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心が折れてしまう前に予防的視点でのメンタルヘルス情報発信

認知行動療法 その1(否定的認知の三徴)

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さて、いよいよ本題に入って行きましょう。

まず、"認知"とはいったいどう言うものでしょうか?

そんなに難しいことではなく、『何かに対して、自分がどのように感じて受け取るか』 と言うことです。

私たちは普段意識せずに、日常に起こる様々な出来事に対して、自分では現実を客観的に捉えて見ている様で、実は自分なりの思い込みや、フィルターをかけて見ているところがかなりあります。 これは自分自身では意識的に行っていないため、気付いていないことがほとんどです。 実は自分の受け取り方によって、少し考えて客観的に判断すれば何でもないことも、それに気付かずに悩んでしまったり、ストレスになって受け取ってしまっています。

認知行動療法ではまず、この"認知"をしっかりと把握することが大切なポイントになってきます。 特にうつ状態にある人の心理状態を「否定的認知の三徴」と呼んでいます。 これは、

①自分自身に対して

②周囲との関係に対して

③将来に対して

否定的になった状態です。 うつ傾向になると、「自分はダメな人間だ」「みんなから嫌われている」「周りに迷惑をかけている」「これから先も良いことなんて何もない」「つらいことばかりだ」など、全てにおいて否定的で悲観的に物事を考えてしまいがちになります。 ただでさえ落ち込んでいる状態で、この様な思考に陥ってしまうと、どんどん自分自身を責めてしまい、ますます落ち込んで行き、孤独感や無力感に捕らわれて完全に負のループにはまって抜け出せなくなってしまいます。

一旦この悪循環に陥ってしまうと、そこから抜け出すのは非常に困難となりますので、この状態になる前に日常的なメンタルケアが重要となって来ます。 実は、自分を苦しめているのは他でもない、自分自身なのです。 「そんなことは無い」、「環境のせいだ」「誰々のせいだ」と思われる人も沢山いると思いますが、この自分自身が原因であると言う所に気付けるか、気付けないかが、メンタルケアでは重要なポイントとなりますので、この「認知行動療法シリーズ」で具体的な説明をして行きたいと思います。

次回はなぜ自分自身が自分を苦しめることになるのか? 認知行動療法で基本中の基本となる"自動思考"をテーマに説明して行きますのでお楽しみに。

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