企業ITの都市計画的デザイン ~ 『機動戦士ガンダム』に学ぶ

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gundam20150913.jpg 六本木ヒルズで開催されている機動戦士ガンダム展に行ってきました。さすがガンダムというべきか、私が訪れたのは平日の朝であったにもかかわらず行列ができていました。アニメ『機動戦士ガンダム』に関する展示の数々を見てきたことで、久々に自分の中のガンダム熱が高まっています。サイド7で平穏に暮らしていた主人公アムロ=レイが一年戦争に巻き込まれていくところから始まる全43話の物語は、今でもグッときます。

 放送開始から35年を経た今でもこれだけの人気があるのは、人によって様々な味わい方や学び方があるからだと思います。展示会場で改めてガンダムのストーリーを思い出しながら、私は企業ITとの類比を考えていました。企業の情報システムのデザインを考えるときに、ガンダムの世界観から学べるところがあるな、と。機動戦士ガンダムには、ただ単に巨大ロボットが大暴れするのとは異なる奥深いテーマが隠されています。

 中央集権と地方分権の衝突 ― 作品の舞台となった一年戦争とは、中央集権的な統治を目指す地球連邦政府と、そこからの独立を目指したジオン公国との間における宇宙戦争です。地球上の人口爆発問題を解決すべく、多くの人が宇宙に移り住むようになった後の世界。地球連邦政府の政策は地球に住む人にとって有利になるように作られていて、スペースコロニーといわれる巨大宇宙ステーションに暮らす人には理不尽な生活が強いられます。そんな中、一部の宇宙移民が決起した宇宙戦争が『機動戦士ガンダム』で描かれます。主人公アムロ=レイは統治側である地球連邦に属しているのですが、この物語にはどちらが正義でどちらが悪という概念は無くて、ただその衝突の不合理が描かれています。

 さて、昨今の、クラウドが普及した2010年以降の企業ITにおいても、このような衝突の構図が見受けられることがあります。機密性・完全性・可用性それぞれの観点でしっかりした情報システムを導入したい情報システム部門と、ビジネスに役立つ情報システムを迅速に導入したい現場ビジネス部門との衝突です。SaaSの登場によって、情報システム部門を介さなくても、現場ビジネス部門が独自で情報システムを導入できるようになって以来、こういった双方の目指す方向の齟齬が目立つようになっています。この両者のどちらが正義でどちらが悪という概念は無いのですが、それらが衝突するのは企業として不合理です。どうやって解決すべきでしょうか?

企業内ITのコンフリクト2.png

 この解決のために必要なのは、中央集権か?地方分権か?どちらであるべきかという1 or 0の議論ではなくて、どこからどこまでをどちら担当するのかという線引きの議論です。この線引きは、2つのステップで検討していきます。

  • STEP1 (評価ルール)
    まずは、対象の情報システムを評価します。最重要・重要・通常という3段階くらいで単純に分類している企業は多いと思うのですが、これだと少し荒いです。機密性や完全性や可用性といった性質ごとに重要度の高低を評価することで、どちらが何を担当するかという線引きが明確になります。
  • STEP2 (振分ルール)
    次に、STEP1の評価に沿って、情報システムを振り分けます。機密性も完全性も可用性も低であれば現場ビジネス部門が自由に導入すれば良いです。性質のうち1個だけが高の場合は少し検討が必要になります。例えば機密性だけが高の情報システムであれば、情報システム部門が整備したセキュリティ施策(データ暗号化やログ管理)に従ってさえいれば、後は現場ビジネス部門で自由に導入してよいような線引きにしておくなどが考えられます。

 上記のように、情報システム部門と現場ビジネス部門の線引きを予め設定しておくことで、両者が衝突せず、情報システムの導入・維持・運用がスムーズになります。


 ちなみに、ここからはガンダム展の感想ですが、何が凄いって、原画の一つひとつの迫力が凄かったです。機動戦士ガンダム展の「戦争と人間の性」というコーナーでは、500点のアニメの原画が飾られていました。線のみで色もついていない、セリフも音楽も無い、ただの絵が、こんなにカッコイイなんて!撮影禁止エリアに展示されていたので写真は紹介できないのですが、これは見る価値あります。この興奮のまま最後に通ることになる特設ショップで、限定ガンプラを2つも衝動買いしてしまうテンションの上がりようでした。

ビグザム.png

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