オルタナティブ・ブログ > グローバルインサイト >

事業グローバル化における戦略と人はどうあるべきか? そのヒントとなるべき考察と事例集

新興国市場が生むイノベーション(その1)

»

イノベーションと技術革新は同義ではありません。

正確に言えば、技術革新はイノベーションを起こす一つ要素です。(参考文献)イノベーションという言葉を生み出した経済学者、シュンペーターの言葉を借りると、イノベーションとは技術のみならず、新しい生産方法や調達方法、そして新規の市場開拓や組織形態もイノベーションの範囲です。

とりわけ技術志向で国内市場を開拓してきた、日本企業においては事業グローバル化を進めること自体がイノベーション創出への近道となります。前提が大きく異なるであろう海外市場での成功は、市場をベースとしたイノベーション創出機会が満ちあふれています。この意味では、グローバリゼーションを進めることと世界レベルのイノベーション創出は、お互いに補完関係にあるのではないでしょうか。

BRICSを中心とする新興国市場を眺めると、欧米諸国や日本などの先進国と比較して大きく異なる市場特性があります。新興国市場特性を纏めると以下のようになります。

I. 大きな市場規模: 例)中国の2007年度GDP、3兆6100億ドル(世界第三位)

II. 小さな一人当たりの購買力: 例)中国の2007年度一人当たりの購買力平価ベース(PPP)のGDP、5,300ドル(世界第101位)

III. 若年層が主の人口動態: 例)ブラジルは20歳代以下が全体の30-40%を占める。

IV. 格安な労働力: 例)インドの大卒初任給は約2万5千円ほど。

V. 未整備な流通チャネル: 例)新興国市場の第一の問題点は販売網が構築できない。

VI. 多様な消費行動: 例) 宗教による飲酒や食肉の制限、グローバルとローカルブランドの混在

VII. 結果として高い成長率: 例) 中国の2009年度経済成長は約8%以上。

指摘されると当然のようではあります。ではこれらの市場特性を押さえ、イノベーションを生むにはどのような発想が必要なのか。次回は、これらの市場特性をどのようにして克服し、または活用し、イノベーションを生み出したか考察してます。

Comment(0)