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オリバーストーン監督の「原爆は白人国家のドイツではなく、日本に投下すると決まっていた」から考えて見る歴史教育

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オリバーストーン監督の来日しての発言をニュースサイトで知った中で2つ気になっている箇所がありました。

まず1つめは、こちら

「戦後、まず必要だったのは再教育だった。ドイツでは、それがうまく成功した。しかし、日本は戦後すぐに防共の盾として、朝鮮戦争、ベトナム戦争、さらには湾岸戦争でも利用され、再教育は叶わなかった。特に、沖縄はずっと利用され続けてしまった」

こういう発言があったということで、その日本とドイツの違いを知ることが出来るかな…と思いBSで昨晩放送された

この番組を見てみることにしました。

1時間の放送で自分の親族を否定して生きる苦悩というのは並大抵のことではないということが、画面を通じて伝わってきたのですが、イスラエルとドイツの共同制作ということで、この番組が両国でどのように評価されているのかが大変気になるところです。

そんなタイミングで、イスラエル政府高官が広島と長崎で行われた平和式典について

「独善的な式典にはうんざりだ。広島と長崎(の原爆)は日本の侵略行為の報いだ」

と書き込んで現在停職処分になっているというニュースがあり、オリバーストーン監督の気になる発言2つめをご紹介したいと思います。

「第二次世界大戦では、人種差別的な部分もあった。1943年5月の段階で、原爆は白人国家のドイツではなく、日本に投下すると決まっていた」

ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」の中にでは、世界で最初の全自動式機関銃として、マキシム機関銃が1893年マタベレ族との戦いで用いられた例を紹介しています。

この機関銃、騎士道精神の残っていたヨーロッパでは白人同士の戦いに用いられるまでには時間が必要だったことを考えると、この時代の最新大量殺戮兵器の利用に人種差別意識があったことを教えてくれます。

機関銃が当初白人との戦いには用いられず、インディアンやアフリカ人には無差別に利用されたという話しは大変ショックだった訳ですが、アカデミー賞を受賞した映画「ガンジー」の中で描かれるアムリットサル事件なども、当時の英国軍人が植民地の人々を人間として扱っていなかった様子が描かれてたシーンは忘れられません。

先程紹介したオリバーストーン監督の発言、これをジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」式に考えてみると、白人に使うのは躊躇したけれど…という図式と同じものが見えて来るような気がします。

そう考えた時に、オリバーストーン監督は日米双方で知識階級を含め、歴史認識についての知識が不足していると指摘していますが、原爆を人類に対して使用した広島・長崎の事はこの先何年かかるか分りませんが、やってはいけなかった事として歴史に刻まれていくべきことだと思います。

日本がそこをちゃんと訴えていこうとすると、先のイスラエル政府高官の発言のように、戦争責任のところに話しが戻ってくる訳ですが、こちらのブログにあるような「終戦した年号は知らないという人材を輩出」するという日本の歴史教育の現状はやはりまずいような気がします。

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