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過去の管理、現在の管理、将来の管理

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最近Office 365やAdobe Creative Cloudなど、非永続ライセンス(Subscriptionライセンス)を導入するソフトウェアパブリッシャーが増えてきました。Cloudサービスも月単位、年単位の契約になりますので非永続ライセンスといえるでしょう。

非永続ライセンスといっても、ソフトウェアはPCにインストールして使用する為、使い勝手は大きく変わるものではありませんが、非永続ライセンスの普及によりライセンス管理は大きく変わろうとします。

永続ライセンス(Perpetualライセンス)の場合、ソフトウェアが必要になった時点の需要に対してソフトウェアライセンスを購入します。購入した時点でソフトウェアのライセンスは永続で使えますので、1週間だけ利用しようとも、10年利用しようと価格は変わりません。この際に必要な管理というものは、現時点におけるライセンスの過不足状況の把握と、変更の履歴を残すこと。いわば、現在と過去の管理。

しかし、非永続ライセンスの場合大きく変わります。1週間だけ利用するのと10年利用するのでは購入すべきライセンスの許諾期間が変わってくる。使える製品は変わらないが、1週間と1年間では料金が変わる為、使いたい期限に合わせたライセンスを選択しないと無駄なコスト支出の原因となる。適切なライセンスを選択するためには、ライセンスの購入時点でいつまで使用するかを管理しなければならない。いわば、将来の管理。それと共に現在と過去の管理も同時に行う必要がある。

これを実際の購入手続きに当てはめると、永続ライセンスの製品を購入する場合は、何の製品なぜ必要を購入前に把握する必要があります。しかし、非永続ライセンスの場合、それに加えていつまでその製品を使うのかまで把握する必要があります。

ライセンス管理は管理対象の製品や契約により管理すべき項目や運用方法が変わります。そのため、非永続ライセンスの普及により今後さらに管理が複雑化することが予測されます。

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