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ePub信望者涙目、当面日本の電子書籍はスキャンしただけのタイプか、リフロー型であってもXMDFかドットブックが主流になるらしい!?

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eBookProのほうにここ最近舞い込む見積もり依頼がePubではなく、XMDFの案件が続いていて何でだろう?って谷川さんと話しをしていました。

そこに対する答えは出ないまま時間だけは経過していた訳ですが、昨日このページの存在を知ってちょっとだけ納得した部分がありまして、そのページとはこれ

出版デジタル機構(仮称)はインプレスホールディングス・勁草書房・講談社・光文社・集英社・小学館・新潮社・筑摩書房・東京大学出版会・東京電機大学出版局・版元ドットコム(代表:ポット出版・ほか6社)・文藝春秋・平凡社・有斐閣などの出版社が主体となって作られた新会社で、サイトを見ると現在賛同出版社、246社になりましたとありますね。

ちょっと振り返ってみると、2011年10月に『電子書籍を考える出版社の会:eBP』が主催した公開シンポジウム「eBP Meetup 2011」の

ビジネスセッション「電子出版は本当に儲かるのか ~2年目の真摯な検証~」でグーグルの佐藤さんが「フィックス型でも良いからてっとり早く電子化していくべきでは?」という趣旨の発言をされていて、自分にとっては衝撃だったこと

テクニカルセッション「当事者が語る、“専門書・実用書”電子コンテンツ制作の舞台裏」のほうでも、ポット出版の沢辺さんが「自炊なら100円とかのレベルで電子化できる現実があり、古い書籍はOCR認識させるほうが効率良い」って指摘だったり、

電子化するにあたり、校正を6回とか繰り返すことになって、その費用だけでも相当な金額に、、、って話しをソフトバンク・クリエイティブの梅屋さんか、暁印刷 舘崎さんがされていて、

自分たちが製作の相談されて金額面の相談している中で、上記のような理由から予算的に折り合わず頓挫してしまう案件も多数あり、自分の体験的にも納得はできたのですが、今後の流れとしてはどうなっていくのだろう、、という不安が残ったのもまた事実。

この集まりだけでなく、いろいろなところで議論されての結果かと思いますが、今回出版デジタル機構が発表した第1次案としての結論はこうです

■結論
以上の検討により、現状ではとにかく「多数の電子書籍を市場に送り込む」ことを最優先に考え、DTPデータのない過去の書籍は、スキャンによるフィックス型EPUB、フィックス型XMDF、フィックス型ドットブックを作製する。その際、本文OCRはせず、本文検索はOCR技術やビュアー側の対応を待って、今後の課題とする。

DTPデータのある比較的新しい書籍は、XMDFまたはドットブックによるリフロー型電子書籍を作製する。これに、近い将来はEPUB 3も追加していく。

また、固定、リフローとも、出来上がった電子書籍ファイルだけではなく、パッケージング直前の生データである画像ファイルや交換フォーマットファイルを制作会社に納品してもらい、機構が保存、アーカイブしていく。これにより、将来的なデバイスやフォーマットの変化に、ある程度対応していく予定である。

現在、ターゲットとなるデバイスは、7インチ相当のタブレットを想定している。具体的な解像度などは新機種が出る度に変わるので、なるべく作り直しをせずに使える汎用性の高い電子書籍データを作成したいと考えている。

制作ガイドラインや制作支援ツールの公開などは、できるだけオープンな環境で行いたいと考えており、確定したものから順次Webサイトなどへ載せていく予定である。

この内容についてはいろいろ意見があるかと思いますが、膨大にある既存コンテンツや今後出てくるものを一定の枠組みで処理しようってルールとしてはまあこういう方向性なんだろうな、、と

ただその前段に「リフロー型の結論」としてある

現状ではEPUB 3のビュアーが間に合わないため、当初は制作・配信ともに実績のあるXMDFもしくはドットブック形式を出版社や電子書店の意向を受けて作成する。それぞれの電子書籍を制作する際の具体的な方法については各制作会社に任せるが、納品されるファイルの仕様は厳密に規定していく。同時にパッケージング直前の状態の作業ファイルを「中間交換フォーマット」で保存し、納品させ、アーカイブしていくこととしたい。

ここの

それぞれの電子書籍を制作する際の具体的な方法ついては各制作会社に任せるが、納品されるファイルの仕様は厳密に規定していく

これについてはごもっともな部分と心配な部分両方ありまして、、、

オープンな規格だと統制とれない部分や商売にしにくい部分があるのは経験したので、こういう規定が商売として大事なのは理解できますが、電子書籍という技術面での流行り廃りの激しいところを、出版社側が仕様を厳密に規定しようとするとまた日本の腰の重いところというか、変化に対応するのが苦手なところが原因で結果として技術的な恩恵が受けられないようじゃ意味ないよな…って思ったり

Amazonの日本でのKindle Storeオープン、日本版KDPがスタートがもう目前になっていてそこに多くの期待をいだいている方も多いようですが、

今日とりあげた出版デジタル機構の発表のなかで電子書籍のフォーマットAZWはAmazon1社のみのフォーマットであり、現状では縦組みやルビなどの日本語仕様が公開されていないため、今回の検討からは外されていることも見逃せず、この春上陸するKindleはまだ縦書き対応してない状態だと推測されますから、

金も手間もかかるからフィックス型EPUB、フィックス型XMDF、フィックス型ドットブックコンテンツがまずは大量投入されるのか、

はたまたPDF納品でAmzon側のシステムで変換されたコンテンツが流通することになるのか、

制作系の仕事をしている立場としても気になるところであり、kindle用のフォーマットで電子書籍製作の単純製作の部分を露出しないとねって話していたタイミングでしたので、

  1. eBookProの最大特徴でもある先端的、実験的な事案への取り組み
  2. 現時点で展開している海外向けiBookStore向けのePub製作やKindleStore向けのMOBI版電子書籍製作サービス、
  3. そして国内向けの単純製作

この3つのサービスをうまく機能させていきたいと思っています。


電子書籍製作事案でお困りで、もしこの記事で興味持たれた方は是非eBookProのほうまでご相談いただければと思います。

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