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事業グローバル化における戦略と人はどうあるべきか? そのヒントとなるべき考察と事例集

スピーチの巧拙:豊田氏とTiger氏

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ビジネスマンにとって、スピーチとは単なる発表の場にはとどまりません。自身のプライドやキャリアをかけた真剣勝負です。

スピーチにおいて、話し手が最初に行うべきは、スピーチ目的を定めることです。スピーチの目的とは、情報提供型(Information given speech)から課題解決型(Problem Solving speech)、はたまた娯楽型(Speech to entertain)などが存在します。スピーチとは、目的に始まり目的に終わるといっても過言ではありません。

目的に合うか合わないかにより、スピーチの評価は大きく変わります。今年2月の豊田氏とTiger Woods氏のパブリックスピーチは対照的な例ではないでしょうか。

Recall問題で米国議会の公聴会に呼ばれ、豊田氏はパブリックスピーチを行いました。そこでは、スピーチの目的を達成したようには見えませんでした。この場合のスピーチ目的とは、Recallの原因を特定し、インパクトをはかり、そして今後の解決策を論理的に示すことであり、課題解決型のスピーチが求められていました。実際、彼は原因についての明快な言及せず、代わりに品質への自負や謝罪を強く述べました。

対照的に、Tiger Woodsは自身のスキャンダルについて、見事なパブリックスピーチを行いました。彼のスピーチ目的とは、情報提供型にあたります。それは、自身のスキャンダルの原因を特定し、今後の解決策を示すことではなく、自身の声を通して、スポンサーやファンについて謝罪することです。彼は見事に目的にマッチしたスピーチを行ったといえます。

同じ謝罪の内容でも、目的が異なれば評価は異なります。スピーチとは、目的に始まり目的に終わるといっても過言ではありません。

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