現役アーティストの目線でこれからの音楽のあり方を考察していきます。社会の様々な課題に対するアイデアを、音楽が持つ可能性と強引にこじつけてコミットします。

音楽も第3セクターが主役になる時代

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 音楽ビジネスの世界は、劇的に変化しています。
あちこちで色々なことが言われていますが、僕が個人的に大切にしたいのは「どの立ち位置での議論か」ということです。

 たとえば「音楽業界がピンチ」と言うのは、「どの立場の人」で「どういう点でピンチ」という前段が抜け落ちてしまったまま、アーティスト、マネジメント事務所、レコード会社、音楽出版社などごちゃ混ぜの中でとりとめのない議論をしているのを、セミナーやSNS上でよく見かけます。

 僕は日頃からはっきり言っていますが、アーティスト至上主義なので、「音楽業界がピンチ」という議論にはあまり興味がなく、どの時代にも共通する課題である「アーティストがその時代でどう稼ぐか」という視点で考えています。
もちろん、その先に音楽業界があるのであれば、メリットを分け合うことは大切ですが、あくまでも契約先・取引先の一つとして音楽の会社があるものだと思っています。

アーティストがビジネスを主導する時代

 音楽大国アメリカでは数年前からアーティストがセールスやプロモーション手法のイニシアチブを握ってきました。

僕の過去記事でも触れていますが、「メイク・マネー」が行動原理のHIP HOPのアーティストたちは、率先してこのビジネスチャンスをものにしようとしています。

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パーソナルブランドで勝ち組になった男たち ②

これが数年前の情報ですが、最近の事情はもっと進んでいて、ついにストリーミング発のビルボードNO.1ヒットも出るようになっています。(詳しくは下記引用元をどうぞ)

音楽を「売らない」新世代スター!? 最先端の「ヒットの法則」とは
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50123

日本のブリット・スクールを作るには

 音楽業界と言われるマネジメント事務所・レコード会社・音楽出版社などの役割は、それを専業としてきたがゆえに、ノウハウやビジネスモデルが時代の変化の中で通用しなくなってきています。

対して、ホールディングスや新たなビジネスモデルを活用している業種が、国や自治体などの行政と積極的にコラボレーションして、本業を生かしつつ、本業とは異なる新事業を生み出す機会が増えています。

いわゆる、第3セクターです。

第1セクター:行政(国や地方自治体)
第2セクター:民間企業
第3セクター:行政+市民の連合体(NPO、市民団体など)
※日本では行政+民間企業が共同出資して設立した法人も含む

 音楽の世界ではどうかというと、実はUKに、アデルなどのグラミー賞アーティストを輩出する「ブリット・スクール」という、政府が設立した無償の音楽・アートスクールが存在します。

UKのアーティスト養成学校「ブリットスクール」とは
http://blog.bondinc.co.jp/history/1791/

「ブリット・アワード」という音楽の賞レースは、この学校の運営費のファンディングのためでもあるのです。
日本ではまだこういった成功モデルはなく、レッドブルなどが試験的に行う音楽のハッカソン企画などに乗じるにとどまっています。

 現在の業界を維持することが難しい中で、目先の利益を生み出すことだけにこだわるのではなく、様々な業種と連携し、教育や育成こそが真に取り組むべきことだと思っています。

また、日本でこの第3セクターとしての音楽業界を実現することは、教育問題や社会問題に音楽やアートを役立てることにもつながります。

そういった社会的な役割を担いつつ、世界的なスターになるアーティストを生み出せるといいなと思っています。

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宇田川ガリバー哲男

身体のハンディキャップを乗り越えてメジャーデビューを経験したアーティスト。日本アーティスト協会の代表理事として、アーティストの職業化を推進中。Umami+(ウマミタス)名義でクリエイティブワークも手がける。

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新曲「生まれてきてくれてありがとう/宇田川ガリバー哲男」生演奏動画
http://youtu.be/5YQf2ye-3l4

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