんと考えて仕事しないと、多くの人の時間と収入機会がムダに消え、大概が請け負い契約で仕事が発生(完了)する前なのでちゃんとギャラが貰えないという最悪のシナリオに陥ります。

日本の請負契約は、効率性や生産性を考えない発注先サラリーマンのおかげで大変悲惨なものがあると言えるでしょう。

こういう厳しい状況で仕事をちゃんと成立させている人達が居る一報で、ぶら下がりきっている人材であってもそうそうクビにして入れ替えることが困難な日本の雇用事情って不思議なものがあります。

食いっぱぐれの無い環境を手にして時間的にも余裕のある人間的に豊かな生活というのも目指す方向性の一つとしてはありかと思いますが、スタートアップとして起業したり、ミュージシャン何十年も続けている人達に接して、大げさに言うなら
 
生き残るための真剣に生きてる感が全然違う
こんな印象とでも言いましょうか。

真剣という言葉にいろいろ解釈あろうかと思いますので、ご批判をいただくかもしれませんけど、自分は音楽家時代からCMパンチ経営に移ってからも、仕事の見境無しで食べ続けることは出来たけれど、結局打ち出すべきところをちゃんとまだ打ち出せていない現実と向き合うことになりました。

さて来年はこの永遠のテーマに終止符を打てるのか、具体的な一歩を踏み出さねばです。

そういう意味で、来年からはこのオルタナのブログに書く機会は増やしていきたいと思います。
Comment(2)